なぜ「サンルーフ」を採用? 新型ハリアー&タフトで話題 需要低でも設定される理由
くるまのニュース / 2020年5月29日 9時10分
2020年6月に発売されるトヨタ新型「ハリアー」とダイハツ新型「タフト」は、ともにサンルーフが特徴的な装備といえるSUVです。サンルーフ自体の人気は以前より高くありませんが、これらの車種にサンルーフが設定される狙いとはなんでしょうか。
■新型ハリアーに設定されるサンルーフにある仕掛けとは?
2020年6月はSUVの新型車種が多く発売されているといわれており、なかでもミドルサイズクラスではトヨタ新型「ハリアー」、軽自動車ではダイハツ新型「タフト」が注目されます。
そんななか、この2台には特徴的な装備としてサンルーフが設定されるというのですが、その狙いはいったいなんでしょうか。
日光を通すことで車内に開放感を与えるサンルーフは、近年発売されるクルマにおいては比較的珍しい装備となっていました。
サンルーフを製造する八千代工業に聞くと「昔はオプションで設定されるクルマが多かったのですが、いまはそれも減っています」といい、依然として高い需要がある海外向けに製造しているということです。
そんななか、ミドルクラスの都市型SUVとして新型ハリアーが発売されます。ハリアーは今回のフルモデルチェンジで4代目モデルとなり、発売は6月17日が予定されています。
新型ハリアーに設定される特徴的な装備が、トヨタ初採用となる「電動シェード付パノラマルーフ」です。
これは、一般的なサンルーフが備えるシェードを閉めることによる光の遮断のほかに、シェードを開けたままで調光をおこなうことができる装備です。
調光をタイムラグなしで切り替えられるだけでなく、調光時には障子越しのような光が差し込み、これまでのサンルーフでは実現できなかった車内の柔らかい雰囲気を実現します。
電動シェード付パノラマルーフを設定した新型ハリアーについて、チーフエンジニアを務める佐伯禎一氏は次のように話します。
「インテリアは豪華絢爛さの追求ではなく、上質ななかにもSUVらしいエッセンスを取り入れて、クルマが主張するのではなく、どんなシーンでもお客様の心の余裕を際立たせ、落ち着く空間を目指しました。
この空間に一役買うのが調光できるパノラマルーフです。調光ガラス技術に秀でたメーカーと共同開発したもので、障子のように柔らかな光を室内に届けます。
またハリアーというクルマづくりを通じて、調光ガラスの共創など日本のモノづくりに光を当てるという、私たちの思いや価値観を、ぜひ皆様にも感じていただければと思います」
※ ※ ※
SUVでありながら都会派で、かつ高級感を楽しめることが特徴の新型ハリアーにとって、トヨタで初の搭載事例というのは、高級SUVとしての価値をさらに高めます。
ハリアーは歴代モデルのなかで、世界初となったプリクラッシュセーフティシステムの導入や、電気式4WDシステム(E-Four)を採用したハイブリッドモデルの設定など、先進的な装備を他車に先駆けて搭載。
今回の電動シェード付パノラマルーフも、新型ハリアーの高級感や先進性の演出にひと役買っています。
ちなみに、新型ハリアーに初搭載される装備としては、ほかに「デジタルインナーミラー(前後方録画機能付)」が存在。走行中の前後方向の映像が録画可能となっています。
■新型タフトが「スカイフィールトップ」で得たものは
ダイハツが軽自動車市場へ新たに投入する軽SUVの新型タフトは、新型ハリアーより約1週間ほど早く、6月10日に発売される予定となっています。
ダイハツ新型「タフト」の「スカイフィールトップ」
新型タフトに装着されるのは大型のガラスルーフ「スカイフィールトップ」です。
これは、新型タフトが発売予定のコンセプトモデルとして東京オートサロン2020に出品されていた頃から明らかにされていたことで、期待の声が上がっていました。
新型タフトでは、この「スカイフィールトップ」が全車に標準装備されます。
ダイハツによると、開発時における新型タフトでは、すでに軽自動車市場にあるほかのモデルと用途・テイストの方向性を差別化するという狙いがあったといいます。
そのため、新型タフトならではの「楽しさ・ワクワク」をユーザーに提供できる「バックパックスタイル」を実現。力強さが印象的なデザインや、使い勝手に優れた荷室「フレキシブルスペース」とあわせて、スカイフィールトップを設定したと説明します。
軽自動車で大型のガラスルーフが装備されることは非常に珍しく、これまでにないモデルとして注目されています。
※ ※ ※
装着率は決して高くないサンルーフですが、だからこそ車種としての個性を演出する装備としては依然として有効なようです。
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