ホンダ新型「フィット」にF1の技術を注入!? 両者の意外な関係性とは
くるまのニュース / 2020年5月16日 11時30分
ホンダ新型「フィット」は、最新のハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、力強い加速性能と滑らかな走行性能を実現しています。このe:HEVにはモータースポーツで培った技術が応用されているというのですが、どういうことなのでしょうか。
■ホンダのF1と新型「フィット」はどう関係している?
2020年2月14日に発売されたホンダ新型「フィット」は、5つの異なるスタイルや見晴らしのよい視界、くつろげる室内空間など、「ここちよさ」にこだわっています。
登場から約2か月半となる4月末時点で3万2000台以上を登録しており、早くもヒットモデルとなっている新型フィットには、フォーミュラ1(F1)のノウハウがつぎ込まれているといいます。それは一体どういうことなのでしょうか。
新型フィットのパワートレインは、1.5リッターハイブリッドと1.5リッターガソリンのふたつが用意されていますが、とくにハイブリッド仕様は、「e:HEV(イーエイチイーブイ)」というホンダ独自のハイブリッドシステムを搭載しています。
ホンダ欧州部門によると、新型フィットのe:HEVはエネルギー効率を向上させるため、F1のハイブリッドパワーユニット(PU)のプログラムが活用されているといいます。
ホンダのF1の最新ハイブリッドパワーユニット「RA620H」は、高効率の1.6リッター6気筒内燃機関とエネルギー回収システムを組み合わせ、ブレーキや排気ガスから発生するエネルギーをリサイクルして加速時のブースト力を高め、ターボラグを低減します。
なお、2019年シーズンのF1では、パートナーチームであるアストンマーチン・レッドブル・レーシングとスクーデリア・トロ・ロッソ(現スクーデリア・アルファ・タウリ)の合計3勝と6つの表彰台獲得に貢献しました。
レース中にホンダのエンジニアは、最適なパフォーマンスを発揮するために、ハイブリッドシステムが回収・展開するエネルギーの比率を常に評価、変更しており、ここで培った専門知識が乗用車に搭載されるe:HEVパワートレインにも活かされているというわけです。
e:HEVについて、PU開発責任者の浅木康明氏は次のように説明します。
「F1では、レギュレーションを遵守するために、燃料の使用量を非常に慎重に管理しなければなりません。レースでは、エンジニアとドライバーのコミュニケーションがベストバランスを実現する鍵となります。
F1から得た専門知識を市販車用のe:HEVに応用して、パワートレイン制御ユニットがどのような走行モードでもドライバーに可能な限り最高のパワーと効率の比率を提供できるようにしています」
■コンパクトカーに初搭載される新開発のe:HEVとは?
新型フィットに搭載される新開発のe:HEVは、1.5リッターガソリンエンジンと接続するふたつのコンパクト電気モーター、リチウムイオンバッテリー、パワーコントロールユニットを介した固定ギアトランスミッションで構成されており、これらが調和して力強い加速性能と滑らかな走行性能を実現しました。
なお、コンパクトカーにe:HEVが搭載されるのは、初めてとなります。
新型フィット(ジャズ)とフォーミュラカー
e:HEVは、「EVドライブモード」「ハイブリッドドライブモード」「エンジンドライブモード」の各モードをシームレスに切り替え、市街地走行では、EVドライブとハイブリッドドライブで最適な効率を実現。高速道路ではエンジンドライブとなり、モーターからのピークパワー「ブースト」で高速加速を補完します。
また、ハイブリッドドライブでは、発電機モーターを介して、ガソリンエンジンからの余剰電力をバッテリーに充電するとともに、EVドライブは減速時にも作動し、回生ブレーキでエネルギーを回収してバッテリーを充電します。
新型フィットは従来のトランスミッションではなく、新開発の電子制御無段変速機(eCVT)を搭載しています。
ギア比をひとつに固定することで各部の動きを直結し、すべての駆動モードにおいて、加速時のリニアなフィーリングとスムーズで安心感のあるトルク伝達を実現しました。
※ ※ ※
フィットは、海外では「ジャズ」という車名で販売されています。欧州における新型ジャズの発売は、2020年後半に予定されています。
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