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アル・ヴェルとは違うプレミアム感満載!! メルセデス・ベンツ「Vクラス」を選ぶ理由

くるまのニュース / 2020年5月26日 19時10分

2019年の東京モーターショーにおいて日本初公開されたメルセデス・ベンツ「Vクラス」の本命ともいえる「ディーゼルエンジン」「アバンギャルド仕様」「ロングボディ」の「V220dアバンギャルドロング」に試乗して、国産ミニバンにはないVクラスの利点について考察してみた。

■国産ミニバンにはない、プレミアムな空気感をもつVクラス

 2019年秋の東京モーターショーで本邦初公開となった、新型メルセデス・ベンツ「Vクラス」の日本市場でのデリバリーがいよいよスタートした。

 この新しいVクラスは、ヨーロッパでは2014年夏に、日本ではちょっと遅れて2016年1月から販売されている、「W447」という社内開発コードを持つ3代目のフェイスリフトバージョンである。メルセデスのラインナップでは唯一のミニバンだ。

 SUV人気が高まってはいるものの、世界的に見ればまだまだミニバン大国である日本には、コンパクトクラスからラージクラスまで、様々な国産ミニバンが存在している。

 しかし、室内空間の広さをアピールするため、妙に角張ったシルエットだったり、衆目を集めるべく奇をてらったルックスや過度に威圧感を強調したデザインを纏ったモデルも多く、なかなか大人がセンス良く乗れるモデルが少ないのが正直なところである。

 その点でVクラスは、他のミニバンとは一線を画している。

 今回のフェイスリフトで、フロントマスクは最新のメルセデス・ベンツに共通した顔つきになり、ボクシーなプロポーションでありながら、絶妙な曲面を用いたボディパネルと、リアに向かってボディが絞り込まれているかのような印象を与えるキャラクターライン、そして巧みに角を感じさせないエッジの処理と相まって、堂々としていながらとても落ち着いた佇まいを感じさせる。

 もちろん今回の試乗車、「V220dアバンギャルドロング」が、全長5150mm×全幅1930mm×全高1930mmと、5mを軽く超えるサイズである事も理由のひとつだが、「ミニバンとして目立つ事」よりも「メルセデスである事」を重視したデザインが、国産モデルにはないプレミアムな空気感を生み出していることは間違いない。

 インテリアは、従来モデルから大きな変化はないが、質感や立て付けのクオリティは確実に向上している。オレンジとブルー、ホワイトの3色を切り替え可能なアンビエントライトも、特に夜間の上質感を高めている。

 また今回からAMGラインが全車で選択可能となり、一層精悍でスポーティなイメージを手に入れている。

 また前席左右とは別に後席も独立して設定できる「後席専用クライメートコントロール」が全車標準となったほか、2列目にオットマンやリラクゼーション機能、シートヒーター、シートベンチレーターなどを備えたラグジュアリーなキャプテンシートである「エクスクルーシブシート」が選べるようになったのもハイライトだ。2/3列目はすべて脱着可能で、対面式に出来るほか、1列取り外して広大な空間を贅沢に使う事も可能だ。

 じつは質感向上には理由がある。Vクラスには兄弟モデルとなる商用車版の「ヴィト(Vito)」というモデルがあるのだが、これまではそのヴィトとともに、60年以上の歴史を持つスペイン・ヴィトーリア工場の商用車生産ラインで組み立てられていたが、この工場が2018年にEV生産にも対応した最新鋭の生産ラインに刷新。これがプロダクトの品質向上に繋がっているのである。

■Vクラスでもメルセデス・ベンツらしいしっとりした乗り味

 今回のフェイスリフトではエンジンも一新した。新型はこれまでと同様にV220dというディーゼルモデルのみ(特別仕様車の「V260アバンギャルドロング」は2.0リッター直列4気筒ガソリンターボを搭載)の設定なのだが、搭載される2.2リッターの直列4気筒ディーゼルターボは、従来モデルがOM651と呼ばれるスチールブロックのシングルターボユニットだったのに対し、新型はOM654という最新のアルミブロックを採用した、大きさの異なる2基のターボチャージャーを備えた2ステージターボユニットに進化。

 スペックは最高出力が163ps、最大トルクは380Nmと従来通りだが、大幅な軽量化とEuro 6d-TEMP M1をクリアする優れた環境性能を達成した。

絶妙なしっとり感が感じられるステアリングフィールのVクラス絶妙なしっとり感が感じられるステアリングフィールのVクラス

 その走りは、これぞメルセデスといったところ。エンジンはディーゼルでありながら、とても右足の動きにリニアに吹け上がり、緻密に制御された7速ATの7Gトロニックとともに、非常にスムーズな加減速を披露する。

 アイドリング状態からのレスポンスも良く、街中で出足がもたつくような事もない。ヨーロッパにはさらにパワフルなエンジンも用意されているが、V220dでもまったく力不足を感じる事はなく、十分以上にパワフルだ。

 ハンドリングも一層上質になっている。従来モデルは若干アジリティを強調し過ぎの感があったのだが、新型はステアリングのアソビは最小限ながら、絶妙なしっとり感が感じられるステアリングフィールで、正確性もとても高い。

 今回の試乗車はAMGライン装着車だったので、19インチのアルミホイールに245/45R19サイズのコンチスポーツコンタクトを履いていたが、問題なく履きこなしていた。

 特筆すべきは直進性の良さで、走行中の横風に対してブレーキ制御により走行安定性を高めるクロスウインドアシストが備わることもあり、高速道路を使ったロングドライブは、新型Vクラスがもっとも得意とするところである。

 そして快適性の高さは、直接比較したわけではないが、おそらく世界中のミニバンで最高レベルにある。

 新型は全車に可変ショックアブソーバーのAGILITY CONTROLサスペンションが標準装着されるのだが、スポーツモードを選んでも、乗り心地のしなやかさは失われずに、ロールやピッチングも上手くコントロールしている。

 剛性が非常に高いボディが、路面からの入力をしっかりと受け止めて、不快な振動を遮断している感覚で、シートやシートレールの立て付け剛性の高さも、このフラットでしなやかな乗り心地に寄与しているのは確実。静粛性も高級ミニバンと呼ぶに相応しい。

 残念ながら、MBUXが搭載されていなかったり、車線逸脱防止機能がステアリングを微振動させてドライバーに警告を与えるレーンキーピングアシストだったり、先進装備に関しては最新世代ではないが、逆にCOMANDシステムやACCなどのインターフェースはシンプルで使いやすく、ステアリング上の大量のボタンやタッチパネルに頼った今時のハイテク車より、直感的に操作できるというメリットが感じられたのも事実である。

 ミニバンのカタチをしていながら、乗り味は完全にメルセデス・ベンツのクオリティを実現した新型Vクラスは740万円からと、国産高級モデルを考えている人なら十分に手が出せるプライスタグが付けられている。他にないジャーマンプレミアムミニバンの世界が味わえるVクラスは、日本のミニバン市場に大きなインパクトを与える事になりそうだ。

●Mercedes-Benz V 220 d AVANGARDE long
メルセデス・ベンツV220dアバンギャルド ロング
・車両価格(消費税込):764万円
・全長:5150mm
・全幅:1930mm
・全高:1930mm
・ホイールベース:3200mm
・車両重量:2420kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー
・排気量:2142cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:7速AT
・最高出力:163ps/3800rpm
・最大トルク:380Nm/1400-2400rpm
・公称燃費(WLTC):11.4km/L
・ラゲッジ容量:1030-5000L
・燃料タンク容量:70L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)セミトレーリングアーム式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)245/45R19、(後)245/45R19

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