時代の流れで仕方なかった!? 惜しまれつつも生産を終了した車3選
くるまのニュース / 2020年5月22日 16時10分
現在、国産車のなかには50年以上の歴史を誇るクルマがいくつもあります。一方で、長い歴史を刻みながらも消えてしまったクルマも存在。そこで、惜しまれつつも生産を終了したクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
■さまざまな理由で消えたクルマを振り返る
国産車のなかには、トヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」など、誕生から50年以上経っても代を重ねて販売が継続しているクルマがいくつかあります。
その一方で、長い歴史がありながらも生産を終了したクルマも存在。
そこで、惜しまれつつも生産を終了したクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「マークX」
派手すぎないスポーティさがカッコよかった「マークX」(画像は「250S ファイナルエディション」)
トヨタ「マークX」の先祖は、1968年に「コロナ」から分派した「コロナマークII」です。
その後、1984年に発売された5代目以降、車名からコロナが取れて「マークII」となり、2004年にはマークXになりました。
2009年には2代目が登場し、コロナマークIIのころから一貫して、フロントエンジン、リアドライブのFR駆動という伝統を受け継いでいます。
外観は伸びやかでスタイリッシュなフォルムで、エンジンは2.5リッターと3.5リッターのV型6気筒自然吸気を搭載し、3.5リッターモデルでは318馬力を誇りました。
マークXは派手すぎないデザインで、大人向けのスポーツセダンとして人気がありましたが、近年のSUVやミニバンの人気に押されて販売台数は低迷しました。
そして、トヨタは2019年12月をもってマークXの生産終了を発表し、同時に特別仕様車「マークX 250S ファイナルエディション」を発売。
50年以上の歴史があった、いまでは数少ないFRセダンが消えてしまいました。
●三菱「パジェロ」
かつてはRVブームをけん引するほど人気があった「パジェロ」(画像は「ファイナルエディション」)
三菱初代「パジェロ」は、同社の「ジープ」よりも快適かつ、オフロードでの高い悪路走破性も両立した本格的なクロスカントリー4WD車として1982年に発売されました。
1991年発売の2代目では、フルタイム4WDとパートタイム4WDの長所をあわせ持つ、世界初の「スーパーセレクト4WD」を採用。悪路走破性を高めるとともに、ラグジュアリー性も高め、1990年代のRVブームをけん引する存在でした。
3代目は1999年に発売され、トラックと同様なラダーフレーム構造から、より乗用車に近づいたビルトインフレームのモノコックボディに改良。高い剛性を保ちながら軽量化も実現し、優れた操縦安定性と乗り心地を向上させました。
2006年に登場した4代目は、新たに「アクティブスタビリティ&トラクションコントロール」など、高度な電子制御技術により、さらに走行性能を向上。
モータースポーツでも活躍し、一時代を築いたパジェロでしたが、近年のSUV人気のなかでも国内の販売台数は低迷し、歩行者衝突保護の法規制に適合することも困難という状況でした。
そして、2019年4月に最後の特別仕様車「ファイナルエディション」を発売し、2019年8月をもって国内向けの生産を終え、37年という長い歴史に幕を閉じました。
なお、オーストラリアや中東などでは、現在も販売が継続されています。
■プロに愛された唯一無二の軽商用車とは!?
●スバル「サンバー」(自社生産モデル)
スバルファンならずとも生産終了はショッキングな出来事だった「サンバー」
スバル「サンバー」は、1961年に発売され、一貫してリアエンジン・リアドライブのRR駆動を採用してきた軽トラック、バンです。
RRとしたことで重量物が車体後部に集中したため、空荷時でも駆動力が保たれ、農道などの未舗装路でもスリップしづらいなどが評価されます。
そして、1990年に発売された5代目からは、軽商用車ながら直列4気筒SOHCエンジンと、さらに上位グレードではスーパーチャージャーが搭載され、4輪独立サスペンションと相まって「農道のポルシェ」の愛称で親しまれました。
また、サンバーは通称「赤帽」と呼ばれる軽貨物運送業向けに特化した仕様の「赤帽サンバー」が設定されるなど、プロからも絶大な信頼を得ます。
しかし、スバルは登録車の開発に注力するために、2012年に軽自動車市場からの撤退を決め、サンバーの生産を終了。その後、サンバーを含めスバルが販売する軽自動車は、すべてダイハツからOEM供給されることになりました。
※ ※ ※
ホンダは2021年に軽トラック「アクティトラック」の生産を終えます。ホンダの4輪自動車製造の歴史は1963年発売の軽トラック「T360」から始まりましたから、ホンダの原点というべきモデルの生産から撤退するということです。
現在、軽トラックのシェアの大半はスズキとダイハツが二分しており、アクティトラックのフルモデルチェンジをおこなったとしてもシェア拡大は難しいという、ホンダとしても苦渋の決断だったと思います。
しかし、ホンダファンにとっては、寂しいところではないでしょうか。
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