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失敗作ではないけど売れなかった!? イロイロとやらかした車5選

くるまのニュース / 2020年4月25日 6時10分

クルマのなかにはヒット作になるものと、そうでないものがあります。ヒットしなかったクルマには時代背景や、ニーズを見誤ったなど、さまざまな理由が存在。そこで、出来は悪くないのにヒットしなかったクルマを5車種ピックアップして紹介します。

■気合いが入りすぎた!? 不運な結果のクルマたち

 これまで、数多くのクルマが販売されましたが、ヒット作になったものと、そうではないクルマがあります。

 開発段階では目標となる販売台数を決めますが、さまざまな理由で目標に到達できないクルマが存在。

 そこで、出来は悪くなかったのにヒットしなかったクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「ブルーバードシルフィ」

年配の人が乗るイメージとなってしまった「ブルーバードシルフィ」年配の人が乗るイメージとなってしまった「ブルーバードシルフィ」

 日産「ブルーバード」は1959年に初代が発売された、同社を代表する大衆車です。

 代を重ねるごとに人気と不人気を繰り返し、1991年に発売された9代目となるU13型は、日本では不評となってしまいましたが、1996年に10代目のU14型へモデルチェンジされると、デザインの刷新が功を奏し人気を回復。

 U14型のラインナップはスポーティな「SSS」シリーズとファミリー向けの「ルグラン」シリーズに分けられており、1997年には190馬力を発揮するSR20VE型エンジンを搭載する「2.0 SSS-Z」が追加設定されたことも人気復活の理由です。

 そして、2000年のモデルチェンジで、小型セダンの「サニー」をベースとした「ブルーバードシルフィ」に生まれ変わりました。

 エンジンは1.5リッター、1.8リッター、2リッター直列4気筒エンジン「QG型」「QR型」を搭載し 、トップグレードの2リッター車「20XJ」でも最高出力は150馬力と、スペック的には「普通のセダン」となってしまいます。

 その結果、ブルーバードシルフィはサニーよりも上質なセダンを目指したコンセプトでしたが、伝統的なブルーバードのブランドイメージから大きく変わってしまい、真面目なつくりのクルマながら販売数が伸びることはありませんでした。

 なお、コアなファンのなかには、ブルーバードシルフィを認めず、U14型を最後のブルーバードと呼ぶ人もいます。

●トヨタ「パッソセッテ」

企画は良かったもののユーザーに受け入れられなかった「パッソセッテ」(画像は「ブーンルミナス」)企画は良かったもののユーザーに受け入れられなかった「パッソセッテ」(画像は「ブーンルミナス」)

 2003年に3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売されました。取り回しのよい大きさの車体と広い室内で、ファミリー層から人気を得ます。

 2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売され、しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。

 パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語の「7」で、文字どおり7人乗りを強調するネーミングです。

 リアドアはヒンジドアを採用して装備も簡素化した結果、価格は149万円(消費税込)からと、かなり安価でした。しかし、ユーザーからはスライドドアの利便性が求められており、パッソセッテの販売は極端に低迷。

 そこでトヨタは生産を終えていたシエンタの再販を決め、2011年にシエンタがマイナーチェンジとして復活し、パッソセッテは2012年に販売終了になりました。

 その後、シエンタはいまも好調なセールスを記録する、大ヒットモデルとなっています。

 なお、姉妹車のブーンルミナスもパッソセッテと同時期に販売を終了していますが、マレーシアのプロドゥア(ダイハツとの合弁会社)から「アルザ」という車名で生産され、いまも販売を継続しています。

●ホンダ「ロゴ」

あまりにも存在感が無かったのが致命的だった「ロゴ」あまりにも存在感が無かったのが致命的だった「ロゴ」

 ホンダは「シビック」の下位に位置していた「シティ」の後継車「ロゴ」を1996年に発売。

 66馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒エンジンに5速MT、3速AT、CVTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことで、ベーシックカーとしては十分な性能のクルマでした。

 また、運転席用エアバッグを全車に標準装備し、高い乗員保護性能を持つ新設計シャシを採用するなど、安全面でも優れています。

 ボディは3ドアと5ドアで、価格は3ドアの廉価グレード(5速MT)で77万円(消費税含まず)からと、ライバルに対してかなり戦略的な価格設定がされるなど、ホンダとしてもロゴに対して期待が大きかったと想像できます。

 しかし、外観のデザインは大きな特徴がない地味な印象で、2回のフェイスリフトがおこなわれましたが、販売台数は低迷してしまい、2001年に生産を終了。

 同年、シャシからエンジンまで新設計とした後継車の「フィット」が発売され、空前の大ヒットを記録することになります。

■バブルに散った2台のスペシャリティカーとは!?

●スバル「アルシオーネSVX」

スバルが誇る稀代の名車「アルシオーネSVX」は出た時期がまずかったスバルが誇る稀代の名車「アルシオーネSVX」は出た時期がまずかった

 1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、同社初のスペシャリティカーとしてデビュー。空力性能を重視したシャープなフォルムや、特徴的な内装のデザインで話題となりました。

 そして、1991年には2代目となる「アルシオーネSVX」が登場。デザインは先代から一転して曲線を多用した、美しく流麗なフォルムに変更されました。

 デザインコンセプトは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手によるもので、それを基にスバルのデザイナーによって完成されています。

 特徴的な「ミッドフレームサイドウインドウ」は他に類を見ないデザインで、アルシオーネSVXを象徴する特徴的なアイテムです。

 エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDとされ、優れたハンドリングと安定性を両立。当時のスバルとしてはもっとも贅沢で先進的な装備を持ったクルマです。

 しかし、発売直後にバブルが崩壊したことで販売は極端に低迷。それでも販売が続けられ1997年に生産を終了しました。

 絶版車となった後にデザインが再評価され、いまではアルシオーネSVXを専門に扱う中古車店があるほどです。

●ユーノス「コスモ」

マツダが持てる技術の粋が集められた「コスモ」マツダが持てる技術の粋が集められた「コスモ」

 1980年代の終わりにマツダは販売チャネルの拡充をおこない、そのひとつであるユーノスから名車「ロードスター」が発売されると、ユーノスブランドは一気に認知度を高めました。

 そして、1990年にフラッグシップクーペのユーノス「コスモ」を発売。ロー&ワイドでロングノーズの優雅なスタイルに、世界初の3ローターのロータリーターボエンジンを搭載するなど、まさにバブルの申し子といったモデルです。

 この3ローターエンジンは280馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは4速ATのみで、10・15モード燃費は6.4km/hと極悪な燃費が話題になりました。

 また、コスモには世界初となるGPSナビゲーションシステムを搭載(3ローター車に設定)するなど、当時の技術の集大成といえるクルマです。

 価格は最上級グレードで530万円と高額なことと、燃費の問題、バブル崩壊によるマツダの収益悪化という背景もあって、わずか4年で生産を終了。

 その後3ローターエンジンは作られることなく、コスモもこの代で消滅したため、いまでは伝説的なモデルとなっています。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種は、どれも足跡を残しているといえます。たとえばロゴのシャシはクロスオーバーSUVの「HR-V」やトールワゴンの「キャパ」に使われ、有効に活用されました。

 ほかにも、ブルーバードシルフィは現在、「シルフィ」としてグローバルで販売される世界戦略車として成功しています。

 単純に売れなかったクルマはほかにもありますが、アルシオーネSVXやコスモのようにいまも語り継がれるようなクルマも、非常に稀有な存在といえます。

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