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タテヨコ比がおかしくない? デザインのバランスが変な車5選

くるまのニュース / 2020年4月10日 6時10分

クルマ選びで重要な要素のひとつにデザインがありますが、なかにはボディバリエーションを増やしたり、機能を優先したために、見た目がおかしくなってしまったモデルも存在します。そこで、デザインのバランスが奇妙なクルマを5車種ピックアップして紹介します。

■無理矢理デザインされた感のあるクルマたち

 クルマのデザインは、販売を左右する重要な要素のひとつです。自動車メーカーは優秀なデザイナーを雇い、外部のデザイン会社にも依頼するなど、売れるデザインを模索しています。

 そうして誕生したクルマのなかには、ボディバリエーションを増やしたり、機能を優先したために、デザインが変になってしまったモデルが存在。

 そこで、デザインのバランスが奇妙なクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●フィアット「ムルティプラ」

ひどいデザインといわれながらもファンも多い「ムルティプラ」ひどいデザインといわれながらもファンも多い「ムルティプラ」

 1956年に発売されたフィアット初代「ムルティプラ」は、3500mmほどの全長ながら3列シート6人乗りが可能な優れたパッケージのクルマで、いまのコンパクトミニバンのご先祖的なモデルです。

 そんなムルティプラの名前を受け継ぎ、1998年に発売された6人乗りミドルサイズミニバンが、大いに話題となりました。

 その一因がデザインで、フロントマスクは両生類のような雰囲気で、キャビンのデザインはクルマの上にクルマが重なっているようにも見えました。

 また、ムルティプラは2列シートながら、前席に3人、後席に3人乗車するシートレイアウトを採用。そのため全長3995mmに対して全幅1870mmと極端に幅が大きくなっており、このバランスの悪い縦横比も不評でした。

 ムルティプラのデザインはとくに欧州で酷評されたため、フィアットも無視することができず、2004年のマイナーチェンジでフロントウインドウから前のデザインをすべて変更。

 しかし、この後期型はあまりにも普通のデザインすぎて、あえて前期型を好むユーザーが多くなるという皮肉な結果となりました。

 なお、日本にも2003年から正規輸入され、5速MTのみの設定だったためか販売は低迷しましたが、やはり前期型の方が人気が高いようです。

●BMW「3シリーズti コンパクト」

フォルムだけでなくフロントフェイスも独自デザインとされた「3シリーズti コンパクト」フォルムだけでなくフロントフェイスも独自デザインとされた「3シリーズti コンパクト」

 1966年に発売されたBMWのコンパクト2ドアセダン「02シリーズ」は、実用性の高い2ドアセダンとして高い評価を得ることに成功し1975年に登場した「3シリーズ」に受け継がれ、現在のBMWの主力車種となっています。

 1990年に登場した3代目3シリーズにはセダンよりも22cm短い全長と、先代のプラットフォームを使用した3ドアハッチバックの「3シリーズti コンパクト」を追加。

 Cピラーまでは標準モデルの3シリーズと同じ外観でありながら、リアのトランク部分をスパッと切り落としたようなルックスは、見ようによってはスポーティな印象でした。

 そして1998年に3シリーズが4代目にモデルチェンジされると、3シリーズti コンパクトは他3シリーズと共通のプラットフォームを採用するなど中身が大幅に進化します。

 しかし、全長4265mm×全幅1750mm×全高1410mmのボディサイズは、切り詰めた全長から腰高に見え、セダンやクーペと異なる意匠のフロントフェイスも相まって賛否が分かれる結果となりました。

 また、スタイリッシュでスポーティな3シリーズのイメージとは異なるデザインに対してもユーザーの反応は良いとはいえず、2004年に5ドアハッチバックの「1シリーズ」が登場したことで販売を終了します。

●ミニ クーペ

スタイルは賛否両論あるが走りは秀逸だった「ミニ クーペ」スタイルは賛否両論あるが走りは秀逸だった「ミニ クーペ」

 2001年に登場したBMW製「ミニ」は、世界的に人気が高かったオールドミニの面影を色濃く残したデザインと、ゴーカートのようにキビキビ走るドライブフィーリングによって、世界的に大ヒットします。

 そして2006年に登場した第2世代では、レギュラーモデルである3ドアハッチバックと、全長が240mm長い「クラブマン」、オープンモデル「コンバーチブル」、初の4ドアモデルの「クロスオーバー」など、多彩なバリエーションを展開。

 2011年に登場したミニ・ファミリーの5番目のモデル「クーペ」ではリアシートを取り払い、シリーズ初の2シーターとして低いルーフに合わせてフロントウインドウの傾斜を大きくするなど、大胆に手が入れられた意欲作でした。

 しかし、キャビン部分を無理矢理に上下方向へ圧縮したようなルックスは、スタンダードなミニに比べ、バランスがいいとはいえませんでした。

■国産車でもあった妙なバランスのモデルとは!?

●日産「マイクラC+C」

ヨーロピアンテイストの走りが高く評価された「マイクラC+C」ヨーロピアンテイストの走りが高く評価された「マイクラC+C」

 日産を代表するコンパクトカー「マーチ」は、初代から世界戦略車として欧州を中心に「マイクラ」の名で販売されました。

 そして、3代目マイクラの派生車として、2005年に「マイクラ C+C」がデビュードイツの名門コーチビルダーである「カルマン」社と共同開発した「スタイリッシュガラスルーフ」が特徴の4人乗りのクーペ/カブリオレでした。

 約22秒でフルオープンとなる電動ルーフは、クローズド状態ではグラストップで、陽射しの強い時はサンシェードで遮ることも可能な仕様です。

 しかし、ベースがマーチなためにボディの厚みから腰高な印象で、ルーフの格納場所となるトランクリッドの水平なラインとルーフラインのつながりも不自然に見えました。

 2007年モデルからは日本でも、イギリス工場で生産される輸入車として1500台限定で販売。

 なお、エンジンはマーチに搭載されていない1.6リッター直列4気筒DOHCが搭載され、欧州仕様のサスペンションと相まって、走りは高く評価されました。

●ホンダ「ライフピックアップ」

新車販売時よりも生産終了後に再評価された「ライフピックアップ」新車販売時よりも生産終了後に再評価された「ライフピックアップ」

 ホンダは1970年に「N360」にかわる新世代の軽自動車、初代「ライフ」を発売。

 さらに多くのニーズに対応するため、1972年には同じプラットフォームを使う派生車種、セミキャブオーバー型軽ライトバン「ライフステップバン」とトラックの「ライフピックアップ」が発売されました。

 ライフステップバンは直線基調のボクシーな外観にFF駆動としたことで、ドライブシャフトを避けるためのセンタートンネルが不要となったためフロア高を下げることができ、より多くの荷物を積み込むことが可能でした。

 しかし、軽トラックであるライフピックアップでは、ライフステップバン譲りの低床荷台は地上高51cmしかなかったため、荷物の積み下ろしには低過ぎたことに加え、ライフステップバンと共通のドアを用いたことで「頻繁な乗り降りにも便利な広く大きなドア」と謳ってはいたものの、結果として荷台の長さが短くなり大きな荷物の積載には不向きでした。

 さらに、デザイン的にもライフステップバンは後に高く評価されましたが、ライフピックアップは腰高かつ寸詰まりな印象です。

※ ※ ※

 デザインには正解は無いといわれますが好みはあり、ここに挙げたクルマも味のある特徴的なデザインと捉える人もいます。

 たとえば、1980年代にはライフピックアップのアンバランスさを活かして派手な色にペイントし、荷台にも派手なサーフボードを立てて乗るサーファーの姿も見られました。

 大ヒットしたクルマに比べ人々の記憶に残り、長く愛されるようになることが、個性的なデザインを持つクルマの良さなのかもしれません。

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