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トヨタ「ハイエース」なぜ世界で大人気? 中国ではコピー版も売れてしまう魅力の理由とは

くるまのニュース / 2020年5月22日 7時10分

日本では商用車ながらも仕事人や趣味人から人気が高いトヨタ「ハイエース」。世界でも人気だといいますが、どのような使われ方をしているのでしょうか。

■海外でも人気のハイエースは世界でどれだけ売れている?

 日本では、仕事にプライベートに高い人気を誇るトヨタ「ハイエース」ですが、世界中でもハイエースは人気車種であり、販売を伸ばしています。ハイエースは世界でどれくらい販売され、どのように使われているのでしょうか。

 トヨタによれば、初代ハイエースは1967年の誕生以来、150か国以上で624万台以上を販売。日本でも初代モデルの登場から2011年までの間に累計283万4707台が販売されました。

 現在、ハイエースが新車で販売されている地域は、東南アジア、中東、アフリカ、オセアニア、メキシコ、ラテンアメリカなど世界各地に及んでいます。

 例えば、フィリピンでは1994年からハイエースを販売。大人数での旅行や移動のニーズがあることから、多くの人が乗車できるクルマが求められるため、ハイエースを購入してマイクロバスとして使用することも多いようです。

 フィリピンの市場調査によると、2019年には累計13万5650台以上のハイエースが販売され、2018年のフィリピンにおけるユーティリティバンのうち、50%以上がハイエースで占められています。

 また、タイにおいても高い人気を誇っています。空港での外国人送迎タクシーとして利用されるほか、観光地での輸送バスとしての使用されることがあり、現地でトヨタ車を販売するトヨタモータータイランドによれば、5代目の200系が15年間で17万8000台が販売されたとのことです。

 中国においてもハイエースは人気ですが、見た目がそっくりなコピー版ハイエースともいえる「キンゴーL バン」や「トランスバン」という類似モデルが他メーカーから販売され、
フィリピンやチリを含むいくつかの国に輸出されています。

 そっくりのコピーがつくられ、そのコピーでさえ売れてしまうほどであるため、日本から輸出される本物は、海外の中古車市場でも引く手あまたとなっているようです。

 国内で驚くような長距離を走った過走行車でも、海外では「トヨタ製だから頑丈で壊れない」という理由で買い手が付き、専門の輸出業者も存在します。

 実際に、南アフリカの中古車を扱うサイトでは、走行距離が60万km以上のハイエースが13万9950ランド(約85万円)で販売されている例もありました。

 国内では乗用車と同じように、バンパーなどのエアロパーツや、LEDテールライト、デザイン性を重視したアルミホイールを装着するなどのカスタマイズベース車としても人気もあります。

 また、バンとしての広い室内スペースを活かした内装カスタムもおこなわれ、キャンピングカーのベース車としての人気が高いです。

■新型6代目ハイエースが登場するも、5代目の人気は根強い?

 2019年2月、初代から数えて6代目となる新型ハイエースがフィリピンで発表されました。

フィリピンで発表された6代目の新型ハイエースフィリピンで発表された6代目の新型ハイエース

 新型となったハイエースですが、日本では先代の5代目が継続販売されており、フィリピンで発表された6代目ハイエースをベースに、乗用車仕様の「グランエース」を発売。こうした、旧型と新型の併売例は海外でもおこなわれているようです。

 例えば、フィリピンではハイエースは6代目に切り替わっていますが、全7グレードのうち「コミューター」というグレードは5代目ハイエースのボディで販売されています。

 5代目ハイエースは、真四角のデザインをした、ボンネットのないキャブオーバー車でした。しかし、6代目ハイエースはボンネットが前に突き出たデザインに変更されました。

 ボディサイズも大きくなり、5代目が全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mm(いずれもスーパーGL)に対して、6代目は標準ボディが全長5265mm×全幅1950mm×全高1990mmです。

※ ※ ※

 また、海外ではさまざまな車名で販売されています。例えば、タイではバンタイプを「ハイエース」、多人数乗車タイプを「コミューター」、そして乗用車を「マジェスティ」。オーストラリアでは、商用車は「ハイエース」、乗用車は「グランビア」として販売されています。

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