秀逸なデザインと大パワーが魅力的だった! 日産「Z32型 フェアレディZ」を振り返る
くるまのニュース / 2020年5月4日 16時10分
平成元年に登場した日産「Z32型 フェアレディZ」は、国内で長らく続いた出力の自主規制値だった280馬力に最初に到達したクルマです。それまでのロングノーズ・ショートデッキのデザインからワイド&ローに大きく転換し、新しい時代のスポーツカーを目指しました。
■平成元年に登場したZはワイド&ローに方針転換
1969年にデビューした日産初代「フェアレディZ」は、それまでのオープンボディのダットサン「フェアレディ」とは異なり、欧州の高級GTカーのようなスペックと、直列6気筒エンジンを収めるロングノーズのファストバックという魅力あるスタイルが特徴です。
日本はもちろんアメリカでも「Z Car(ズィー・カー)」と呼ばれ大ヒットし、製造された車両の多くは北米市場向けに輸出されたといいます。
そして、代を重ねたフェアレディZは、元号が平成になった1989年7月、北米市場のみならず世界に通用するスポーツカーを目指した4代目となるZ32型を発売しました。
初代から3代目まで続いたロングノーズ・ショートデッキの古典的なスポーツカースタイルを脱ぎ捨て、全幅の拡大と低い全高が醸し出す、迫力あるロー&ワイドなデザインで、日本国内はもちろん世界中のスポーツカーマニアから注目を集めます。
2シーターモデルは全長4310mm×全幅1790mm×全高1250mmで、4名乗車可能な「2by2」は全長4525mm×全幅1800mm×全高1255mと、堂々としたボディサイズとなり、3代目までは不評だった2by2のルーフの長さも、パっと見では2シーターモデルと判断しづらいほどに美しくまとめられた外観となっていました。
フロントフェイスは3代目のセミリトラクタブルヘッドライトから固定式に変わり、よりシャープな印象へと変貌。
また、内装のデザインも洗練され、包まれ感のある適度にタイトなコクピットは上質なスポーツカーといったところです。
そして、1992年には2シーターモデルをベースに、手動で開閉する幌を備えたフルオープンモデルの「フェアレディZ コンバーチブル」が追加され、華やかなスポーツカーとしての一面を見せました。
■280馬力自主規制はここから始まった
4代目フェアレディZに搭載されたエンジンは、1988年に発売された「セドリックシーマ/グロリアシーマ」に搭載されていた、3リッターV型6気筒DOHCターボエンジンをベースにツインターボ化し、国内で初の最高出力280馬力を誇りました。ターボチャージャーを持たない自然吸気モデルでも230馬力と、十分に高出力です。
すべてが一新され、新時代のスポーツカーへと変貌した「フェアレディZ」
トランスミッションはターボ/自然吸気モデルともに5速MTと4速ATが設定され、ターボモデルの加速性能は、AT車でもスロットルペダルを床まで踏みつければ、リアタイヤからスモークが上がるほどのトルク感あふれるものでした。
また、高速道路での追越し加速は、他のクルマでは味わえないダイナミックなもので、欧州ではポルシェやフェラーリと対等とも評されます。
サスペンションは前後マルチリンク式とされ、ターボ車にはスーパーHICAS(電子制御式4WS)を搭載。225/50R16サイズのタイヤや前後大径のベンチレーテッドディスクの採用により、スポーツカーらしい高いコーナリング性能を実現していました。
この4代目フェアレディZの発売からわずか1か月後に、日産は「スカイラインGT-R」を16年ぶりに復活。エンジンパワーを確実に路面に伝えるという点では、4WDのスカイラインGT-RはフェアレディZに勝っていたことから、スポーツ志向の強いドライバーはスカイラインGT-Rを選び、高速道路でのクルージングを楽しむ層はフェアレディZを選ぶようになります。
その後、フェアレディZはマイナーチェンジを続け、1989年7月の発売から2000年12月までの長期間に渡り販売され続けました。
ここで、一旦フェアレディZの系譜は途切れてしまいますが、2002年に5代目が登場して復活、2008年にはフルモデルチェンジをおこない6代目に進化して現在に至ります。
なお、バブル経済真っ只中に発売された4代目フェアレディZは、「他人と同じではおもしろくない」と考えたオーナーたちが北米仕様の左ハンドル車を逆輸入するケースが増え、都市部では左ハンドルのフェアレディZもよく見かけられました。
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