日産「スカイラインGT-R」は海外でも超絶人気! 第二世代GT-R「R32型」の魅力とは
くるまのニュース / 2020年5月19日 14時10分
第二世代と呼ばれる日産「スカイラインGT-R」は、R32型、R33型、R34型がありますが、どのようなモデルだったのでしょうか。今回はR32型について紹介します。
■第二世代として復活した「スカイラインGT-R(R32型)」とは?
日産「スカイラインGT-R」といえば、日本国内はもとより海外でもカリスマ的な人気を誇る車種です。
現在は「スカイライン」の系譜からは離れ、「GT-R」として独立した単一車種という扱いになっていますが、いまでも「GT-R=スカイライン」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
もともとスカイラインGT-Rは、1969年に当時3世代目であった「スカイラインGT」(4ドアセダン)をベースに、レースに勝つことを目的に誕生したモデルでした。
1973年には4代目スカイラインをベースとした2世代目のGT-Rも登場していますが、こちらは主だったレース活動もなく、およそ3か月、197台の生産のみで姿を消しています。
そこからおよそ16年の時を経た1989年8月、8代目のスカイラインをベースに、いわゆる「第二世代GT-R」と呼ばれるスカイラインGT-Rが復活することとなりました。
当時、最大でも2リッターまでしかなかったベース車に対し(のちのマイナーチェンジで2.5リッターモデルを追加)、GT-Rは、2568ccの排気量を持つRB26DETT型ツインターボエンジンを搭載。
日本の税制から考えるとなんとも中途半端な排気量ですが、これは当時参戦を予定していたグループAカテゴリーのレギュレーションに沿い、ターボ係数をかけても4.5リッタークラスに収まるように計算されたものだったのです。
当時の自主規制値いっぱいの280PSのカタログ値を誇ったRB26DETT型エンジンですが、一説には純正状態ではあえてパワーを絞った状態で、ごくわずかなチューニングで300PSオーバーを軽く叩き出すことも可能だったとされています。
実際、このエンジンは、600PSクラスまでのチューニングを想定されて作られていたともいわれていました。
そして、そんな大パワーを路面に伝えるのは、第1世代GT-RのようにFRではなく、「アテーサE-TS」と名付けられた4WDシステムでした。
基本的には後輪駆動がメインとなり、走行状態によって前輪へのトルク配分を0:100から50:50までの範囲で分配するもので、FRらしいコーナリング特性と4WDならではのトラクション性能を両立するものとなっています。
実際、グループAで勝つことを至上命題として生み出されたR32型スカイラインGT-Rは、1990年から1993年の全日本ツーリングカー選手権で、4シーズンでデビューウインを含め29戦29勝という圧倒的な戦績を残し、海外でのツーリングカーレースでも優秀な成績を納めました。
■海外でも人気! 中古車価格は高騰が続いているR32
デビュー当初は1グレードだったR32型スカイラインGT-Rでしたが、1990年3月にはホモロゲーションモデルであるNISMOが登場。
日産「スカイラインGT-R NISMO」(R32型)
これは、全日本ツーリングカー選手権に合わせて500台限定でリリースされたもので、メタル製タービンブレードや専用エキゾーストマニホールドを採用し、冷却効率向上を狙ったダクトを備えたバンパーや空力パーツを追加しながら、レースには不要なエアコンやオーディオ、リアワイパー、ABSなどを省略したものでした。
また1993年2月にはマイナーチェンジと共に「Vスペック」を追加。こちらはグループAレース優勝記念モデルという立ち位置でしたが、ブレンボ製ブレーキシステムや17インチのBBSアルミホイールを備えた上級モデルというキャラクターとなっていました。
そんな第二世代スカイラインGT-Rの第一弾としてリリースされたR32型ですが、ここ数年は中古車市場で高騰が続いています。
底値の時代はもっとも安いものでは50万円程度で見つけることもできましたが、現在では200万円を切ることはほぼなく、高いものでは1000万円オーバーというものも珍しくありません。
これは、デビューから30年以上が経過し、クラシックカーとしての価値が見いだされたことはもちろん、アメリカでの25年ルール(登録から25年以上が経過した車両は輸入登録時の手続きが大幅に簡略化されるもの)に該当するようになり、海外のユーザーからの引き合いも強くなったことが挙げられるでしょう。
スポーツカーという性格上、良質な車両が減ってきたいま、R32型スカイラインGT-Rの価格は高値安定が続きそうです。
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