ゴーン時代からの脱却!? 日産デザインが新型「キックス」から変わるワケ
くるまのニュース / 2020年5月19日 7時10分
日産車のデザインが近々日本で発売を予定している新型「キックス」から大きく変わるといいます。これまでのデザインとどのような変化があるのでしょうか。
■日産デザインが新型キックスで一新!?
当たり前のことながら、クルマの売れ行きはデザインで大きく変わってきます。一方、デザインを評価しようとすれば難しく、数値で比べることなど無意味です。
「好み」といわれたら反論しにくく、したがって自動車メーカーにとってもっとも重要なのは「センスのよいチーフデザイナーを起用すること」なのです。そんな視点で日産車を見ると、最近のデザインはどうなのでしょうか。
私(国沢光宏)からすれば「全くダメ!」。とくに日欧の売れ筋となるコンパクトカーが厳しいです。世界規模で最悪の評価を受けた現行「マーチ」や、初代「リーフ」、初代「ジューク」、「NV200バネット」、ダットサン「GO」なども不評でした。
そのほかのモデルはゴーンさんのパワーでまぁまぁ売れたものの、けっして「カッコ良い!」とか「美しい!」と評価されたモデル無し。
そんな日産ながら、2017年4月1日から17年ぶりにチーフデザイナーが変わっています。現在はアルフォンソさんというアメリカ人で、新卒で北米日産に入社しました。
アルフォンソさん、前任の中村さんとデザインの志向が全く違う。就任と同時に既存のデザインに「×」を出し、全面的な変更をおこなったといわれるほどで、その第1作が新型「キックス」となります。
といっても2017年4月の段階ではボディ外板に代表されるプレス部品が決まっていただろうから、手を加えられたのは樹脂部品で構成されるフロントのエクステリア部品だけだったと思います。
顔つきを見れば解るとおり、今までの野暮ったかった日産車と鮮やかに違います。最近の日本でも人気のドヤ顔系でいながら、少しばかりシャレてます。
顔つきは重要です。例えば2001年5月に三菱のチーフデザイナーになったブーレイさん、就任と同時にフロントをいわゆる「ブーレイ顔」に大きく変えました。
オーストラリアで人気だった「マグナ」を2003年にブーレイ顔にしたら激悪評。同じく2003年の「ランサーエボリューションVIIIは酷評。三菱の業績を大きく落としたほどです。
■厳しい状況の日産。 デザインで復活なるか?
日産は逆でしょうか。現在、非常に厳しい経営状況にある日産ながら、社内の雰囲気は悪くありません。
漏れ伝わる話によれば、アルフォンソさんの指揮下でボディ全体まで手がけた次期型「ノート」や次期型「エクストレイル」など、すべての車種が売れそうなのだといいます。次世代の商品群さえ出てくれば勝負出来る、ということなのかもしれません。
そういった情報を聞き、改めてキックスを眺めてみると、「なかなかカッコ良い!」。
デザイン面で不評だった現行「マーチ」
ちなみに日本で販売されるのは、海外で1回目のマイナーチェンジを受けたモデルです。マイナーチェンジ前のキックスを見ると、ブラジルなど新興国向けのモデルとして開発したモデルのためか少しばかり安っぽい感じですが、マイナーチェンジにより雰囲気を変えました。
価格をホンダ「ヴェゼル」と同じくらいに設定してきたら、けっこう売れると思います。そして遠からずデビューする次期型ノートや次期型エクストレイルも大いに期待して良いのではないでしょうか。
同時にe-POWERの改良や新世代型も仕込んでいるといいます。2020年後半から日産が面白くなるかもしれません。やはりデザインって大事だと思います。
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