コロナ禍でなぜ新車販売好調!? 自動車メーカーで唯一ダイハツが一人勝ち組の理由
くるまのニュース / 2020年5月22日 10時10分
2020年4月の新車販売台数(軽自動車を除く)が発表されました。各メーカー共に新型コロナウイルスの影響を受け、大きく落ち込んでいます。しかし、ダイハツのみ4月が前年比150%を記録する勝ち組となったのです。なぜ、ダイハツは好調を維持出来たのでしょうか。
■ダイハツを支える2大車種とは?
新型コロナウイルス感染拡大のため緊急事態宣言が発令された2020年4月、日本の新車販売は軒並み大きく落ち込む結果となりました。しかし、ダイハツだけが前年比を大きく上回る結果を記録し、4月は前年比150%の好調をキープ。その理由はどこにあるのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会によると、2020年4月の新車販売台数(軽自動車を除く)は14万4674台となり、前年比でマイナス約30%となりました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛により、消費が落ち込んでいることが顕著に現れています。
また、メーカー別に見た普通車の新車販売台数では、「ヤリス」や「ライズ」が好調のトヨタでさえマイナス約20%、新型「フィット」投入のホンダもマイナス約15%、「ノート」と「セレナ」を看板とする日産はマイナス約50%となっています。
また、もっともマイナス幅が大きかった三菱では、なんとマイナス約65%も落ち込む結果となりました。
そんななかでも前年比を大きく上回る数字を記録しているメーカーがダイハツです。2020年4月では、前年同月と比べてプラス約26%となっています。
では、なぜダイハツはコロナショックのなかで、このような好調をキープしているのでしょうか。
その大きな要因は、トヨタと共同開発した2019年11月にデビューしたコンパクトSUV「ロッキー」と、トヨタやスバルにもOEM供給されている人気コンパクトワゴン「トール」という2台の奮闘が挙げられます。
2019年4月のデータをみると、ダイハツの普通車における新車販売台数は2662台となっており、そのほとんどをトールの2152台が占めています。
一方、2020年4月では、普通車の新車販売台数は3346台となっていますが、そのほとんどを占めるのはロッキーの2131台です。これにトールの販売台数である915台を足せば3046台となり、販売の90%以上を占めます。
とくに、ロッキーの好調はダイハツを大きく支えている要素でしょう。2020年に入ってからもコンスタントに3000台以上を販売しており、3月では5011台を記録するなど安定した人気を誇っています。
では、この好調な要因とはなんなのでしょうか。
■売れている兄弟車のお陰でダイハツ車も売れる?
ロッキーであれば兄弟車のトヨタ「ライズ」、トールであればトヨタ「ルーミー」と「タンク」、スバルの「ジャスティ」という直接的なライバルが存在。
トヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」
そのなかで、ダイハツ車が選ばれる理由とはなんなのでしょうか。首都圏のダイハツ販売店スタッフは以下のように話します。
「トヨタのライズとルーミー/タンクが大ヒットしています。そういうこともあり、『人と被りたくない』という理由でロッキーとトールを選ばれるお客さまが多いです。
どちらの車種もコンパクトなSUVとワゴンとなり、客層も若い夫婦や家族連れなど似ています。住んでいるマンションの駐車場に、既にトヨタのライズが3台停まっていたため、メーカーが異なるロッキーを選んだというお客さまもいらっしゃいました。
たまに、ほぼ同じクルマなのにトヨタ車に人気を持っていかれているという意見を頂きますが、反対ではないでしょうか。トヨタ車が売れるほど、差別化を図りたいお客さまからの購入が増えていると思います」
※ ※ ※
コロナショックで軒並み販売台数が落ち込むなか、ダイハツはロッキーというヒット車種がタイミングよくラインナップできていたことで、販売台数が落ち込まずに済んでいるようで、前出の販売店スタッフも「少しタイミングがずれていたら危なかった」と話しています。
安倍晋三首相は、2020年5月14日に新型コロナウイルス特別措置法に基づき47都道府県に発令した緊急事態宣言を39県で解除すると表明。
北海道、東京、神奈川、埼玉、千葉、京都、大阪、兵庫の8都道府県は緊急事態が続きますが、新型コロナウイルス収束に目処が立った形となります。
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