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なぜセダンを使い続ける? 滅多に乗らないのに 教習車で採用され続ける理由とは

くるまのニュース / 2020年5月4日 9時30分

かつてセダンが主流だった頃と比べて、現在では軽自動車やミニバン、SUVが主流となっています。そのため、国内でのセダン市場は減少傾向となっていますが、今なお運転免許証を取得する際に通う教習所や運転免許試験場では、セダンが主流です。なぜ、乗る機会の減ったセダンが今でも採用され続けるのでしょうか。

■なぜ、今でもセダンなのか?

 すでに自動車免許を取得した人は、セダンの教習車で実技教習を受けているのがほとんどです。そして、「今どきセダンなんて売れていないのに、なぜセダンで練習しなきゃいけないの?」と思ったことのある人もいるかもしれません。なぜ現在でも教習車の主流がセダンなのでしょうか。

 かつて、大衆車の代名詞でもあったセダンも、現在では決して人気車種とはいえないようです。

 日本自動車販売協会連合会によると、2019年年間の車種別販売台数を見れば、コンパクトカーは約49万台、SUVは約42万台、ミニバンに至っては大小合わせると90万台近い実績がある一方で、セダンは20万台を下回っており、人気車種の半分にも及ばない数字です。

 このように、市場規模が年々減少傾向にもあるにも関わらず、なぜ初めて運転する教習所のクルマは、現在でもセダンが主流なのでしょうか。

 まず、教習車とするためにはいくつかの条件を満たす必要があります。道路交通法施行規則の第24条において、乗車定員5人以上の普通自動車は「長さ4.4m以上」「幅1.69m以上」「最遠軸距2.5m以上」「輪距1.3m以上」という条件があります。

 セダンしかダメという決まりはありませんが、人気コンパクトカーであるトヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」などは「長さ4.4m以上」の規定を満たさないため、教習車として採用できません。ですが、SUVやミニバンは使用することができます。

 しかし、SUVやミニバンでは、MT車が少ないことが挙げられます。沖縄県にある波之上自動車学校は、2018年に全国で初めてミニバンの教習車を導入しましたがAT専用車両です。AT車とMT車で車両を分けるより、一緒にする方が効率的に運用できます。

 また、教習車の「装備」も関係しているといわれています。自動車メーカーが教習車として販売している車種は、基本的にセダンがほとんどです。

 教習車として使用するためには、補助ミラーや補助ブレーキなどさまざまな装備が必要ですが、メーカーが教習車として販売していない車種では、後から追加するなどのコストが掛かります。

 加えて、運転免許試験場の車両がセダンであることも理由のひとつです。セダンと運転感覚が違うミニバンやSUVで教習を受けた場合、実技試験でセダンに乗り込むと困惑してしまう可能性もあるのです。

 運転免許試験場がセダンを採用する理由について、首都圏の運転免許試験場スタッフは以下のように話します。

「セダンは、ボンネット部分が長いため前方の感覚を掴む練習になるほか、車高が低いことは風などの影響を受けにくいため重心が安定して安全です。

 そのため運転感覚を養うのに最適な形状であるうえ、ほかの車種に乗った際でも応用が効くため、セダンが現在でも主流になっているのだと思います」

※ ※ ※

 なお、前述した波之上自動車学校のほかにも、SUVやスポーツカーを導入している教習所は増えています。では、今後は運転免許証試験場でもセダン以外の導入はあるのでしょうか。

 前述の運転免許試験場のスタッフは、以下のように話します。

「現在のところ車種を追加する予定はありませんが、各教習所の動き次第では導入の可能性があります。ただ、古くなっているクルマもあるので、入れ替えのタイミングでは何かしらの動きがあるかもしれません」

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