なぜ日本は青信号? 海外は緑と呼ぶのに… 緑・黄・赤になった理由
くるまのニュース / 2020年4月18日 16時10分
円滑な交通を支える信号機。一般的に「緑・黄・赤」という順番と決まっており、海外でも同様です。ですが、海外では見たままの緑(グリーン)と呼ぶのに、なぜ日本では「青信号」と呼ぶのでしょうか。
■なぜ「緑」ではなく「青」?
クルマが道路を走行するうえで欠かせない信号機。車両用の場合、色の配置は基本的に「緑・黄・赤」という順番ですが、この緑を日本では「青信号」と呼ぶ人が多くいます。
海外などでは、緑と呼ぶのが一般的なようですが、なぜ日本では青信号なのでしょうか。
信号機の歴史は、クルマが開発される以前から存在していたようです。1868年にイギリスで馬車の交通整理のために設置されたものが、世界初の信号機とされています。
当時は電気式ではなくガスを光源とし、手動で「緑」と「赤」の信号を切り替えていたようです。
その後、1918年にアメリカのニューヨーク5番街にて、世界初の自動交通信号機が設置され、このアメリカの信号機は、1935年に東京都日比谷交差点に日本初の自動交通信号機として設置されました。
信号機には当時から「緑・黄・赤」の3色が使用されており、CIE(国際照明委員会)でも明確に指定されています。この3色はすべて人間が視認しやすい長さの「波長」を持っており、距離が遠くても視認しやすいため選ばれたとされています。
それぞれの色について、「緑」は色相環図などでは赤とほぼ正反対の色となっているため、赤と区別しやすいように決められたといわれ、「黄」は、色相環図のなかで赤と緑の中間にあたる色とされ、識別しやすいといった理由です。
最後の「赤」は血と同色で人間が識別しやすく、遠くからでも見えやすい色とされています。赤信号は日本のような左側通行では一番右、アメリカのような右側通行では一番左にありますが、これはより広範囲から確認できるよう道路の中央付近に配置し、視認性を高める狙いによるものとされています。
なお、信号機に使用が許されている色は「緑・黄・赤・白・青」の5色で、交通信号には「緑・黄・赤」の3色、航空信号等には「白・青」の2色の使用が許されています。このルールは世界共通で、どこへ行っても同じ信号機を見かけるのはこのためです。
しかし、「緑」は海外では共通認識とされているのに対し、日本ではユーザーの間だけでなく法令上でも「青」と呼ばれています。なぜ、青と呼ばれているのでしょうか。
実は、もともとは法令上も「緑色信号」と呼ばれていましたが、1947年に道路交通法の前身である「道路交通取締法」の制定時に「青色」へ変更されます。
変更された理由は、一般的に「青信号」が根付いていたためとされていますが、それには日本文化が影響しているようです。
日本では古くから「青野菜、青リンゴ」など、緑色のものを青色と表現する文化があります。この日本独特の表現が日本人の習慣に根付いていたため、馴染みやすくするために「青信号」になったという説が有力です。
世界的には「グリーンライト」「グリーンシグナル」などと呼ばれるように、緑として認識されています。
また、交通管理技術の研究開発をおこなう公益法人・日本交通管理技術協会の資料によると、交通用信号機は戦前のうちから全国の主要都市に普及し、1941年の時点で警視庁管内には370か所あったそうです。
■LED信号にはどんなメリットがある?
近年では、白熱電球ではなくLEDを使った信号機が増えていますが、LEDにはどんなメリットがあるのでしょうか。
LEDが採用された薄型タイプ
信号機を製造する株式会社京三製作所は、次のように話します。
「最大のメリットは『擬似点灯』が起こらなくなったという点です。直射太陽光が信号機に当たった際に、青黄赤の全てが光って見える現象を擬似点灯といいます。
昔の電球式の信号機の場合、電球の光が信号機内部の反射鏡に跳ね返り、その光が色つきレンズを通すことで、私たちは赤色とか青色などの色を認識していました。そのため、直射太陽光が当たると青黄赤の全てが光って見え、擬似点灯がよく発生していました。
それがLEDになり、色つきレンズや内部の反射鏡を使わなくなったことで、擬似点灯が起きなくなりました。
加えて、LEDになったことで省電力、長寿命になりました。60ワットだった消費電力が10ワット以下になり、6分の1以下になったのです。
電球式は数か月に1度、電球が切れる前に定期的に交換していましたが、LEDの信号機は本格的に設置されてから20年が経過しても、まだ1度も交換されていません」
さらに、日本信号株式会社は以下のように話します。
「構造上の見直しにより軽くなっています。電球式では20kg程度の重量でしたが、現状のものは10kg程度となっています」
軽量化することで、災害時に倒れた際の衝撃も緩和できるなど、さまざまなメリットがあるようです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
乗りものニュース / 2024年6月29日 16時42分
-
東日本で唯一!? 超レア「1本立ちの多灯信号機」なぜこの場所に? 初見は「夜チョット怖い」かも
乗りものニュース / 2024年6月23日 14時12分
-
目の前で信号が「黄→赤」に変わった瞬間に通過した車…!これって「信号無視」で罰金対象?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月20日 4時30分
-
高速道路トンネル前の「謎の信号」 なぜ設置? いつも「ほぼ青」だけど…「赤」や「黄色」にもなる? 信号が変わったときの正しい行動とは
くるまのニュース / 2024年6月7日 20時10分
-
バスが青信号の前でノロノロ運転して、わざと信号に引っ掛かります。客は急いでいるのに、怠慢運転じゃないですか? 絶対間に合いますよね?
くるまのニュース / 2024年6月5日 16時40分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2湿気が多いこれからの季節に役立ちそう…警視庁が紹介する「跡が残らないヘアゴムの結び方」
まいどなニュース / 2024年6月30日 20時30分
-
3忙しい現代人が“おにぎり”で野菜不足を解消する方法。野菜たっぷりおにぎりレシピ3選
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時53分
-
41年切った「大阪・関西万博」現地で感じた温度差 街中では賛否両論の声、産業界の受け止め方
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 14時0分
-
5トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース / 2024年7月1日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください