カワイイのかブサイクなのか理解不能!? 奇抜すぎる「顔」の車5選
くるまのニュース / 2020年5月28日 6時10分
クルマの顔というべきなのがフロントのデザインです。初めてそのクルマを見た時の第一印象が決まる重要な要素ですが、なかには奇抜なデザインのモデルが存在。そこで、ユニークすぎるフロントフェイスのクルマを5車種ピックアップして紹介します。
■クルマで最も大事な「顔」が、おもしろすぎる!?
クルマの印象を決めるのが「顔」にあたるフロントのデザインで、クルマの販売を左右するような重要な要素のひとつです。
近年は精悍なデザインが多い印象ですが、かつては奇抜なデザインのモデルも存在。そこで、ユニークすぎるフロントフェイスのクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「エスカルゴ」
バブルならではの迷車?「エスカルゴ」
1980年代後半から発売された日産のパイクカー3台は、ブームともいえる現象を巻き起こしたクルマたちで、いまも高い人気を誇っています。
第1弾が1987年発売の「Be-1」で、第2弾として1989年に「パオ」が発売され、同時にライトバンの「エスカルゴ」も登場。
正式な車名は「S-Cargo」と表記され、「Cargo=貨物」のスペイン語読み「カルゴ」と「S」を組み合わせ、実際に商用車として販売されました。
車名のとおり外観はカタツムリのようなルックスとなっており、フロントフェイスも目が飛び出したようなデザインでカタツムリを連想させます。
とても商用車には見えませんが、荷室の高さは1230mmと十分に実用的につくられており、個人商店の荷物配送用として人気がありました。
また、内装もシフトノブ、ウインカーレバー、ワイパーレバーのデザインが統一され、ハンドルもフランス車のような一本スポークを採用するなど、内外装ともに遊び心満載のクルマです。
●ランチア「テージス」
イタリア政府の公用車としても活躍した「テージス」
ランチアはイタリアの老舗自動車メーカーで、かつて「ストラトス」や「デルタHF インテグラーレ」などが日本で人気でしたが、ほかにもコンパクトカー、セダン、ステーションワゴン、スポーツカーと、さまざまなモデルを生産してきました。
なかでもユニークなデザインだったのが、2001年に発売されたプレステージサルーンの「テージス」で、ランチアのナインナップではフラッグシップに位置するセダンでした。
テージスの最大の特徴はフロントフェイスにあり、クラシカルな印象を目指したといいますが、高級車には似つかわしくないげっ歯類のような印象です。
なお、このデザインはコンセプトカーをベースにしており、ほぼそのままのデザインで市販化されました。
テージスはフルモデルチェンジすることなく2009年まで生産され、日本では正規販売されませんでしたが、わずかな台数が平行輸入されたので、いまも中古車が流通しています。
●ホンダ「TN-V」
軽トラックでは唯一無二の4灯ヘッドライトを採用した「TN-V」
1963年にホンダ初の4輪自動車として発売されたのが軽トラックの「T360」です。軽自動車のエンジンといえば2気筒と3気筒が主流だった時代に、360cc直列4気筒DOHC4連キャブレターエンジンを搭載するという、当時の常識では考えられない軽トラックでした。
しかし、軽トラックには高回転型エンジンは必要とされず、販売は低迷。1967年に空冷直列2気筒エンジンを搭載する「TN360」にバトンタッチされました。
そして、1972年のマイナーチェンジで「TN-V」と車名に換えて発売。ボディはオーソドックスなキャブオーバータイプの軽トラックですが、最大の特徴はフロントフェイスで、丸目のヘッドライトが縦に並ぶ軽トラック初の4灯式を採用。
ホンダは安全性を考慮したとアナウンスしていましたが、実際にはコストをかけてでも個性を主張する手段だったと思われます。
その後、軽自動車の規格が改定されて排気量の上限が550ccになると、1977年に後継車の「TNアクティ」が発売され、ヘッドライトはオーソドックスな丸目2灯に戻されました。
■特別仕様車として登場した「変顔」な2台
●スバル「インプレッサ カサブランカ」
流行に乗ったとはいえ違和感は否めない「インプレッサ カサブランカ」
1992年に発売されたスバル初代「インプレッサ」は、コンパクトなセダンとステーションワゴンとしてデビュー。高性能な「WRX」がラインナップされたことで、たちまち人気車となりました。
この初代インプレッサ ツーリングワゴンをベースに、クラシカルな外観にカスタマイズされたモデルが「インプレッサ カサブランカ」です。
インプレッサ カサブランカは1997年の第32回東京モーターショーに参考出品され、来場者から好評を博し、その要望に応えるかたちで1998年に市販化されました。
当初は5000台の限定車として販売されましたが、1999年に標準車のマイナーチェンジに合わせてカタログモデルになります。
外観はクロームメッキのフロントグリルや丸型ヘッドライトを採用し、内装にはモケットのシートとドアトリム、2トーンの本革巻ステアリングホイールなどを装備して、「スポーツエレガンス」をコンセプトに仕立てられました。
当時は軽自動車や小型車を中心に、レトロにカスタマイズされたクルマが、ちょっとしたブームになりました。しかし、インプレッサ カサブランカのデザインは違和感が強く、お世辞にもスタイリッシュとはいいがたい印象です。
●三菱「パジェロジュニア フライング パグ」
気合の入り方だけはスゴかった「パジェロジュニア フライング パグ」
かつて、三菱が販売していたコンパクトSUVの「パジェロジュニア(後にパジェロイオ)」と、軽自動車の「パジェロミニ」は、RVブームの背景からパジェロの弟分というポジションで開発されたモデルです。
そして、パジェロジュニアをベースにしたカスタマイズカー「パジェロジュニア フライング パグ」(以下「フライング パグ」)が1997年に登場。当時、三菱の販売チャネルである「カープラザ」設立20周年キャンペーンの一環として企画・販売されました。
フライング パグのルックスは1940年代のクラシックカーをモチーフにデザインされ、とくにフロントセクションはすべて新たにデザインされた力作となっています。
しかし、キャビンのデザインは標準のパジェロジュニアのままだったため、全体のバランスにかなりの違和感があり、限定1000台ながらプレミアが付くほどの人気車になることなく、いまでは稀代の珍車です。
なお、大規模な改造が施されていたにもかかわらず、価格は175万円(消費税含まず)からと、かなりのバーゲンプライスでした。
※ ※ ※
冒頭にあるとおり、最近のクルマは精悍な印象のフロントフェイスが流行しています。その一因として、LEDヘッドライトの普及があるのではないでしょうか。
LEDヘッドライトは、ハロゲンヘッドライトやHIDに比べてデザインの自由度が高く、それまで不可能だった造形が可能になりました。
一方で、デザインの自由度が高くなっても横並びのデザインでは面白みに欠けるので、そろそろ斬新なデザインのフロントフェイスが期待されます。
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