運転中「目の前に蜂!」車内の緊急事態時どう対処すべき? 手軽な予防法とは
くるまのニュース / 2020年5月31日 9時30分
春先から夏にかけて一気に増える虫たち。どこからともなく飛んできて、クルマに乗り降りするときに注意していても車内に侵入してくることがあります。そこで今回は、入り込んだ虫たちに車内から出ていってもらう対処法を調べました。
■車内に入り込んだ虫は、潰さずに追い出すのが得策?
新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、感染防止対策となる「密」を避けた移動方法として、クルマを用いることが注目されています。夏が近づくに連れて気温も上がることから、エアコンで涼しく移動できるのも嬉しいポイントです。
しかし、気温が上がることで虫たちの活動も活発化。クルマのなかで虫と遭遇するというハプニングが懸念されます。走行中に気づくと、運転の妨げになってかなり危険です。罪はないけれど厄介者な虫たちには、どのように対処すれば良いのでしょうか。
走行前に車内に虫が侵入したことに気づいた場合は、叩き潰したくなるのもわかりますが、虫がとまった場所によって対処法を変えたほうがよさそうです。
虫を潰すと、体液やりん粉(羽についた粉のこと)などが付着します。ダッシュボードや窓ガラスなどであれば拭き取りも比較的かんたんですが、ファブリックなどの布製シートの場合はシミとなってしまうことがあります。
とっさに潰してしまった場合は、ウェットテッシュなどで付着した部分を早めに拭き取り、それでもうまく取れない場合はシートクリーナーなどを併用するのも手です。
スプレー式の殺虫剤を使用する方法もありますが、使い方によってはシート生地に殺虫剤の成分が残ってしまい、独特の匂いが車内に残り気分が悪くなったりすることも考えられます。
また、中古車販売店スタッフに聞いたところ、「夏の時期、屋外に駐車させていると閉め切った車内は高温になりやすいので、スプレー缶を放置することは危険を伴うためあまりお勧めしない」と話します。
手軽な対処法としては、潰さずにウェットティッシュなどで包み込むように捕獲してから処理するのがベストのようです。
※ ※ ※
これからの季節に気をつけてほしいのは、目には見えにくい大きさのダニなどが入り込む可能性です。
このとき、ダニ退治として家庭用のくん煙(殺虫成分の入った煙が発生するタイプ)の殺虫剤を使いたくなりますが、精密機械の集合体であるクルマにはお勧めできないといいます。
自動車工場の整備士によると、自己流でやると機械内部に殺虫剤が入り込み、故障の原因にもなり得るのだそうです。
そこで、ダニ対策として活用したいのが、家庭用で販売されている「ダニ取りシート」。シートの隙間に挟んだり、フロアマット下に設置するだけでもかなり効果は期待できます。
しかし最大の対処法にして予防法は、こまめな車内清掃です。最近はコードレスタイプの掃除機も増えており、しっかりと掃除機をかけてホコリと一緒に除去することがなによりも有効です。
車内は入り組んだ部分も多いですが、ノズルの先端をブラシタイプなどに交換し細かい部分も入念に掃除機をかければ、ダニの増殖をかなり抑えることができます。
フロアマットの清掃も忘れずにしたいところです。可能なら取り外して水洗いすることで、かなり車内環境が変わります。
ここで注意してほしいのは、水洗いしたフロアマットをしっかり乾燥させることです。生乾き状態で戻してしまうと、細かいカビ菌まで繁殖してしまう懸念があります。
■窓を開けて空気の流れを作るのもひとつの方法
虫たちのなかには、停車中または走行中に飛び込んでくる羽虫も存在。なかでも、夏の時期に多くなる蚊は厄介です。窓を開けていて、気がついたら蚊に刺されていたという経験をした人も多いでしょう。
殺虫剤を使用するのもいいのですが、手っ取り早いのは、窓を開けて走行し、車内に風の流れを作ることです。
車内の清掃が虫対策として効果的
ほかに出来る予防策としては、あらかじめ虫除けスプレーを使うことや、車内向けの虫除けグッズを設置するのがお勧めです。
もうひとつ、車内に入り込みやすい虫として考えられるのが蜘蛛です。
車内は完璧に密閉されているわけではなく、入る隙間をゼロにすることは難しいといわれています。
蜘蛛は種類によって、害虫を捕食してくれる「益虫(害虫を退治してくれる虫)」になるともいわれていますが、車内に巣を作られるのは嫌なものです。突然現れると、運転の妨げにもなります。
蜘蛛の巣は、割りばしなどでからめ取って撤去するのがベスト。直接ご対面した場合は、潰してシートやマットを汚してしまうのを防止するためにも、ホウキなどで誘導するように車外へ追い出すのが得策です。
また、蜘蛛は「暖かい場所」「水に濡れない場所」「風が強くない場所」を好む傾向があります。
予防策としては、こちらも車内のこまめな清掃が効果的です。何より捕食する虫たちがいなければ、蜘蛛も生き続けることができません。
また蜘蛛は柑橘系やミント系の香りなどが苦手といわれており、これらを原材料にしたアロマなどは予防策のひとつとして考えられます。
※ ※ ※
車内に入り込む虫たちは、決してクルマ好きなワケではなく、その環境(車内)が暖かく、風を避けられ、自分の食料となるもの(食べカスなど)があるためです。
これからの季節は窓を開ける機会も増えることから、車中での飲食後はこまめに掃除して、虫が入ってきても生存できない状態を維持することが、最大の予防策となりそうです。
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