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なぜ鷹エンブレム廃止? 新型「ハリアー」に変化アリ? トヨタマークに統一の理由

くるまのニュース / 2020年4月14日 9時10分

4代目となる新型「ハリアー」が2020年4月13日に発表されました。従来のハリアーには、車名の由来となる鷹のエンブレムが採用されていましたが、新型ハリアーではほかのトヨタ車と同じトヨタエンブレムに変更されています。なぜ、長く採用された鷹のエンブレムが廃止されたのでしょうか。

■初代から受け継がれる鷹エンブレム廃止のワケ

 トヨタは2020年4月13日、4代目となる新型「ハリアー」を発表しました。ラグジュアリーな都市型SUVというコンセプトは継承されるいっぽうで、エクステリアを見ると従来にも増して流麗なクーペスタイルとなるなど、ひときわ個性化がはかられた印象を受けます。

初代ハリアーから採用されていた鷹(チュウヒ)をモチーフにしたエンブレム初代ハリアーから採用されていた鷹(チュウヒ)をモチーフにしたエンブレム

 実は、パワートレインやプラットフォームなどメカニズムの多くは2019年にデビューした5代目「RAV4」と共通化しているのです。

 しかしながら、内外装のデザインは無骨さを強調したRAV4に対し、ハリアーは従来にも増してエレガントでラグジュアリーなテイストとして大きく差別化しています。

 RAV4のデザインが従来モデルに対してもタフな雰囲気に仕立てられているのは、このハリアーとの差別化を図り、より両者の個性を強調するためといえるでしょう。

 そのなかで、新型ハリアーのデザインで興味深い部分があります。それはエンブレムです。

 初代をはじめ、2代目も3代目もフロントグリルには楕円型のトヨタエンブレムではなく、ハリアー独自である鷹のエンブレムを添えていました(リアはトヨタエンブレム)。

 このエンブレムは、タカ科の「チュウヒ」をモチーフとし、英名である「Eastern Marsh Harrier」から、車名が「HARRIER」と名付けられました。

 しかし新型では、ほかのトヨタ車と同様にトヨタエンブレムが装着されているのです。その理由について、トヨタの広報部は次のように説明しています。

「ハリアーは新型からオールトヨタ(全店舗)での販売を開始します。そのタイミングに合わせ、従来の鷹のエンブレムからほかの車種にも採用されているトヨタのオーバルマークへと変更いたしました」

 驚くことに、トヨタが2020年5月からはじめる施策が大きく影響していることが分かりました。

 これまでトヨタの販売店は「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」の4つの系列があり、「プリウス」など一部モデルは全店扱いながら、「クラウンならトヨタ店」「カローラはカローラ店」などといくつかの車種はそれぞれ異なる系列で販売していました。

 ところが先行した一部の地域に続き、2020年5月からは全国的にトヨタのディーラーであればどの車種でも購入可能です。

 ハリアーはこれまでトヨペット店専売でしたが、新型はすべての店舗で販売へと変更。そんな変化がエンブレム変更の理由ということです。

 なお、室内のドアパネル(レザー部分)には鷹のロゴが施され、その名残りがあります。

 また、従来のハリアーのようにフロントグリルにトヨタマークではないエンブレムをつけていた車種はほかにもあります。

 例えば、「ヴィッツ」。これまで「N」をモチーフとしたネッツ店のエンブレムでした。しかし「ヤリス」へと進化してトヨタマークとなりました。

 さらにはエンブレムだけでなく車名変更に関しても「『ヴィッツ』といえばネッツ店の車種というイメージが強いので、『ヤリス』への車名変更には全店舗扱いに向けてイメージを刷新する意味もある」と開発責任者は説明しています。

 いっぽうで、カローラの「C」やクラウンの王冠ようにフルモデルチェンジしたばかりでもモデル独自のエンブレムをフロントに組み込む車種もあります。こちらは、将来的にどうなるのかとても興味深いです。

 トヨタ販売店はいま、専売をやめて全店舗全車種扱いへの移行という大きな転換期を迎えています。そんな販売サイドの変化が、新型車のエンブレムにも影響を与えているのです。

■元祖ラグジュアリーSUV「ハリアー」ってどんなクルマ?

 ハリアーの初代モデルが発売されたのは1997年のこと。当時はSUVといえばまだ悪路走行を重視したクロスカントリーモデルが中心で、トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」など街乗りを重視したモデルが認知され始めたばかりの状況。

クーペスタイルに変貌した新型ハリアークーペスタイルに変貌した新型ハリアー

 そんななか、乗り心地や舗装路でのハンドリングなどに優れたオンロード向けSUVの発展形として、ラグジュアリーセダンのように豪華な仕立てと快適性の高さを重視したSUVという新しい価値観を初代ハリアーが開拓しました。

 そういったタイプのSUVは今では一般的ですが、SUVといえば泥のイメージが当然だった当時は画期的だったのです。

 続く2代目は2003年に登場。ひときわ上級化が図られ、また2005年にはハイブリッドモデルも加わっています。

 そのハイブリッドは3.3リッターV型6気筒という高性能なエンジンを組み合わせることで、プリウスのような究極の低燃費ではなく「燃費を犠牲にすることなくモーターのパワーを活用した力強い加速」というパワー型ハイブリッドを提案したのが大きなトピックでした。

 その後、2013年には3代目(先代モデル)へと進化。スタイリングの伸びやかさとインテリアの高級感はより強調されるいっぽう、2代目よりもボディが小さくなって取り回しもよくなっています。

 サイズダウンの背景にある理由としては、2代目までの海外向け名称であったレクサス「RX」とは設計が完全に分かれたことで日本向けに最適化されたことがあげられます。

 パワートレインは2.5リッターエンジン&モーターのハイブリッドや2リッター自然吸気ガソリンに加え、2017年6月のマイナーチェンジでは2リッターターボも設定。これはダウンサイジングターボではなく、231馬力を発生する高出力型のターボとしているのがポイントでした。

 さて、発表された新型ハリアーはパワートレインとして2.5リッターエンジン&モーターのハイブリッドと2リッター自然吸気ガソリンの2タイプを設定。

 クルマの骨格ともいえるプラットフォームには「GA-K」と呼ばれるTNGAプラットフォームを採用しています。

 初代からのラグジュアリー感をさらに高めた新型ハリアー。現行ハリアーは、モデル末期かつトヨペット店のみの扱いながら月販2000台ほどを維持していました。

 今回のフルモデルチェンジと全店舗販売によって、タフでアクティブなRAV4より落ち着いたラグジュアリーSUVを求めるユーザーに最適な1台かもしれません。

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