なぜいつも大渋滞? 有名渋滞スポット 無意識の速度低下が要因?
くるまのニュース / 2020年5月4日 18時10分
毎年、GWは交通量の増加によって全国各地で大渋滞が発生しています。しかし、2020年のGWは全国に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出は自粛する要請が出ているため、大渋滞は発生しないはずです。今回は、そんな自粛の最中でも覚えておいて損はない有名渋滞スポットを紹介していきます。
■渋滞スポットが東名に集中するワケ
現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止により、日本全国に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出自粛が要請されています。
本来であれば、GWの高速道路は大渋滞が予想され、どのように回避するかが話題になります。今回は、外出自粛の最中でも、覚えておいて損はない有名渋滞スポットを紹介していきます。
国土交通省が過去に発表した「2018年高速道路の交通状況ランキング」では、渋滞が多い場所を上り・下り(内回り・外回り)別に、IC(インターチェンジ)やJCT(ジャンクション)間で集計したものをランキング形式にしています。そのなかで、もっとも渋滞が多いスポットは以下の通りです。
●1位:東名高速道路「海老名JCT~横浜町田IC(上り)」
●2位:中央自動車道「調布IC~高井戸IC(上り)」
●3位:東名高速道路「東名川崎IC~東京IC(上り)」
●4位:東名高速道路「秦野中井IC~厚木IC上り)」
●5位:東名高速道路「横浜町田IC~海老名JCT(下り)」
渋滞ランキングを一覧で見ると圧倒的に東名高速道路が多く、トップ20の半分近くの8か所を東名高速道路が占めていることが分かりました。
高速道路での交通渋滞は、人口や交通量の多い関東の首都圏に集中しています。しかし、首都圏以外でも、渋滞の影響を受ける高速道路や、渋滞距離の長い区間があります。
例えば、愛知県から三重県にまたがる東名阪自動車道では、三重県内の亀山JCTから鈴鹿IC区間の上り線が8位。続く9位にも東名阪自動車道がランクインし、同じく三重県内の四日市ICから鈴鹿ICの下り線です。
また、九州では佐賀県から福岡県にまたがる九州自動車道の鳥栖JCTから筑紫野ICの上り区間で、18位にランクインしています。
各地で発生する渋滞ですが、渋滞スポットとして有名な場所に関して、NEXCOの広報担当者は次のように注意喚起しています。
「大和トンネル付近(上り)は、緩やかな下り坂から上り坂になるサグ部といわれる場所です。そのため、自然と速度が低下するために渋滞が発生します。
このような場所では『速度低下注意』などの看板などで注意喚起をおこなっていますので、速度回復にご協力をお願いするほか、走行中は余計なブレーキを踏まないように十分な車間距離を確保してください。
また、車線変更は控えるようお願いします。渋滞中における必要以上の車線変更は、さらなる渋滞の悪化を招きます」
※ ※ ※
人口の多い首都圏と中部圏、関西圏を結ぶ路線は、GWやお盆、年末年始の帰省や行楽地への外出で交通量が増えることから、必然的に大規模な交通渋滞が引き起こされています。
勾配のついている区間では、目の錯覚によって速度の低下や、スピードの出しすぎに気づきづらいこともあります。そのため、自分がどれくらいのスピードを出しているのか、スピードメーターでチェックすることも重要です。
それにより、自分や周囲のクルマとも適切な車間距離を保つことができ、不要な加減速や、ブレーキ操作を行わずに済みます。
また、渋滞中は「少しでも早く前に行きたい」という心理状態に陥ることもあります。そこで頻繁な車線変更を行えば、結果として後ろのクルマがブレーキを踏んでしまい、渋滞がより長期化する可能性があります。
■渋滞TOP5はどんなトコロなのか…
渋滞ランキングのTOP5は、どのような場所なのでしょうか。5位から順に見ていきましょう。
高速道路での渋滞発生ポイントに多い「サグ」の標識
●5位:東名高速道路「横浜町田IC~海老名JCT(下り)」
東京都から神奈川県に向かう、東名高速道路の下り線、横浜町田~海老名JCTは、渋滞することで有名な区間です。
渋滞によって1時間を無駄にした人が、年間で何万人に上ったかをあらわす渋滞損失時間は、「108.4万人/時間」という単位で表され、影響を受けた人の内訳は以下のようになります。
もっとも多かったのは「約40km/hのノロノロ渋滞」で、79万人がこの影響を受けている結果となり、「交通集中渋滞」が17万人、「事故渋滞」が10万人、「工事渋滞」が0.5万人です。
●4位:東名高速道路「秦野中井IC~厚木IC上り)」
4位は、静岡から東京方面に向かう東名高速道路の上り線で、神奈川県の秦野中井IC~厚木ICの区間です。
神奈川県と山梨県にまたがる丹沢山地の裾野を走るこの区間は、渋滞損失時間126.5万人とされ、渋滞で1時間を無駄にした人が年間126.5万人/時間に上ったことになります。
内訳は「約40km/hのノロノロ渋滞」が52万人、「事故渋滞」が37万人、「交通集中渋滞」による影響が26万人、「工事渋滞」が1万人となっています。
●3位:東名高速道路「東名川崎IC~東京IC(上り)」
3位は、東名高速道路の上り線のゴール、神奈川県川崎市の東名川崎IC~東京IC区間です。
渋滞損失時間は138.6万人/時間で、その内訳は「交通集中渋滞」が92万人ともっとも多くの割合を占めています。次いで「約40km/hのノロノロ渋滞」が20万人、「事故渋滞」が18万人、「工事渋滞」が2万人となっています。
●2位:中央自動車道「調布IC~高井戸IC(上り)」
山梨県から東京へと繋がる中央自動車道の上り線、その最終区間である東京都内の調布IC~高井戸ICが2位となりました。
渋滞損失時間は161.2万人/時間で、その内訳は「交通集中渋滞」が105万人、「約40km/hのノロノロ渋滞」が26万人、「事故渋滞」が27万人、「工事渋滞」が3万人で、「交通集中渋滞」ではこの区間がもっとも多い結果となりました。
渋滞の長さは7.7kmと、3位の東名高速道路「東名川崎IC~東京IC」と変わりませんが、渋滞損失時間は22.6万人多くなっています。
●1位:東名高速道路「海老名JCT~横浜町田IC(上り)」
1位となったのは、神奈川県から東京都へ向かう、東名高速道路の上り線、海老名JCT~横浜町田ICです。
神奈川県海老名市から、横浜市緑区にまたがるこの区間は、渋滞することで有名な「大和トンネル」があります。
5位には同区間の下りがランクインしていましたが、上り線では、その先に3位の「東名川崎IC~東京IC区間」が控えており、下り線よりも激しい渋滞が発生しやすい条件が整っています。そのため、この区間は日本で一番の渋滞スポットとなっているのです。
渋滞損失時間は162.1万人/時間となり、影響を与えている渋滞の長さは2位の倍近い13.8kmとなっています。
影響を受けた人の内訳は、「約40km/hのノロノロ渋滞」がもっとも多く、63万人。「交通集中渋滞」が47万人、「事故渋滞」が40万人、「工事渋滞」が1万人となっています。
※ ※ ※
2020年のGWは、不要不急の外出自粛期間です。そのため、基本的には仕事などで往来する交通量に絞られるため、例年のような大渋滞は起きないとされています。
現時点で、緊急事態宣言は2020年5月6日までですが、その期間が延長されないように今一度、不要不急な外出を控えるようにしましょう。
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