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ホンダ製エンジンで爆走!? 水陸両用な海のオープンカー「パンサー」のトガりすぎている性能とは

くるまのニュース / 2020年5月17日 14時10分

普通のクルマのように道路を走りながら、ときには船のように海を渡ることもできる水陸両用車。そのなかにジープそっくりの姿をした「パンサー」というクルマがあります。エンジンにはホンダ製が使われているというこのクルマは、一体何者なのでしょうか。

■ジェームズボンドさながらのスーパーマシン!

 アメリカのWater Car社が発売する水陸両用車として「パンサー」というモデルが存在します。日本でも観光や研究用の水陸両用車が存在しますが、その多くはバスと船が合体したような見た目をしています。しかし、パンサーはスポーティな外観で注目を集めました。

 エンジンにはホンダ製が使われているというこのクルマは、一体どのような水陸両用車なのでしょうか。

 パンサーは、CJ-8型と呼ばれるジープ「スクランブラー」をベースに、ホイールベースを延長してつくられています。元となったスクランブラーはピックアップトラックのように荷台があり、パンサーでは運転席と助手席の屋根も切り取られた完全なオープンカーとなっています。

 エンジンにはホンダの高級車ブランド「アキュラ」で使われている3.5Lエンジンをベースに、専用のチューニングが施された3.7Lエンジンを搭載し、305馬力を発揮。陸上での最高速度は127km/hに達します。

 また、水上でも70km/h以上の速度を出すことが可能とされており、これは、大島や新島を結ぶジェット船の速度である80km/hに迫るスピードです。

 パンサーは水上でも高速航行を発揮できるために、ボディの下側をボートのように滑らかな形状にし、車体自体にも大きく手が加えられています。

 ベースとなったスクランブラーのフレームは、水陸両用車とするには強度が不足し、さらに重過ぎることが判明したため、シャシーを「クロモリ鋼」という硬さと粘り強さを兼ね備えた金属で再設計しています。その結果、全長4572mm×全幅1829mm×全高1753mmという大きさでありながら、車重1338kgを実現しました。

 これは、ホンダ車でいえば「CR-V」の全長4605mm×全幅1855mm×全高1680mmに近いサイズとなりますが、CR-Vの車重は1520-1680kgですから、パンサーがいかに軽量化されているかがわかります。

 また、船体部分は最新のエポキシ樹脂でボディとしっかりと固定され、道路はもちろん、砂漠などでも問題なく走行が可能となっています。さらに、船体部分は発泡スチロールで満たされているため、重さによって沈むこともありません。

 数々の特徴を持つパンサーはアメリカのニュースメディアでも取り上げられました。なかには、パンサーが陸上から水中に進入していく姿を見た人々が驚いて警察に通報し、水上を快適に移動している最中に警察のボートがやってくるというハプニングもあったようです。

 パンサーは、段差が15センチ以下で地盤が十分に固い場所であれば、24km/h以下のスピードで水中に進入できます。その後も複雑な操作無しで水上航行が可能であるため、周囲からは突然クルマが水に飛び込んだと勘違いされてしまったのかもしれません。

■消防機能を備えたレスキュー仕様車も

 パンサーは15万8000ドル(約1690万円)、「コンプリートカスタムバージョン」は19万8000ドル(約2125万円)の2種類がラインナップされています。

 日本国内で販売されている高級輸入車と比較すると、ポルシェ「911カレラS」の1696万8519円や、「911GT3」の2115万円と並ぶ金額となります。

Water Car社の水陸両用車「パンサー」(Photo:WaterCar)Water Car社の水陸両用車「パンサー」(Photo:WaterCar)

 しかし、いかに高級車といえども水上航行できる性能はありません。陸上と水上の両方を楽しめるパンサーは、唯一無二のクルマといえるでしょう。

※ ※ ※

 パンサーは、ジープ「スクランブラー」をベースに開発された水陸両用車ですが、水上の移動性能の高さが評価され消防救急車として採用された実績もあります。実際に、赤色に塗装された消防車仕様のパンサーがサイレンを鳴らし走行するシーンも目撃されています。

 消防仕様のパンサーは、1分間に1050ガロン(約4000リッター)の吐出量を誇るポンプを搭載し、水上での船の火災に対応するほか、陸上の建物などが火災の時には河川や湖などの岸辺から放水することが可能です。

 Water Car社では、こうした特殊なカスタマイズをおこなっており、ユーザーの好みに合わせたペイントや室内のシートの変更もおこなっています。

 パンサーはアメリカの左ハンドルモデルを基本としていますが、オプションで右ハンドルモデルを注文することも可能です。また、現在はオープンモデルしかありませんが、現在は取り外しができるルーフを開発中ともアナウンスされています。

 なお、パンサーはボディカラーなどをはじめとした細かなカスタマイズに対応していますが、これはパンサーが水陸両用車という特殊なクルマであるため、アフターパーツによる改造の難しさをカバーするためとされています。

 Water Car社では、余計なカスタムを加えると複雑な機構が故障する恐れがあるとアナウンスしています。また、タイヤとホイールもWater Car社で装着したサイズ以外装着は不可となります。

 実際に、エンジンはホンダ製ですが専用のチューニングがおこなわれており、推進装置には陸上用と水上の2種類があるなど、一般的な乗用車と異なる点も多く、名実ともに「特別なクルマ」といえるでしょう。

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