もうオヤジセダンなんて言わせない! 1.6リッター高性能セダン3選
くるまのニュース / 2020年4月20日 16時10分
かつて、ミニバンの人気が高まる以前は4ドアセダンがファミリーカーとして使われていました。各メーカーがセダンを主力車種としていた頃に、高性能なモデルが存在。そこで、1.6リッターのスポーティなエンジンを搭載したセダンを3車種ピックアップして紹介します。
■テンロク高性能エンジンを搭載したセダンを振り返る
現在、ファミリーカーといえばミニバンやトールワゴンが主流ですが、かつては4ドアセダンがファミリーカーとして人気だった時代があります。
その頃は各メーカーから数多くのセダンがラインナップされ、なかにはスポーツユニットといえる高性能なエンジンを搭載したモデルも存在。
そこで、往年のセダンのなかから、1.6リッターの高回転・高性能エンジンを搭載したモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「サニー VZ-R」
シリーズの有終の美を飾る最後の高性能モデル「サニー VZ-R」
1966年に発売された日産初代「サニー」は、マイカーの普及を後押しした大衆車としてデビュー。
そして代を重ね、1998年に発売された9代目には、短期間だけ「VZ-R」というスポーツモデルがラインナップされていました。
VZ-Rのエンジンは名機「SR型」シリーズのひとつで、最高出力175馬力を7800rpmで発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載。組み合わされたトランスミッションは5速MTのみです。
外観は他のグレードとほとんど変わりなく、VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムくらいで、まさに「羊の皮をかぶった狼」と形容されるセダンとなっていました。
2000年のマイナーチェンジで大幅なグレードの整理がおこなわれ、VZ-Rの販売は終了してしまい、わずか2年の販売だったため、いまでは非常に希少なクルマです。
なお、この9代目をもってサニーは日産のラインナップから消滅してしまいました。
●トヨタ「カローラGT」
レッドゾーン8000rpmという高回転型エンジンを搭載した「カローラGT」
日本が誇るトヨタのベーシックカー「カローラ」には、かつてスポーティな「カローラレビン」がラインナップされていました。
レビンは伝統的に高性能なエンジンが設定されましたが、そのエンジンはレビン専用だったわけでなく、4ドアセダンやステーションワゴンにも搭載。
なかでも1995年に登場した8代目カローラには、4ドアセダンに「GT」グレードが設定され、エンジンはレビンのトップグレードと同じ最高出力165馬力を誇る「4A-G型」1.6リッター直列4気筒が採用されました。
このエンジンは1気筒あたり5バルブの20バルブヘッドや、4連スロットルを装備したスポーツユニットです。
高性能なエンジンに見合うように、4輪ディスクブレーキを装備し、足まわりも専用のセッティングとされていましたが、エンブレム以外はスタンダードなグレードとほとんど変わらない外観となっていました。
■なぜかハッチバックよりスポーティだったセダンとは!?
●ホンダ「シビックフェリオ SiR」
当時、FFセダン最速の呼び声が高かった「シビックフェリオ SiR」
1972年に発売されたホンダ「シビック」は、当初2BOXの2ドアのみでしたが、2代目では4ドアセダンをラインナップし、1991年に登場した5代目は4ドアセダンを「シビックフェリオ」の車名で販売されました。
このシビックフェリオのトップグレードである「SiR」には、最高出力170馬力(MT)を誇る1.6リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。
シャシは3ドアハッチバックと共通で、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンとなっており、1090kg(MT)の軽量な車体と相まって、高い運動性能を発揮しました。
外観は前後にスポイラーが装備されており、「DOHC VTEC」のデカールともにスポーティなモデルであることを主張。
一方、内装がユニークで、本来はより軽量で走行性能に優れる3ドアハッチバックのSiRが、スポーティというよりもポップな印象だったのに対し、フェリオSiRには4座のバケットシートが採用されるなど、高性能さをアピールしていました。
※ ※ ※
かつて、各メーカーが高性能な1.6リッターエンジンを開発しましたが、現在ではほとんど見られなくなってしまいました。
いまのコンパクトカーの主流は1.5リッター以下のエンジンで、高性能化にはターボを搭載するのが一般的です。
確かに出力だけを求めるにはターボは有効ですが、8000rpmまで回る高回転な自然吸気エンジンのフィーリングが味わえないのは、寂しく感じてしまいます。
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