カクカクだけど美しい!? 直線デザインのイケてる車3選
くるまのニュース / 2020年4月13日 16時10分
近年、クルマのデザインは複雑な曲線や曲面の組み合わせが可能になりました。一方、かつて直線基調なデザインがトレンドだった時代が存在しました。そこで、直線基調ながら美しいデザインのモデルを3車種ピックアップして紹介します。
■巧みにデザインされた欧州車を振り返る
クルマの外観は時代による流行や技術の進歩などによって、絶えず変化しています。なかでもモデリング技術や工作技術の進化が目覚ましく、かつては量産できなかったような複雑な曲面を組み合わせたデザインも可能となっています。
一方、1970年代から1980年代には、直線基調な平面を組み合わせたデザインのモデルがトレンドだった頃もありました。
そこで、直線基調ながらスタイリッシュなクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●アストンマーティン「ラゴンダ」
よくぞ作った! と思えるほど斬新なデザインの「ラゴンダ」
イギリスの高級スポーツカーメーカーであるアストンマーティンは、これまで数多くの名車を生み出してきました。
近年ではV型12気筒エンジンを頂点とする大排気量、大出力のエンジンを搭載するクーペモデルを中心に、セダンやSUVも発売するなど、話題は尽きません。
現在、流麗なデザインのクーペやセダンをラインナップするアストンマーティンですが、1978年に発売した第二世代の「ラゴンダ」は、平面を組み合わせた異形といえるモデルでした。
空気を切り裂くようなボディデザインのことを「ウェッジシェイプ」や「クサビ型」と形容しますが、ラゴンダはクサビそのものといったスタイルの4ドアセダンです。
極限まで薄く作られたフロントマスクは大きく前方にオーバーハングし、ヘッドライトは4灯のリトラクタブル式を採用。
リアのトランク部分も大きく後方にオーバーハングし、フロントと同様に絞り込まれた形状となっています。
また、内装は高級車で伝統的な本革と本木目を使いながらデジタルメーターを搭載するなど、伝統と革新が同居した斬新なものです。
ラゴンダのデザインはまるでコンセプトカーのようで、本当に市販車なのか疑うくらい強烈なインパクトがありました。
●ボルボ「780」
気品さえ感じる美しいデザインのクーペ「780」
1980年代のボルボというと高い安全性をアピールし、角ばったデザインで無骨なイメージのクルマでした。しかし、1985年のジュネーブ国際モーターショーに出展されたクーペの「780」は、そんなイメージを覆したモデルです。
780は、セダンの「760」をベースに、それまでもボルボと交流があったイタリアのデザイン会社「ベルトーネ」が設計。
ベルトーネはランチア「ストラトス」や、ランボルギーニ「ミウラ」など、数々のスーパーカーのデザインを手掛けています。
780はそうしたモデルと比べると決して流麗なイメージではありませんが、ボルボらしく全体のバランスが秀逸で、いまも語り継がれるほど美しいモデルとして評価されました。
なお、バブル経済まっただなかに販売されていたモデルなので、日本にも正規輸入され、いまも中古車が国内で流通しています。
■美しいイギリス製ミッドシップカーとは!?
●ロータス「エスプリ」
ロータスが誇るスーパーカーの「エスプリ」
ロータスはイギリスを代表する、スポーツカーメーカーです。創業した故コーリン・チャップマン氏は天才的な技術者で、もともとは裏庭で自らレーシングカーを作ってレースに出るという「バックヤードビルダー」から会社を興し、F1に参戦するほどの成功を収めます。
レースに出る傍らで、市販車(キットカー)の製造もおこなっていたロータスは、1950年代後半から本格的なスポーツカーの生産をおこない、数多くの高性能車が誕生。
なかでもFRの「エラン」やミッドシップの「ヨーロッパ」がヒット作となりましたが、1976年に登場した「エスプリ」は、それまでのライトウェイトスポーツではなくGTカーとして開発されました。
エスプリはバックボーンフレームにFRP製ボディを搭載する、ロータスでは定番となっていた手法でつくられ、2リッター直列4気筒エンジンをリアミッドシップに縦置きに搭載。
デザインは直線基調のキャビンとラウンドしたボディを融合させた、スピード感あふれるフォルムを実現しています。
当時、日本で起こったスーパーカーブームや、映画「007私を愛したスパイ」でボンドカーに採用されたことで、エスプリはヨーロッパと並んでロータス車のなかでも人気のモデルでした。
※ ※ ※
曲面を多用したモデルなら美しさの表現は難しくないと思いますが、直線基調なモデルではデザイナーの手腕が問われます。
今回紹介した3モデルの場合は、まさに優秀なデザイナーの手によって美しさが表現されたといっていいでしょう。
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