ベントレーのラグジュアリーなDNAに欠かせない最高品質の素材たち
くるまのニュース / 2020年5月9日 11時40分
ベントレーのDNAに欠かせないのが、クラフツマンシップだ。そして、クラフツマンが仕事を始める以前に、ベントレーを他のラグジュアリーカーとは一線を画している重要な要素が、素材の調達と選択となる。今回は、ベントレーが使用する最高品質の素材について紹介しよう。
■ベントレーが使用する最高品質の素材
ベントレーがほかのラグジュアリーカーとは一線を画している重要な要素が、素材の調達と選択だ。ベントレーのDNAに欠かせないクラフツマンシップ。そのクラフツマンが仕事を始める以前に重要となる、最高品質の素材について紹介しよう。
ウッドパネルには最高の木材を
ベントレーが使用するウッドパネルには、幅広い種類の木材が使われている。これらの素材は、ベントレー・モーターズの木材専門スタッフが、世界に点在するユニークな色と木目を持つ品種を見つけるために、手間を惜しまずに努力を重ねることで調達可能となっている。
3代目コンチネンタルGTのデビュー時に採用されたコアのエレガントでまっすぐな木目から、継続的に使用されているタモアッシュの淡い色と繊細な木目まで、ベントレーが使用するすべての木材は、倫理的に調達され、品質と持続可能性の基準を満たしていることを確認するために厳格なテストがおこなわれる。
また、豊かな赤褐色が特徴のリキッドアンバーのウッドパネルを実現するために、チームは2年かけて徹底的な調査をおこない、アメリカンレッドガムの木が生育するミシシッピ州の湿地帯にたどり着いた。新たに木を伐採することはせず、使うのは自然に倒れた木だけ。しかも、その場所には新しい木を植えることをルールとしている。
メタル&ストーン
ベントレーのフェイシアパネルに使用される素材は、木材だけではない。
カーボンファイバーは現代的でスポーティな印象を与えるだけでなく、銅やチタンといったポリッシュ仕上げの金属素材を織り交ぜることで、人目を引くテクニカルな雰囲気に仕上げることが可能だ。
100周年を記念してビスポーク部門のマリナーが製作した限定車のセンターコンソールには、1920年代から1930年代に流行したエンジンスピン仕上げのパネルが採用され、精巧なターンドアルミニウムが使用されている。
さらに個性的なキャビンに仕上げたい場合は、ストーンベニアを使用することも可能だ。ベントレーが誇るクラフツマンの精巧な技術で、石材から厚さわずか0.1mmのスレートの層を作り、驚くほど美しく自然なフェイシアパネルに仕上がっている。
オーク材と銅のマッチング
2019年7月に発表された「EXP 100 GT」は、木材の使用を含むラグジュアリーグランドツアラーの将来のあらゆる側面を探求するために作られたコンセプトカーだ。
ケント州のオーク材のスペシャリストAdamson and Lowと協力し、何世紀にもわたって泥炭湿地の土中に眠っていた化石化したオーク材を再生させた。持続可能な木材の調達方法はいくつか存在するが、これは、それを新たなレベルに引き上げた画期的な発想であった。
この木材の自然な美しさを引き立てるために、木目の空いた部分や節、割れ目には、日本の伝統技法である「金継ぎ」にインスパイアされたリサイクル銅を充填。その結果、この銅が充填されたリバーウッドによって、ラグジュアリーカーのキャビンにふさわしい静謐(せいひつ)な雰囲気を与えることができたのだ。
■木材以外の素材にも深いこだわりを持つベントレー
布地への回帰
1920年代から1930年代は、インテリアの素材としてレザーの代わりに布地が使用されることも珍しくはなかった。しかしそれ以来、EXP 100 GTが作られるまでの期間は、布地のインテリアはエリザベス女王のステートリムジンに使用された以外は、マリナーがビスポークで手掛けるのみとなっていた。
このコンセプトカーのドアパネル用の美しいコットンダマスクを製作したのは、100年以上の歴史を持つ英国の織物メーカーであるGainsborough社だ。綿の染料を使用することで、洗練された濃淡の美しいオンブレのグラデーションとなり、まるでテキスタイルが隣のウッドパネルにシームレスに流れ込むように見え、調和のとれた雰囲気を醸し出している。
また、ロンドンで250年以上の歴史を持つハンド&ロック社とのコラボレーションも実現。ハンド&ロック社は14世紀に生まれたといわれるトラプント法を用い、インテリアに快適さと深みを提供するモダンな起毛キルティングを製作した。
なお、EXP 100 GTから強い影響を受けているマリナーのバカラルにも、天然ウールの素材が使われている。
しなやかなレザー
ベントレーの洗練された快適さは、キャビン全体に使用されている高品質レザーがあってこそ感じられるものである。これは、レザーがクルー工場に到着するはるか前からおこなわれているプロセスによって実現している。
最も根本的なところでは、シミなどの原因となる虫刺されのリスクを減らすため、北欧の高地で放牧された雄牛のみを使用している点が挙げられる。その後、特殊ななめし加工がおこなわれ、レザーはクラシックベントレーの内装を思わせる天然の香りを保つことが可能(ベントレーではレザーの香りも重視している)となる。弾力性に優れた天然レザーの一部は、シートなどのカーブした部分に使用され、キャビンのあらゆる部分で理想的な仕上がりを実現しているのだ。
インテリアの素材として使用されるレザー
EXP 100 GTの美しさと柔らかさ
EXP 100 GTでは、高品質のレザーを継続的に使用し、革新的な新しい仕上げ方法を加えることで、未来のグランドツアラーをより良くするために、レザーをどのように使用するかを探求した。
シートには、スコティッシュ・レザー・グループの協力のもと、ソフトで手触りの良いアニリンレザーを採用。表面を均一にせずに着色し、レザーの自然な欠点をあえて活かすようにして質感を高めている。
ドアには同じスコットランドのレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社とのコラボレーションで、メタリック仕上げの非常にソフトなヌバックレザーが使用されている。革新的なハンドスプレー工程により、銅色の表面が周囲の曲線を描く金属にシームレスに溶け込み、手作業でバフをかけることでその下にあるレザーの美しさが浮き彫りになっている。
未来の素材
ベントレー・モーターズが2世紀目を迎えるにあたり、高品質で持続可能な素材を調達するというコミットメントは、さらに強いものとなっている。
今後もベントレーが誇る上質なレザーやウッド、メタルに革新的な新素材や仕上げ方法を組み合わせることで、静かな空間に洗練された快適性を提供するラグジュアリーグランドツアラーが生み出されていくだろう。
※ ※ ※
ベントレー・モーターズは、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止すべく、クルー工場にある3Dプリンター設備を活用してフェイスシールドを製造し、NHS(英国の国 民健康保険)に提供した。
ベントレーと社会との関わり方は変化していくが、ベントレー・モーターズがベントレー・モーターズであることは決して変わることはない。地域や医療関係者への協力を惜しまずに、この危機を乗り越えていく考えだ。
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