トヨタとホンダが新型コロナ対策に本気! 他メーカーはどう出る?
くるまのニュース / 2020年4月15日 12時10分
新型コロナ対策の重要性が叫ばれるなか、自動車メーカーのトヨタとホンダが新型コロナ対策に乗り出しました。ホンダは感染者を搬送できる車両を開発しましたが、いったいどんな対策がとられたクルマなのでしょうか。
■新型コロナ対策が施されたホンダ車の特徴は?
ホンダが、新型コロナ感染者を移送出来る車両を発表しました。現在、新型コロナ感染者や、感染疑いのある人を移送しようとすると、救急車や自衛隊の車両などを使ううえ、ドライバーも防護服で感染防止しなければなりません。
加えて車両の絶対数が足りていないことから、無症状者や軽症者を病院からホテルなど隔離施設まで移送にするのに苦労しています。ホンダが開発した車両によって状況は改善されるのでしょうか。
今回ホンダが開発した車両は、防護服などを着なくても十分な感染防止効果のある構造になっているので、どんなシステムか具体的に紹介します。まず、運転席+助手席と客室を分けるための「パーティション」を設置。これだけでも相応の感染防止効果があるものの、やはり誰でも安心して運転出来るといえるレベルではありません。
そこで、運転席+助手席の空間にエアコンのファンで外からの空気を押し込み、大気圧より高い気圧としました。これで運転席+助手席のスペースは外気導入口からの新鮮な空気しか入ってこなくなります。
一方、客室は車両最後端に室内の空気を吸い出し、外部に排出するシステム(エアコンのようなモーター駆動のファン)を加えました。このファンを回すと、室内の気圧は常時大気圧よりマイナスになり、室内の空気が運転席+助手席に漏れることはなくなります。
元々、車両の後端には室内の空気を排出するための穴が開いているため、大きな改造も不要。移送中、感染者から出る飛沫とも接しないで済みます。シンプルなシステムながら、効果は絶大。誰でも安心して移送出来ることでしょう。
すでにホンダは港区と渋谷区に車両を提供。2020年4月13日から活用されており、ベースになっているのは「ステップワゴン」と「オデッセイ」。今のところ狭山工場で改装しているものの、需要あれば複数ある国内の事業所で作っていくそうです。
トヨタは新型コロナ禍に対する支援を発表済み。ホンダも加わり、大いに心強くなってきました。
また、ホンダは医療現場からニーズの高いフェイスシールドの生産を5月末までに立ち上げ、無償で供給していくことも発表しました。人工呼吸器もトヨタと同じく生産支援に向け準備中。人工呼吸器は医療機器のため、自動車メーカーが作っても使えません。そこで人工呼吸器を作っているメーカーに対し部品や生産ラインの補強などをおこなうといいます。
すでにトヨタは早い時点で人工呼吸器の生産支援を打診していて、厚労省から「部品の生産は認可無しで作ってよい」という返事を引き出しています。
ただし、生産数を増やすためにラインを改良することに関しては許可が出ていない。大量生産しようとすれば部品だけでなく組み立て効率の追求も必要です。厚労省の柔軟な対応をお願いしたいところ。
また、トヨタとホンダに続く自動車メーカーの支援策発表を期待したいと思います。
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