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新しい道はいつ表示? ナビアプリに即時反映されないワケ

くるまのニュース / 2020年5月23日 7時30分

新しく開通する高速道路はいつ地図アプリなどのオンライン地図に掲載されるのでしょうか。オンラインなのだから開通と同時に掲載されるのではないかと思われるのですが、実際は各社でかなりの差がありました。

■地図アプリが即日反映されないのはなぜ?

 さまざまな地図アプリやカーナビアプリが登場し、純正のカーナビゲーションを装着しなくても、経路検索や渋滞情報の閲覧ができるようになりました。

 オンラインで更新できることも特徴ですが、新しい道路が開通したときにはすぐに反映されるのでしょうか。

 2020年3月22日に開通した首都高K7横浜北西線を例に、各種の地図アプリやカーナビアプリでの掲載タイミングを比較してみました。

 開通から3日後に、いつも使っているグーグルマップを見てみます。当然表示されると思っていたのですが、驚いたことに計画線すら存在していません。

 ほかの地図はどうなっているのだろうかといくつか調べてみたところ、ほとんどが計画線のままでした。開通から3日経っても地図上では開通していないというのは、かなり意外なことでした。

 高速道路のような大きな建造物は十年以上をかけて作られるものですし、確定している計画路線についてもおそらくかなり前から地図データとして公開されていることでしょう。

 K7北西線に関していえば、開通から3か月以上前の2019年12月上旬には「2020年3月22日開通」が発表されていました。

 試しに、複数の地図で青葉JCT近くの青葉区役所から大黒パーキングエリアまでのルート検索してみました。

 北西線開通後にもっとも所要時間が少ないルートとして、首都高横浜青葉出入口→(横浜北西線)→横浜港北JCT→(横浜北線)→生麦JCT→首都高K5大黒線→大黒PAと表示されるはずです。

 しかし、実際には開通していても地図上では開通していない計画線のままになっている地図が多いため、「横浜青葉出入口」が出てくることはありませんでした。

 その後開通から1週間経った各地図は以下のような状態でした。

・Googleマップ:計画線自体が存在しない
・Yahoo!地図:計画線のみで未開通状態
・Yahoo!カーナビ:計画線のみで未開通状態
・ゼンリン いつもNAVI:計画線のみで未開通状態
・ナビタイム:供用路線となっておりルート検索でも表示される
・トヨタTCスマホナビ:計画線のみで未開通状態

 また、あとになってわかりましたが、首都高速が運営する道路交通情報サイト「ミューティ」では、開通から2時間後に地図に反映され、ルート検索も可能になっていたそうです。

 地図サービスを提供する各社に「新しい高速道路が地図に掲載される(カーナビでルート検索ができる)タイミングについて聞いてみました。

●Yahoo!カーナビ

 データ提供元企業より定期的に情報を提供してもらい、定期更新にするか即日対応にするかを社内で判断します。重要な新規開通道路は早いタイミングでおこなうよう心がけています。

●Yahoo!地図

 データ提供元企業からの情報提供を受けてから随時更新します。更新の手法が違うため、Yahoo!カーナビと同じタイミングでの地図反映という訳ではありませんが、出来るだけ早く更新できるよう心がけています。

●ゼンリンいつもNAVI

 供用開始が予定される駅や空港など、注目度や利用頻度が高い構造物について、地図データを早期に反映できるよう整備・提供するよう努めています。

●ナビタイム

 道路やコンテンツ(路線やスポット情報なか)によって変動はありますが、整備できている道路に関しては、まさに開通の時刻からの掲載になります。

 開通前の平均約1週間から2週間前にはデータ上は反映されていて、ルート検索で開通後の日時を指定(先日付で検索)すると新規開通道路に対応したルート検索が可能になります。

■ナビタイムは開通前にルート検索ができる

 今回調べた7社のなかでは、唯一、ナビタイムだけが「開通と同時に掲載」となっていたわけです。同社は「即日反映」に強いこだわりを持っているとのことです。さらに詳しく聞いてみました。

新しい道路情報が即日反映されるオンライン地図は少数派(写真はイメージ)新しい道路情報が即日反映されるオンライン地図は少数派(写真はイメージ)

――開通と同時の地図掲載のためにはどのような作業が必要ですか。

 実際に地図更新されるタイミングは仕組みとして自動化されているため、特別な作業が発生するものではありませんが、事前のデータ作成作業として新規開通道路やその開通日時を検知するための作業や、検知した情報をデータ化する作業を日々コツコツと積み重ねています。

 とくに3月などは、時期的に非常に多くの道路が開通するため、対応を効率良く進めるための作業プロセスの改善・自動化などを継続的におこなうことで、地図の即日反映を実現しています。

――開通前からルート検索が可能とはすごいです。利用者からの反応はいかがでしたか。

 SNSで「ナビタイムで検索していたら、横浜北西線を案内されてちょっと感動」「ナビタムは北西線つながっている」といったコメントがありました。

 利用者からは、どちらかというとまだ対応できていない部分へのご意見やご要望が多いのですが、喜びの声をいただいた際には、やはり対応してよかった、もっと良くしていこうと強く感じます。

――高速道路以外に、例えば新しい電車の駅(高輪ゲートウェイなど)や空港など大きな 公共の構造物ができたとき、どのタイミングで地図に掲載されますか。

 施設の規模の大小に関わらず、即日対応に努めています。具体的なタイミングは変動があるためお伝えできませんが、実際の街の情報を常に最新の状態でユーザーに提供することで、利用者が迷わず快適に移動できるサポートをしています。

※ ※ ※

 なお、ナビタイムをはじめ多くの地図会社にデータを提供する側でもあるゼンリンに地図情報の入手方法について確認したところ、次のようにいいます。

「当社は全国に約70の調査拠点があり、道路に限らず地図に反映すべき大規模な変化情報については、各調査拠点が事前に自治体や施設の事業主などに問い合わせ、詳細情報のヒアリングや、図面を頂く交渉などをおこなっています。

 首都高速K7横浜北西線についてもしかるべきところより情報を入手し開通する前から未来の情報を地図データとして整備して、地図アプリやカーナビを扱うお客さまに提供しています」

 開通と同時の地図掲載はもちろん、未来の地図情報の入手に関してもヒアリングや交渉を積み重ねるなど、予想外にアナログな作業が多くあることは少々意外でした。

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