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安全か? 利用者間で使う「カーシェア」のコロナ対策は? 大手各社の消毒事情で違いも

くるまのニュース / 2020年4月22日 9時10分

マイカーを持っていない人が3密を避けて移動する手段として、カーシェアリングサービスがあります。しかし、車内の消毒の徹底具合については、事業者で違いがあるようです。果たして、消毒が念入りにおこなわれている事業者はどこなのでしょうか。また、コロナウイルスから自衛する方法には、どのようなものがあるのでしょうか。

■次亜塩素酸水のスプレーボトルを車載する事業者も

 クルマを持っていない人にとって、カーシェアリングは3密を避けることができ、感染リスクが低い心強い移動手段です。しかし気になるのは、車内の消毒方法です。コロナウイルス感染予防のためにどんな対策が行われているのでしょうか。

 大手カーシェアリング事業者である「タイムズ」「カレコ」「オリックス」の3社に、その対策方法を聞いてみました。

 カーシェアリングを利用したことがある人ならご存知だと思いますが、シェア車両の洗車や給油は原則として利用者がおこないます。給油に関しては、3社ともに車内に備え付けのカードを使って給油するので、利用者の負担はありません。また、給油によって利用料金が15分から30分割り引かれることになっています。

 タイムズの場合では、20L以上が給油されたことを自動検知して30分間の利用料が自動的に割り引かれます(他社はその都度、事後に申請する必要あり)。また、洗車も(事前申請が必要ですが)給油と同じカードでおこなうことができ、その場合も利用料が30分間無料になります。

 なお、洗車のほかにマナーとして3社ともゴミは各自で持ち帰ることや、クルマにある掃除用品などを使って車内美化に協力することが求められています

 このほか、各社とも10日から2週間に一度の割合で、シェア車両の管理会社による清掃や車内の確認がおこなわれています。

 それでは、今回のコロナ禍において、不特定多数の人が利用するシェア車両はどのような方法で消毒されているのでしょうか。各社に聞いてみました。

 まずタイムズでは、シェア車両の衛生強化策として定期巡回(10日に1回程度)の際、通常の清掃に加え、ハンドル/ドアノブ/ダッシュボード/各種スイッチ類などの利用者が触れやすい箇所を中心に二酸化塩素成分または次亜塩素酸成分を使用した除菌剤を使用し、清掃を実施しているとのことでした。

 タイムズカーシェアは筆者(加藤久美子)も会員となっているため、近所のステーションで実際にシェア車両がどうなっているのかを確認してきたところ、車内には2本のボトルが置いてありました。

 1本は従来からあったもので、安定化二酸化塩素を主成分とする「消臭・除菌・ウイルス除去 ズバッと滅臭(めっしゅう)スプレー」(株式会社プロスタッフ)です。

 もう1本は、厚労省が細菌やウイルスに対して殺菌効果のある除菌水として定める次亜塩素酸水を主成分とする「ミスティ」(現在の商品名は「ティーミスト」、大成株式会社)です。ちなみに、これはキッチンハイターなどを薄めて作る、次亜塩素酸ナトリウムとはまったく異なる成分となります。

 タイムズカーシェアを運営するパーク24経営企画本部に聞いてみたところ、「新型コロナウイルス対策として、お客様により安心してご利用いただけるよう、手に触れる部分の消毒を中心にご利用いただける次亜塩素酸を成分とする除菌スプレーを4月初旬より追加して、すべての車両に車載しております。紛失などがなければ2本あるはずです」とのことでした。

■自衛のために自分で消毒する方法とは

 タイムズの感染予防対策は理想的だといえますが、ほかの2社についてはどうでしょうか。

 2社に聞いてみたところ、以下の回答を得ました。いずれも、利用者が自由に使用できる次亜塩素酸水スプレーなどは搭載されていないとのことでした。

 まず、カレコは次のように説明します。

「車両を利用する際は窓を開けてご利用いただく等、充分な換気をおこなってください。手洗いやマスクの着用、咳をされる際のエチケットなど感染予防にご協力をお願いいたします。万が一、コロナウイルス陽性者による車両利用が判明した場合は、直ちにご利用・ご予約を停止し、当該車両において消毒対応等の措置をおこなってまいります」

 次に、オリックスは次のように説明します。

「10日に1度ペースの通常清掃に加え、ハンドル/ドアノブ/ダッシュボード/各種スイッチ類など、お客さまの手が触れやすい箇所を中心に除菌剤(二酸化塩素成分または次亜塩素酸成分を使用)を使用し清掃を実施しています。また、清掃員による感染拡散・予防のため、必要に応じたマスクの着用。うがい手洗いの頻度向上をおこなっています」

 つまり、カレコは換気を促すのみ。オリックスは通常清掃の際に除菌剤を使用して清掃をおこなっているという状況でした。清掃の頻度も従来通り「10日に1度」でとくに変化はないそうです。

※ ※ ※

 タイムズのシェア車両に搭載されている2本のボトルにはいずれも「布製品の消臭・除菌」と書いてありますが、ミスティの方はハンドルやサイドブレーキ、スイッチ類、ドアハンドル、シフトレバーなど手が触れる部分の消毒にも使用できるとのことでした。

車内の消毒にはどのようなものが有効なのか車内の消毒にはどのようなものが有効なのか

 その際に注意点すべきこととしては、「除菌スプレー(次亜塩素酸水)は手を触れる部分を中心に、20センチほど離して表面が濡れる程度に噴霧し、乾燥させてから使うこと」、「スイッチ周りや電装品への大量のスプレーはしないこと」、そして「消臭スプレー(安定化二酸化塩素)はカーシートやフロアマットに対して20センチほど離して噴霧し、乾燥させてから使うこと」があります。

 そして、消毒用の液剤が搭載されていないシェア車両を使う場合には、自衛のために、手指の消毒にも使える「次亜塩素酸水」を主成分とする液剤を用意するのが良いでしょう。

 次亜塩素酸水が入手困難な場合は、人体には絶対に使えませんが、「ハイター」「キッチンハイター」など家庭用の漂白剤(「ワイドハイター」は酸素系漂白剤なので消毒効果なし)を水(水道水で問題なし)で0.05%に薄めた次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きしておけば安心です。

 なお薄めた液は、次亜塩素酸ナトリウムが分解されやすく効果が持続しないので、使用の都度、必要な量をつくるようにして下さい。

 0.05%の濃度に希釈する目安は、製造後のどれくらい経過しているかにもよりますが、花王の公式サイトによると生産時の濃度(6%)の場合は水3リットルにキャップ約1杯(25ml)、購入後3か月以内の場合は水1リットルにキャップ約0.4杯(10ml)、購入から1年以内の場合は水1リットルにキャップ約0.6杯(15ml)、購入から3年以内の場合は水1リットルにキャップ約1杯(25ml)ということです。

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