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メルセデスとは女性の名前! 独プレミアムブランドが「メルセデス・ベンツ」になったその理由とは

くるまのニュース / 2020年4月12日 19時10分

いまから120年前の1900年4月2日。はじめてダイムラーが販売する自動車に「メルセデス」という女性の名前が付けられたという。なぜドイツのプレミアムブランド「メルセデス・ベンツ」はその名前になったのだろうか。

■当時11歳の少女の名前が「メルセデス」

 独ダイムラー社は2020年4月1日、「メルセデス」120周年を祝う声明を発表した。

 メルセデスとはもともと、11歳の少女の名前なのだという。

 そもそも、現代につながる「ガソリンを動力とする自動車」を発明したのはドイツ人技術者、カール・フリードリヒ・ベンツだ。

 カール・ベンツは、妻ベルタとともに自らの会社ベンツ&シー(ベンツ社)を立ち上げ、1885年、4サイクルのガソリンエンジンを搭載した3輪自動車「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン」を制作。その特許を取得している。

 同時期にドイツの技術者、ゴットリープ・ヴィルヘルム・ダイムラーは、駅馬車を改良した4輪自動車「ダイムラー・モトールキャリッジ」を制作。ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト(DMG)を設立して自動車販売をはじめている。

 フランスの南東部にある街、ニースに住んでいたオーストリア人の実業家エミール・イェリネックは、このDMGのディーラーを経営し、自らダイムラーのクルマでレースイベントに参加していた。

 DMGが自らのクルマを、ダイムラーではなく「メルセデス」というメロディアスなスペイン語の名前で呼ぶことにしたのは、いまからちょうど120年前の1900年4月2日のこと。当時11歳だったイェリネックの娘、メルセデス・イェリエックの名前を冠したのがはじまりだ。

 1901年3月、メルセデスの名前を付けた最初のモデル「メルセデス35ps」で、ニースでおこなわれたレースウイークに参加。いくつかのレースで勝利している。

 メルセデス35psは、エレガントなデザインと進歩的な技術の両立で「現代的自動車のプロトタイプ」と呼ばれた。当時のフランス自動車クラブの事務局長ポール・メヤンは、このレースウイークのあと「メルセデスの時代に入った」と語っている。

 ダイムラー車のラジエターには湾曲した「Mercedes」の文字が入っていた。メルセデスの名前は1902年6月23日に商標登録、同年9月26日に受理されている。

 その後ダイムラーとベンツ社は1926年6月28日に合併、社名をダイムラー・ベンツとして、そのブランドを「メルセデス・ベンツ」とした。本社をDMGの本拠地シュトゥットガルトに置き、こうして現代に続くメルセデス・ベンツが始まった。
 
 ダイムラー・ベンツ社は第二次世界大戦後も続く。1998年、アメリカのクライスラー社を吸収合併、ダイムラー・クライスラー社に名称変更。その後2007年にクライスラー部門を売却して現在のダイムラー社に名称変更している。

※ ※ ※

 メルセデス・ベンツは今日に至るまで、女性の名前を冠した唯一の自動車ブランドだという。

 メルセデス・ベンツAGのマーケティングディレクターBetina Fetzerは「メルセデス・イェリエックやカール・ベンツの妻、ベルサ・ベンツのような女性が、メルセデス・ベンツのサクサスストーリーをかたち作っています」とコメントする。「私たちは世界中の多くの女性顧客のためにこの伝統を引き継いでいきます。メルセデス・ベンツは未来にわたって持続可能性とラグジュアリーを続けていくでしょう」

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