今では絶滅寸前の超希少種か!? 高額な最新MT車5選
くるまのニュース / 2020年5月27日 6時10分
日本で販売されているクルマのなかで、MT車の比率は2%未満といわれています。一方で、世界的にもさらに希少なのが高額なMT車です。そこで、現在、国内市場で販売されている数少ない高額なMT車を5車種ピックアップして紹介します。
■高額なモデルほど希少になっているMT車
現在、日本の自動車市場では、MT車の販売比率は全体の2%未満といわれています。さらに数百万円以上の高額なモデルとなると、世界的にもMT車は希少な存在です。
1980年代までのスーパーカーなどはMTが当たり前でしたが、1990年代に高い伝達効率と、変速速度が向上したATが開発されると、高性能なモデルは次々と2ペダル化され、いまではMTを完全に廃したメーカーもあります。
そこで、現在、国内市場で販売されている数少ない高額なMT車を5車種ピックアップして紹介します。
●ポルシェ「718ボクスター GTS 4.0」
ポルシェ伝統のフラット6を搭載したピュアスポーツモデル「718ボクスター GTS 4.0」
ポルシェ「ボクスター」は、1996年に登場したFRクーペの「968」に代わるポルシェのエントリーモデルとしてデビューします。
多くのコンポーネントは「996型 911」と共有されながら、水平対向6気筒エンジンをリアミッドシップに搭載するオープン2シーターです。
現行モデルは2016年に発売された第4世代で、車名を「718ボクスター」に変更。ベーシックグレードには2リッター水平対向4気筒ターボエンジンが搭載されていますが、2020年1月に登場した「718ボクスター GTS 4.0」は4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載しています。
718ボクスター GTS 4.0のエンジンは最高出力400馬力を誇り、0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は293km/hに到達。
トランスミッションは6速MTのみの硬派な仕様で、性能的に優れているはずのPDK(DCT)は設定されていません。
日本での価格は1111万円(消費税込、以下同様)と、かつての911に迫る価格設定です。
なお、現在日本仕様の911(GT3を除く)シリーズは全車PDKですが、本国では7速MT仕様が拡大し始めており、近い将来、日本にも導入されるとみられています。
●BMW「M4 クーペ」
直6ツインターボエンジンを搭載したFRスーパースポーツ「M4クーペ」
BMWの高性能モデルに与えられる「M」は、同社のモータースポーツ関連と高性能車の研究開発をおこなっている「M社」が出掛けたことを証明しています。
BMWでもMT車のラインナップは減少しており、現在、日本で販売されている数少ないMTモデルのなかで、もっとも高性能なのが「M4クーペ」シリーズです。
M4クーペは「4シリーズ」の高性能モデルとして2014年に発売。エンジンは3リッター直列6気筒ツインターボで、最高出力は431馬力を発揮。さらに「M4クーペ コンペティション」は、450馬力にチューンナップされています。
MT車が減少している現状でもBMWはこの6速MTを新たに開発し、先代モデルと比較して12kgの重量削減と、コンパクト化を実現したといいます。
M4クーペの価格は1213万円(MT)、M4クーペ コンペティションは1286万円(MT)です。
●ロータス「エヴォーラ GT 410」
ロータスが誇るフラッグシップスポーツ「エヴォーラ」
1951年に、英国の天才技術者であるコーリン・チャップマンが起こしたロータスは、設立当初は小規模なキットカー製造の会社でしたが、後に大規模なスポーツカーメーカーに成長。
高い技術力によりレーシングカー製造でも成功を収め、F1では数々の斬新なアイデアを組み込み、1970年代まではチャンピオンを何度も獲得する名門チームでした。
その後、ロータスはGMやマレーシアのプロトンの傘下を経て、現在は中国の「ジーリー」グループの一員となり、スポーツカーを作り続けています。
ロータスのラインナップには、ほぼすべてのモデルにMTが用意されており、フラッグシップの4シーターミッドシップクーペ「エヴォーラ」にも、もちろん6速MTが設定されています。
なかでも高性能モデルの「エヴォーラ GT 410」は、トヨタ製3.5リッターV型6気筒エンジンにスーパーチャージャーを装着し、最高出力は416馬力を発揮。
これに6速MTが組み合わされ、0-100km/h加速は4.2秒、最高速度は305km/hと、もはやスーパーカーといっても過言ではない性能となっています。
エヴォーラ GT 410の価格は1397万円からです。
■国産車では高額なMT車はほとんど残っていない!?
●日産「フェアレディZ NISMO」
ハイチューンなエンジンと高剛性ボディを融合させた「フェアレディZ NISMO」
2008年12月に発売された日産6代目「フェアレディZ」は、初代に原点回帰するコンセプトが話題となりました。
搭載されるエンジンは最高出力336馬力を誇る3.7リッターV型6気筒自然吸気で、高レスポンス、高出力、低燃費、低排出ガスを高い次元で実現。
組み合わされるトランスミッションは、シフト操作時に自動でエンジン回転数を制御する「シンクロレブコントロール」が装備された6速MTと、7速ATが設定されています。
発売後にも進化の歩みは止まらず、2013年6月には、高性能版の「フェアレディZ NISMO」を追加でラインナップ。
フェアレディZ NISMOは排気系とECUのセッティングを専用に最適化することで、最高出力355馬力までパワーアップさせ、ボディ剛性の向上と専用サスペンションなどの装備で、さらにハイパフォーマンス化が図られています。
なお、発売から丸11年が経過し、日産車のなかではGT-Rと並んでロングセラーとなっていますが、次期型の噂が出ているため、大排気量自然吸気モデルは、これで最後かもしれません。
フェアレディZ NISMO(MT)の価格は640万9700円です。
●ホンダ「シビック タイプR」
進化が止まらない日本を代表するFFスポーツ「シビック タイプR」
ホンダの高性能モデル「タイプR」は、1992年発売の「NSXタイプR」から始まり、1995年に「インテグラタイプR」、そして1997年に「シビックタイプR」が発売され、どのモデルも高い人気を誇りました。
そして2017年9月に発売された現行唯一の5代目シビックタイプRは、街中での乗りやすさや居住性、快適性などを、歴代モデルから大幅に向上させた新時代のタイプRとしてデビュー。
搭載されるエンジンは最高出力320馬力の2リッター直列4気筒ターボで、シフトダウン時に回転数を自動制御する6速MTが組み合わされ、ATは設定されていません。
外観では複雑な形状の前後スポイラーが装着され、シミュレーターの進化や風洞実験を繰り返すことにより、空気抵抗を抑えつつ、効率良くダウンフォースを発生させています。
すでに発表されているとおり、細部が改良された2020年モデルと、200台の限定モデルが夏に発売予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現時点では発売時期は未定となっています。
なお、従来モデルの価格は458万4000円でした。
※ ※ ※
高額なMT車は極端に数を減らしている状況ですが、100万円台から200万円台を中心にした比較的安価な国産モデルでは、選択の余地がまだまだ残されています。
とくに1.5リッタークラスではスポーティなクルマが多く、運転の楽しさを味わうには最適なモデルばかりです。
こうしたモデルもいつ無くなるかわからない状況なので、思い立ったら購入を検討するのも有りかもしれません。
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