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もはや混乱の元? 車のドア部分にあるスイッチの意味や種類とは

くるまのニュース / 2020年5月31日 14時10分

クルマの運転席側にはさまざまなスイッチが配置されています。なかでも、ドア部分にはスイッチが集中して配置されていますが、その意味や種類を紹介します。

■どれがどのスイッチ? 複雑なクルマのドアスイッチ

 クルマの運転席側ドアにはさまざまなスイッチが付いています。近年は高機能化・高性能化が進み、一見しただけでは理解しづらいボタンも増えてきました。ドアノブのスイッチには、どのような役割があるのでしょうか。

メルセデス・ベンツの多くはドア部分にさまざまなスイッチがあるメルセデス・ベンツの多くはドア部分にさまざまなスイッチがある

 国産車や輸入車を問わず共通して付けられているものとしては、「パワーウィンドウ用スイッチ」があります。

 セダンやハッチバックなどの4枚ドアの場合、右上が運転席ドア、その下が右後ろのドア。左上が助手席、そして左下が左後ろという配置がほとんどです。

 運転席にスイッチを集中配置するレイアウトは、1964年に発売されたプリンス(現・日産自動車)「グロリア」の上級グレード「グランドグロリア」に遡ります。

 しかし、パワーウィンドウが登場したばかりのグランドグロリアでは、スイッチが前方から後方に向かって一列に並ぶ配置となり、どのスイッチがどのドアのものなのかを直感的に理解できる現在のものとは大きな違いがありました。

 また、現在のスイッチ類にはウィンドウスイッチとは別に、各ドアのパワーウィンドウの動きをロックできる「ロックスイッチ」も存在。

 パワーウィンドウの一般化に伴い、現在ではリアドアにもパワーウィンドウ用スイッチが備わっていますが、ロックスイッチは誤操作による不意のウィンドウ開閉を防ぐものです。

 全席シートベルト着用義務が始まった2008年以前は、後席で子どもが体を動かして遊ぶこともあり、窓から身を乗り出す、誤って転落してしまうトラブルを防ぐ狙いもありました。

 こうした事故を防止するため、運転席から全席のドアを全てロック・解錠できる「集中ドアロック」のスイッチもあります。

 そのため、多くのクルマではドアノブにはパワーウィンドウの開閉用、ロック用、集中ドアロック用の3種類のスイッチが混在。

 例えば、2020年に発売されたトヨタ「ヤリス」では、前後左右のパワーウィンドウスイッチ4個、パワーウィンドウロックボタン1個、集中ドアロックの施錠・解錠ボタン2個の、合計6個ものボタンが配置されています。

 このほかにも、ドア部分には「電動ミラー」のスイッチが備わっていることもあります。

 電動ミラー用のスイッチには、格納用とミラー角度調整用の2種類がありますが、メーカーによってボタンの配置、形状、操作方法が異なるため、パワーウィンドウに比べて直感的に理解しづらい場合もあります。

 例えば、2019年にセダンとファストバックの2タイプで登場したマツダ「マツダ3」では、一番上に左右上下方向の矢印がプリントされた円形の調整用スイッチがあり、その下にドアミラーの形がプリントされたボタンが左右独立配置され、一番下に格納用の長方形スイッチが配置されています。

 ミラー調整の際には左右どちらかのドアミラーのスイッチを選択し、表示灯(ランプ)の点灯を確認してから円形のスイッチを操作し、角度を調整します。

 ミラー操作のスイッチをすべてひとつに統合している例もあります。

 ルノー「ルーテシア」では小さな操縦桿のようなレバーにまとめられ、左右方向にねじることで調整するミラーを指定し、上下左右に倒すとミラー角度の調整、下方向にねじると格納される方式です。

■スイッチの位置は人間工学に基づいている?

 ドイツの自動車メーカーメルセデス・ベンツでは、電動ミラーとパワーウィンドウのスイッチがドアノブに集中していますが、そのすぐそばには「パワーシート用」のスイッチが配置されています。

 多くのクルマでは手動・電動に関係なく、シートの前や左右に付いているレバーやスイッチによってシート調整をおこないます。

 しかし、メルセデス・ベンツではドアに運転席をモチーフにしたスイッチが付いており、ヘッドレスト、背もたれ、座面、前後の位置を、複数の独立したボタンによって細かく調整することが可能です。

メルセデス・ベンツのドア部分にあるシート調節スイッチメルセデス・ベンツのドア部分にあるシート調節スイッチ

 ボタン配置の理由について、メルセデス・ベンツ日本株式会社は以下のように話します。

「視認性、使いやすいさを重視して、触りやすく、見やすい場所に配置しております。また、形もシートの形をしており、直感的に動かせることを意識したデザインとなります」

 さらに、メルセデスは、シート調整用スイッチのそばにシートヒータースイッチが配置されているものもあり、すべてのスイッチを集中することでドライバーを混乱させない工夫が見られます。

 また、オープンカーの場合はパワーウィンドウなどのスイッチがドアパネルではなく、シフトレバーやサイドブレーキレバーなどと同じセンタートンネル上に設置されている例もありました。

 これらのように革新的なデザインだけでなく機能性との両立もされている構成について、前出のメルセデス・ベンツの担当者は以下のように話します。

「人間工学に基づいて、シンプルに使いやすいようにデザインされております。安全性にも関係しています。

 自動車事故は、ほとんどの場合、ドライバーのミスによっておこりますので、できるだけドライバーに疲労やストレスを感じさせないことで、ミスを起こしにくくするというアプローチのもと、人間工学や心理学を取り入れた車づくりをしております。

 そのため、視線移動を最小限に抑え、両手でハンドルを握ったまま手の届く位置であらゆる操作が簡単にできるように、操作ボタン・スイッチ類を極力少なくし、サイズも大きく設計されています」

※ ※ ※

 パワーウィンドウとはじめとしたクルマの装備の電動化が進んだことで、それを操作するスイッチも年々増えています。

 2020年1月にマイナーチェンジしたホンダ「S660」では、パワーウィンドウ用スイッチのほかにも、シートヒーター用スイッチ、さらには運転席と助手席の間にある「リアウィンドウ用」のスイッチが配置されています。

 使いやすさや利便性を高めるはずのスイッチですが、クルマによっては混乱してしまいそうなほど多くなっているといえるでしょう。

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