ヤンチャすぎず高性能なのがシブい! オトナのハイパワーセダン3選
くるまのニュース / 2020年4月10日 16時10分
現在、日本ではセダン人気が低迷していますが、かつてはパーソナルカーとして高い人気を誇っていました。さらに各メーカーがハイパワーなエンジンを搭載したモデルをラインナップ。そこで、いまでは数少ない高性能かつ落ち着いた雰囲気のセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
■ハイパワーなオトナのセダンを振り返る
近年、日本の自動車市場ではセダン人気が低迷しています。かつてセダンはファミリーカー、パーソナルカーとして高い人気を誇っていましたが、現在はミニバンやSUVに取って代わりました。
一方で、セダンには高いドライビングプレジャーがあり、使い勝手も決して悪くありません。
そこで、いまでは数少ない大人のための高性能かつ落ち着いた外観のセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイライン オーテックバージョン」
GT-Rスピリッツが宿る「スカイライン オーテックバージョン」
1989年に発売された日産8代目「スカイライン」は、16年ぶりの「GT-R」の復活という重要な役割を果たしました
3代目となるスカイラインGT-Rはレースに勝つという目標のために、280馬力を発揮する直列6気筒DOHCツインターボの「RB26DETT型」エンジンと、可変トルク型の4WDシステム「アテーサE-TS」が搭載され、全日本ツーリングカー選手権では無敵の最強マシンとして君臨。
この高性能なスカイラインGT-Rのコンポーネントを流用して、1992年にオーテックジャパンが「スカイライン オーテックバージョン」を発売しました。
ボディはGT-Rとは異なる4ドアセダンとされ、足まわりには専用チューニングされたサスペンションと、スカイラインGT-Rのブレーキシステムを採用。外観はフロントにエアロフォルムバンパーが装着されているくらいに留まり、主張は控えめです。
エンジンはRB26DETT型からターボを外して2.6リッター直列6気筒自然吸気に作り変えられ、インテーク/エキゾーストマニホールド、カムシャフト、ピストン、制御コンピューターなどをオーテックジャパンが開発した専用品に変更。
最高出力は220馬力と決して大パワーではありませんでしたが、自然吸気エンジンならではの鋭いアクセルレスポンスを実現していました。
スカイライン オーテックバージョンは、スポーツカーを卒業した大人のためのセダンというコンセプトで開発され、余裕を持ってロングドライブを楽しんでほしいという想いから、トランスミッションは4速ATのみとされています。
なお、現在は中古市場に出ることも滅多になく、高額かつ貴重なモデルです。
●ホンダ「アコード ユーロR」
シリーズでラストとなった高性能エンジン搭載モデルの「アコード ユーロR」
1976年にデビューしたホンダ「アコード」は、当初は3ドアハッチバックのみでしたが後にセダンが追加され、クーペやステーションワゴンもラインナップされましたが、セダンをメインとするモデルです。
代を重ね1997年に発売された6代目では、高性能モデルの「アコード ユーロR」を設定。普段使いに適さないほど乗り心地を犠牲にした「シビック タイプR」や「インテグラ タイプR」よりも、適度なスポーツモデルとして高い人気を誇りました。
そして、2002年に7代目にモデルチェンジすると、引き続きユーロRがラインナップされ、新世代の「i-VTEC」エンジンを搭載
2リッター直列4気筒DOHCエンジンは、最高出力220馬力を8000rpmという高回転で発揮するなど、当時のホンダエンジンの真骨頂である高回転・高出力な自然吸気を継承していました。なお、組み合わされるトランスミッションは6速MTのみという硬派なモデルです。
全長4665mm×全幅1760mm×全高1450mmと、当時としては大きめなボディながら1390kgと比較的軽量に作られており、高い運動性能も健在。
外装は小ぶりなフロント/リアアンダースポイラーが装着され派手さはありませんが、内装ではレカロ製バケットシートを装備するなど、スポーティさを主張しています。
ハイパワーなエンジンながら気難しさは皆無で、使い勝手のよい高性能モデルでしたが、この代を最後にユーロRはラインナップから消えてしまいました。
■シリーズ最後のハイパワーモデルとは!?
●スバル「レガシィB4 2.5GT S Package」
最後のハイパワーモデルにふさわしい性能を発揮するスバル「レガシィB4 2.5GT S Package」
1989年に発売されたスバル初代「レガシィ」は、悪路だけでなくハイスピードな領域で真価を発揮する、ハイパワーな水平対向エンジンとフルタイム4WDシステムを組み合わせたセダンとステーションワゴンとしてデビュー。
折しもスキーブーム、アウトドアレジャーブームという時代背景もあり、オールマイティに使える高速ランナーとして大ヒットします。
そして、代を重ねて2009年に登場した5代目では、北米市場を意識して全長4730mm×全幅1780mm×全高1505mm(セダン)と大型化したことで、スポーティさよりも高級感が向上。
かつてのスポーティさが鳴りを潜めたと揶揄されましたが、最高出力285馬力を発揮する2.5リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載する高性能グレードの「レガシィB4 2.5GT S Package」をラインナップ。
トランスミッションは6速MTと5速ATが設定され、スポーティでありながら「インプレッサ」よりも上質なハイパフォーマンスセダンに仕立てられていました。
駆動方式は4WDで、走行状況に応じた走り味が選択可能な「SI-DRIVE」を標準装備し、ビルシュタイン製ダンパーの採用と相まって、道を選ばない安定した走りを実現しています。
なお、2014年に発売された現行モデルの6代目では、全車2.5リッター自然吸気エンジンを搭載し、よりコンフォートな仕様となったため、ハイパワーなモデルはなくなってしまいました。
※ ※ ※
昔は1.6リッターから2リッタークラスのエンジンを搭載した、5ナンバーサイズのセダンが数多く存在しましたが、現行モデルは大型化したモデルが主流です。
5ナンバーサイズは日本独自の規格ですが、実際に日本の道路事情にもマッチしたサイズで、使い勝手も優れています。
いまはグローバルでクルマを売る時代ですから、5ナンバーサイズの高性能セダンは二度と出ることは無いと考えると、寂しさも感じます。
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