次期型BMW「M3」は直6+トリプルターボ搭載? スペックを予想してみた
くるまのニュース / 2020年4月23日 17時10分
「サーキットも一般道も走れるスポーツモデル」というコンセプトのBMW Mモデル。G20型となった新型3シリーズが登場してから1年が経つが、そろそろニュー「M3」の話題が出てきてもおかしくない時期に来ている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、そうした新車導入スケジュールがずれ込んでいるという情報も聞くが、こんなときだからこそスポーツモデルの話もしてみたい。ということで、Mモデルの歴史と次期M3の予想をしてみよう。
■街も走れるサーキットモデル BMW「M3」の長い歴史
BMW M GmbH(有限会社)は、BMW AG(株式会社)の100%子会社だ。M社はBMW Mモデルのプロデュース、BMWドライビングエクスペリエンスの開催、インディビデュアルと呼ぶ特別注文のクルマの製作など、BMW本社を側面から支えている会社だ。
Mモデルの初代は、1978年のパリサロンで発表した「M1」だ。イタルデザインによるミッドシップエンジン、2シーターのスーパーカーとして登場した。エンジンは3.5リッター直列6気筒で、たった477台が生産されただけなので、いまでは程度が良ければ1台1億円という値も付いている。
1978年に登場した「M1」がBMW M社が手がけた最初のモデルだ
大量生産のMモデルは、1985年にデビューした「M3」からだ。ベースはE30と呼ばれる2代目3シリーズの2ドアで、前後ともブリスターフェンダーにして太いタイヤを履かせていた。トランクリッドにはウイングも標準で付けられていた。
2.3リッター直列4気筒(195ps)から始まったが、DTM(ドイツツーリングカー選手権)のレギュレーションに合わせて1989年には「M3スポーツエボリューション」として2.5リッター(238ps)に排気量を増大した。
この初代M3が実質的なMモデルの原点と呼ぶべきクルマである。筆者が1988年5月にドイツにBMWのインストラクター研修に行った際には、真っ赤な新車のM3を与えられ、2週間走り回った記憶が蘇る。このまま日本まで乗って帰りたいと思うほど絶好調のクルマだった。
2代目となるM3は、E36と呼ばれる3シリーズの2ドアクーペをベースとして1992年に発表された。
エンジンは3リッター直列6気筒(286ps)になり、スポーティだけでなくラグジュアリーな雰囲気も出してきた。1994年には4ドアセダン、カブリオレも追加された。
最終的には3.2リッター直列6気筒(321ps)になり、トランスミッションは5速MTから6速MTになり、シングルクラッチの2ペダルSMG(シーケンシャルMゲトリーベ)も加わった。
3代目のM3はE46の3シリーズクーペで、フェンダーやボンネット、バンパーなどがM3スペシャルになっていた。
エンジンは3.2リッター6気筒だが、レーシングカーのような6連ストットルによってパワーもトルクも格段に上がった(343ps)。トランスミッションは6速MTと進化した6速SMG IIになった。
E46 M3で忘れてはいけないのは2001年のフランクフルトショーで発表されたM3CSLだ。
エンジンをパワーアップ(360ps)し、屋根も含めてCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)のパーツを多用し、遮音材を廃止し、ノーマルのM3から110kgもの軽量化を果たした。
本格的なバケットシートは手動で動かし、後席のシートクッションはほとんどなく、薄っぺらいので長距離は乗れないほど。走りに徹したモデルとして、オーナーは手放さない。まさにCSL=クーペ・スポーツ・ライトウエイトを実現したモデルだ。
4代目は、2007年に誕生したE90のM3である。セダンはE90、クーペはE92と呼ばれた。
これまでと大きく異なるのがエンジンで、4リッターV型8気筒エンジンになった。当時M5・M6で採用していた5リッターV型10気筒をベースに、2気筒減らしてV型8気筒(420ps)にしたエンジンだ。
オイルパンもクランクシャフトの軸受けとしての役目をするベッドプレート方式で高回転型エンジンにふさわしい高剛性を実現した。V型8気筒でも直列6気筒よりエンジン単体では軽くできたことが採用の理由だ。これがNA(自然吸気)最後のエンジンとなり、これほどまでの高回転を楽しめる時代が終わった。大排気量を高回転まで回して気持ちよく走ると燃費は悪かった。
5代目は、F30の3シリーズがベースになっている。2013年12月に発表、翌2014年から発売になった。
この代からセダンが3シリーズ、クーペが4シリーズと呼び名が新しくなり、MモデルもM3セダンはM3に、M3クーペはM4になった。M3はF80、M4はF82と別の開発記号が用いられている。
エンジンはまた3リッター直列6気筒(431ps)に戻った。とはいっても今度はターボチャージャー付きで、BMWが「ツインパワー」と呼ぶノーマル3シリーズの1機のシングルターボとは異なり、ちゃんと2機のターボを持つツインターボエンジンになる。
■直列6気筒+トリプルターボ!? 新型M3のスペックを予想
Mモデルは「サーキットを走るマシンで一般道も走る」というコンセプトで作られているから、その方向性は明確だ。
世界一過酷なサーキットといわれるドイツのニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)=1周20kmを数万kmも走り込んでセッティングされている。F82のM4クーペコンペティションでノルドシュライフェを何日か走ったが、運転しやすく何周走ってもびくともせず、ドライビングが飽きないのはさすがだと思った。
現行型となる5代目F80型M3
さて6代目のM3・M4は一体どんなクルマになるのだろうか。G20型に進化した新型3シリーズ(セダン、ツーリング)が登場して1年。まだクーペモデルの新型4シリーズは登場していない。
そしてこの3シリーズが新型M3の、4シリーズが新型M4ベースとなるのだが、どのような形で出てくるかがいまから楽しみだ。
新型3シリーズでは全幅が1825mmと広くなっているから、以前のように大きなブリスターフェンダーを付けなくてもM3/M4のファットなタイヤが収まるかもしれない。
注目されるのはエンジンだ。排気量はわからないが、直列6気筒が採用されるのは間違いないだろう。もちろんターボ付きだ。
そのターボチャージャーの数は間違いなく2つ以上で、もしかしたら3つか4つの可能性もある。これは大げさではなく、すでにBMWの3リッターディーゼルには、トリプルターボも、それに1つターボを足した4つのターボのモデルも存在している。ただし、ターボチャージャーをたくさん付ければパワーが上がるというものではないのだが。
もっとも注目するのはボディ剛性、シャシ剛性だ。つまりハンドリング性能や官能に訴えかける部分のチューニングは、相当高いレベルに達しているはずだ。スクープ写真やスペック表を見ただけではわからないところもMモデルの魅力だから、今から乗るのがとても楽しみである。
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