爆売れ確実!? トヨタ「ライズ」サイズで7人乗り!? ダットサン「CROSS」とは
くるまのニュース / 2020年5月19日 10時10分
日本には、さまざまなコンパクトSUVが販売されています。そのなかで、日産の新興国向けブランドのダットサンには「CROSS」という7人乗りSUVがラインナップされています。一体どのようなクルマのでしょうか。
■モダンでコンパクトなSUV「CROSS」
海外で展開する日産の新興国向けブランド「ダットサン」は、国産車では見られないユニークなデザインや価格を抑えたモデルを多数ラインナップし、2018年には世界各国で30万台以上を販売するブランドとして成長しています。
そのなかでも、ダットサン「CROSS」はインドネシアで販売されるSUVです。
CROSSは、同じダットサンから販売されている7人乗りミニバン「GO+」と同じプラットフォームを使用しているため、GO+と同じ7人乗りの3列シートレイアウトを採用していますが、エクステリアはSUVらしさを強めてたものにアレンジされています。
ボディサイズは、全長3995mm×全幅1670mm×全高1565mmとなり、日本で人気爆発のトヨタ「ライズ」の全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmとほぼ同じサイズです。
また、ベースとなったGO+は全長こそ変わらないものの、全高1490mmとなり、CROSSではSUVらしく車高を200mm高めています。全幅もGO+の1635mmから35mm拡大されていますが、これは左右に張り出したオーバーフェンダーによるものです。
CROSSが販売されているインドネシアでは、道路事情が劣悪な場所も少なくありません。そのため、左右ドアの下には飛び石や泥はねからボディを守る「ボディクラッディング」というプロテクションが装備され、フロア下の広範囲に「アンダーボディプロテクション」が装着されるなど、日本のSUVには見られない悪路装備もあります。
また、ボディクラッディングはメタリックグレーに仕上げられ、サイドから見ると重厚感があるスタイルを演出。
内装はブラックで統一され、運転席と助手席はホールド性の高いシートとなっています。2列目シートも必要十分の広さがありますが、3列目シートは座面が狭く、背もたれに寄りかかるとリアゲートに頭をぶつけてしまいそうになるなどクリアランスがありません。
しかし、大人5人が移動するクルマとしては十分な室内空間を持ち、3列目を畳めば十分な荷物を載せることができます。
さらに、インストルメントパネルには6.75インチのタッチスクリーンや、リアのパーキングセンサーなど国産車と比較しても見劣りしない機能を持っています。
パワートレインは1.2リッターガソリンエンジンが採用され、「マイクラ アクティバ」、「GO」、「GO+」に搭載されるエンジンと同じものです。
また、ダットサンブランド初となる「X-Tronic CVT」が投入され、これまでより耐久性のある変速機が大きなポイントとなっています。
ボディカラーも、ブラック、シルバー、ホワイト、グレー、アンバー、カッパー、ルビーの7色が用意されています。
■CROSSはダットサンのインドネシア戦略を変えるクルマだった?
CROSSは、2015年10月30日から11月16日まで、横浜にある本社ショールームでコンセプトカーが展示され国内外に報道されました
かつて日産本社に展示されていたコンセプトモデル
東南アジアなどの新興国をターゲットに展開するダットサンが、日本の本社で発表することはほとんどなく、販売先となるインドネシアでは、横浜にコンセプトカーが展示されたことで、ダットサンが現地特有の制度「LCGC(ローコストグリーンカー)」メーカーから脱却しようとしていたのではないかといった憶測が話題となりました。
ローコストグリーンカーとは、低燃費で価格の低いクルマに対する優遇税制であり、低価格と低燃費を実現するために、「安く」「軽く」「最低限の装備」でつくられた車種です。
CROSSは、その概念を覆す装備を搭載して販売されました。
今までインドネシアでローコストグリーンカーとして販売されるクルマとしては異例のVDC(横滑り防止装置)が標準装備されています。これは、日本車で当たり前のように装備されているものですが、インドネシアでは驚きをもって迎えられました。
また、リアパーキングセンサー、デュアルフロントエアバッグはインドネシアでは一般的ではないため、これだけの装備のクルマは、インドネシアでは一般ユーザーには高級なクルマとして映っていました。
こうした装備を持ちながら、CROSSはローコストグリーンカーとして販売され、2020年モデルが5速MTで1億6149万ルピア(約115万円)、CVTで1億7399万ルピア(約125万円)となっています。
※ ※ ※
ダットサンの広報によれば、CROSSというネーミングには「アクティブに冒険の旅に出かけられる気持ちが込められている」としています。
力強い外観は日本国内のSUVと比較しても魅力的であり、街中で見かければつい振り向いてしまいそうになるクルマです。
CROSSをはじめとするDATSUNモデルは日本に導入される予定はありませんが、日本の激化するSUV市場でも個性を発揮できる1台です。
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