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三菱「ランエボ」電動SUVで電撃復活か!? 新4WDシステムが開く再生への扉とは

くるまのニュース / 2020年4月23日 9時10分

三菱は東京モーターショー2019に「MI-TECH(マイテック)コンセプト」を出展しました。このコンセプトカーには、復活が期待される「ランエボ」にも関わるかもしれない新技術「クアッドモーター4WDシステム」が搭載されています。ランエボ復活はあり得るのでしょうか。

■三菱「ランエボ」 電動SUVとして復活か?

 自動車メディアの間では“ランエボSUV”とも呼ばれる、三菱の次世代高性能SUV。これまで量産の噂が何度もありました。登場時期としては2021年が有力とか、もう少し先とか、さまざまです。果たして、噂の真相はどうなっているのでしょうか。

「ランサーエボリューション」のSUVの量産が現実味を帯びたのは、東京モーターショー2017で登場した「e-エボリューションコンセプト」。さらに、東京モーターショー2019に登場した「MI-TECH(マイテック)コンセプト」です。

 これ以前にも、三菱小型スーパーSUV登場の噂は絶えませんでしたが、ついにその姿を現した、という感じでした。

 ただ、MI-TECHコンセプトによって逆に「ランエボSUVはやっぱりないかも」という噂もたってしまいました。パワートレインが、ガスタービンエンジンを利用したブラグインハイブリッド車というからです。同様のシステムは、イギリスなどで以前に研究されたことがありますが本格的な量産に至っていません。

 一方でボディデザインとしては、量産っぽさを感じます。2座席のオープンボディのバギータイプ、というカモフラージュで登場しましたが、近年の三菱デザインらしいガッツリ顔の「ダイナミックシールド」からは量産車へとつながる雰囲気があります。

 そして、量産化の観点でもっとも気になるのが、「クワッドモーター4WDシステム」です。

 クワッドとは4を意味します。つまり4モーターです。近年登場しているEV (電気自動車)、プラグインハイブリッド車、またはハイブリッド車で四輪駆動というと、2モーターまたは3モーターが使われています。

 2モーターの場合、FF(前輪駆動車)用のエンジンに1基、後輪駆動用に1基。または前後に1基あり、それぞれが両輪の動力源になっています。

 3モーターの採用例はホンダの「SH-AWD」で、「NSX」や「レジェンド」に搭載。NSXは後輪側のエンジンに1基、前輪側に2基。レジェンドはその前後逆となります。

 4モーター式4WDでは、欧米のベンチャー企業が少量生産モデルとして発表したり、レクサスのコンセプトモデル「LF-30エレクトリファイド」などがありますが、本格的な量産車はまだありません。

 4モーター式4WDの三菱車というと、いま(2020年)から15年前の2005年に三菱が発表した「ランサーエボリューションMIEV」(ランエボMIEV)を思い出す人がいるかもしれません。

 自動車メディアの多くも、ランエボMIEVの現代版として、MI-TECHコンセプトをランエボSUVの原型として捉えているのでしょう。ただし、ランエボMIEVと今後登場するかもしれないランエボSUVとでは、4WDシステムに大きな違いがありそうです。

■低コスト化も実現? 「MI-TECHコンセプト」に隠された復活へのヒントとは

 ランエボMIEVは、2010年に「i-MiEV」として量産された三菱のEV技術の礎になっています。

 だたし、このランエボMIEVの「MIEV」内の大文字「I」は、「インホイールモーター」を意味します。一方、i-MiEVの方の「iMiEV」内の小文字「i」は「イノベーティブ」(革新的)と異なります。

 インホイールモーターは、車輪ホイールの内側にモーターを配置する方式です。ランエボMIEVでは、公共交通機関向けなどに電動品を開発製造する東京電機製造の、アウターローター式モーター(最大出力50kW)を四輪に装着しました。最高速度は時速180km、満充電での航続距離は250kmとしました。

三菱が2005年に発表した実験車「ランサーエボリューションMIEV」三菱が2005年に発表した実験車「ランサーエボリューションMIEV」

 インホイールモーター式の四輪駆動車は、三菱以外にも国内部品メーカーなどによる実験車両があります。いずれも高い出力ときめ細やかな制御で、スーパーSUV級の走りが可能です。

 弱点は重量とコストで、これまで自動車向けでの本格的な量産化は進んでいません。

 一方、MI-TECHコンセプトでのクワッドモーターは、インホイールモーター式ではありません。モーターは前後車軸の中央部分に制御システムと共に配置されています。コスト面では将来的に大きく改善されるでしょう。

 背景には環境規制として、中国での新エネルギー車政策や、欧州でのグリーンディール政策などが強化されたこと。また、フォルクスワーゲングループが中長期経営計画としてEVシフトをぶち上げ、電動車関連部品を大量に発注したことなどが大きな要因です。

 では、ランエボSUVの量産化の時期はいつになるのでしょうか。

 MI-TECHコンセプトの発表時、三菱幹部は同社の電動車戦略について、「2022年までに、ミッドサイズSUV、コンパクトSUVに、三菱のプラグインハイブリッド車技術、また(ルノー・日産)アライアンスによるバッテリーEV、シリーズハイブリッド(e-POWER) のいずれかの電動化技術を採用した新型車を投入する計画です」と説明しています。

 この「2022年までに」という目標は、日産の内田誠CEOも決算発表で明言しています。

 日産は2020年にe-POWER搭載のコンパクトSUV「キックス」と、EV「アリア」を発売することが濃厚です。続く2021年にはハイブリッド車を含む新型「エクストレイル」と、より大きなSUV「クロスモーション」が北米市場に次いで日本にも導入されるのではないでしょうか。

 つまり、三菱がいう2022年までの新型ミッドサイズ・コンパクトSUVは、こうした日産車の三菱バージョンになる可能性が高いといえます。なかでも、「アウトランダーPHEV」と、新型エクストレイルの電動化技術の共用性に注目が集まります。

 クワッドモーター式4WDを搭載したランエボSUVは、こうした各種電動車が販売好調の場合に日産絡みの電動部品を活用することで、2023年以降で量産への道が開けると考えるのが妥当でしょう。

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