日産5代目「シルビア」はバブル時代のモテ車! 女性も支持するデートカーだった!
くるまのニュース / 2020年4月25日 11時10分
スポーティなクーペモデルとして支持を得た日産「シルビア」。S13型と呼ばれる5代目モデルはバブル期に登場し、デートカーとして人気を誇りました。
■バブル時代を駆け抜けたS13型シルビアとは?
日産の人気車「シルビア」は、いまなお多くの人を魅了してやみません。今回はバブル絶頂期である1988年に登場した、5代目シルビアを振り返ります。
S13型と呼ばれる5代目シルビアは、いまだに高い人気を誇るモデルであり、新車当時も1988年から1989年の日本カー・オブ・ザ・イヤーや、1988年には日本グッドデザイン大賞を受賞するなど高い評価を受けていました。
5代目シルビアは、先代にあった3ドアハッチバックが廃止され、2ドアクーペのみの設定となりました。また、先代のヘッドライトはリトラクタブルヘッドライトでしたが、通常の固定ライトとなっています。
当時、ホンダ「プレリュード」を筆頭とした、いわゆる「デートカー」が人気を集めていたことから、シルビアはスペシャリティカー志向の強い流麗なデザインのクーペへと進化。
「アート・フォース」と謳う美しいデザインをまとわせ、男性のみならず女性からもデートカーとして熱い支持を得ました。
もちろん進化したのはデザインだけではありません。搭載されるエンジンを先代モデルから新たに採用されたCA18型に統一。先代モデルではSOHCでしたが、S13型では全車DOHCとし、135PSを発生するNAと、175PSを発生するインタークーラーターボの2種類をラインナップしていました。
また、リアサスペンションも新開発のマルチリンク式へと改められ、当時多くのメーカーが積極的に採用していた四輪操舵(4WS)のHICAS(ハイキャス)や、ABSなどもオプション設定。メカニズム的に大幅な進化を遂げたモデルとなっていたのです。
また、やや煩雑な印象のあったグレード体系は一新され、ターボエンジンを搭載した「K’s」とNAエンジンを搭載した「Q’s」、NAエンジンで装備を簡素化した「J’s」と、トランプを意識したネーミングとしました。
のちに追加されるお買い得仕様グレードなども、「ダイヤセレクション」や「オールマイティ」といったトランプにまつわるものとなっていました。
■コンバーチブルモデルや兄弟車「180SX」も登場!
1988年5月に発売された5代目シルビアには、デビューから2か月後の1988年7月にオーテックジャパンが手掛けたコンバーチブルモデルが追加されます。
日産5代目「シルビア コンバーチブル」
ターボエンジンを搭載した4速ATモデルのK’sをベースとし、ルーフを取り去ったモデルでしたが、当時のコンバーチブル車のようにBピラーを残した形状ではなくフルオープンで、幌の開閉は電動という非常に凝ったものでした。
その分価格はベース車よりおよそ130万円アップと、上級車種並みの高級車となっています。
1989年3月には、新たなシルビアの兄弟車として「180SX」が登場します。180SXは、5代目シルビアのデビュー時には消滅していた3ドアハッチバックボディを持つモデルで、フロントマスクにはリトラクタブルヘッドライトを採用。じつはこのボディは北米市場で「200SX」の後継車種として登場していた「240SX」と同様のものだったのです。
搭載されるエンジンはシルビアと同様に1.8リッターのNAとターボだったため、180SXと命名。なお、180SXは5代目シルビアがフルモデルチェンジ後も販売が続けられ、1998年まで生産されました。
ちなみに北米仕様の240SXはその車名の通り2.4リッターエンジンを搭載しており、180SXと同様のハッチバックのほか、シルビアのように独立したトランクを持つクーペも用意されていましたが、フロントマスクはリトラクタブルヘッドライトのままという日本にはない仕様でした。
※ ※ ※
1991年1月におこなわれたマイナーチェンジでは、内外装の変更は最小限に留めた一方で、エンジンを2リッターのSR型へ換装。マイナーチェンジ前と同じくNAとターボが設定され、NAで140PS、ターボでは205PSとリッター100PSオーバーの領域へ到達しました。
このマイナーチェンジ以降、シルビアのエンジンは最後までSRエンジンが搭載され続けましたが、それだけに多くのチューニングノウハウが生まれた結果、現在まで愛されることとなったのです。
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