飾り気が無いからこそカッコイイ!? 質実剛健な4WD車5選
くるまのニュース / 2020年5月31日 6時10分
現在、人気のあるクロスオーバーSUVと比較して、かつての本格的なクロスカントリー4WD車は、いずれも飾り気なしの質実剛健なクルマばかりでした。そんな往年のクロスカントリー4WD車を5車種ピックアップして紹介します。
■無骨さが機能美となっていた頃のクロカン4駆を振り返る
近年、世界的に人気が高まっているSUVの多くは、オンロード性能を重視したクロスオーバータイプが主流で、外観は流麗なフォルムとなっています。
一方で、かつて隆盛を誇っていた本格的なクロスカントリー4WD車は、オフロード性能を重視し、無骨なデザインのモデルが多く、それが「機能美」といえる魅力がありました。
そこで、飾り気のない質実剛健なクロスカントリー4WD車を、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「40系 ランドクルーザー」
トヨタのアメリカ進出の立役者にもなった「40系 ランドクルーザー」(画像は北米仕様)
長い歴史を持つトヨタ「ランドクルーザー」は、世界中で高い評価を受けている本格的なクロスカントリー4WD車で、現在でも人気車種です。
なかでも1960年から1984年まで生産された「40系」は、クラシカルなルックスと高い悪路走破性能から、いまも愛好家から「ヨンマル」と呼ばれ愛されています。
発売当初の40系ランドクルーザーはガソリンエンジン車のみで、ショートボディに幌型の「FJ40」とミドルボディに幌型の「FJ43」、4ドアロングボディにハードトップの「FJ45V」をラインナップ。
大きく張り出した左右のサイクルフェンダーは、本格的なクロスカントリー4WD車そのもので、ランドクルーザーの車名が浸透する前は「トヨタのジープ」と呼ばれていたのも納得できます。
1966年にはショートボディにハードトップの「FJ40V」が追加ラインナップされ、1974年にはディーゼルエンジンを搭載したBJシリーズを発売。
1ナンバー登録だったランドクルーザーシリーズ初の4ナンバー登録の登場で、主流はディーゼルエンジン搭載車となりましたが、現在はガソリンエンジンを搭載するFJ40が一番の人気です。
●三菱初代「パジェロ」
クロカン4駆を身近にした初代「パジェロ」
1982年に発売された三菱初代「パジェロ」は、高い悪路走破性を持つ本格的なクロスカントリー4WD車ながら、ジープよりも快適性を向上したモデルです。
過酷な自動車競技として知られていた「パリ・ダカールラリー」に参戦し、市販車無改造部門でデビューウィンを飾ったことで、走行性能だけでなく高い信頼性が評価され、人気となります。
デビュー当初はメタルトップとキャンバストップがラインナップされていましたが、4ナンバー登録のライトバン(貨物)扱いだったために、車検や任意保険の特約などから5ナンバー登録を望む声が高まり、1983年には乗用車の「メタルトップワゴン」が追加されました。
1991年に2代目へモデルチェンジすると、折からのスキーブームやRVブームの背景から大ヒットします。一方で洗練されたルックスとなったことから、初代のような質実剛健さ薄れてしまいました。
●日産初代「サファリ」
シンプルな造形が魅力的な初代「サファリ」
日本のクロスカントリー4WD車の先駆けだった日産「パトロール」の実質的後継車として、1980年に日産「サファリ」がデビューしました。
ボディタイプは4ドアのロングホイールベースと2ドアのショートホイールベースがあり、ハイルーフ仕様や、バックドアが観音開きと上下開きが設定されるなど、幅広いバリエーションを展開。
サファリは頑丈なラダーフレームとリジッドアクスルサスペンションを採用し、悪路走破性の高さだけでなく耐久性も高いため、道路整備が遅れている国や地域からも歓迎されました。
当初、搭載されたエンジンは3.3リッターディーゼルのみでしたが、1983年にはターボディーゼル搭載車を追加。1985年のマイナーチェンジではヘッドライトが角型となり、4ドアのロングホイールベース車に、オーバーフェンダーと大径ワイドタイヤ、電動ウインチと背面スペアタイヤキャリアを装着した「グランロード」をラインナップし、人気となります。
1987年に登場した2代目では3ナンバー登録のワゴンをラインナップし、迫力ある大型のボディでさらに人気が高まり、AT車も追加するなど、ユーザー層の拡大が図られました。
■ロシアとアメリカも無骨さじゃ負けていない!?
●ラーダ「ニーヴァ」
いまも新車で手に入るクラシックSUVの「ニーヴァ(4×4)」
1977年に登場したロシアのアフトヴァーズ社製乗用車型4WD車のラーダ「ニーヴァ」は、1980年代から日本にも平行輸入されたことで、ロシアのクルマのなかでも知名度が高いモデルです。
ニーヴァは、1.6リッターガソリンエンジンに5速MTもしくは4速MTが組み合わされ、2速の副変速機を持つトランスファーとロック機構を持つセンターデフを備えたフルタイム4WD車となっています。
ただし、ニーヴァはラダーフレームではなくモノコックフレームを採用しているため、堅牢さでは見劣りしてしまいますが、軽量なボディと安価な価格を実現したことは高く評価されました。
現在もデザインを大きく変えることなくニーヴァの生産は継続されており、車名を「4×4」に変え、信頼性、操縦性、安全性の向上と、強化シャシやロードクリアランスの拡大でオフロード性能も高くなっています。
また、パワーステアリングの装備や、騒音と振動の低減、エアコンやシートヒーターなど快適装備を搭載するなど、もはやスパルタンなイメージのモデルではありません。
●フォード初代「ブロンコ」
スクエアなボディとフロントフェイスが特徴的な「ブロンコ」
2017年にフォードが「2020年に復活させる」と発表し、一部では話題となっている新型「ブロンコ」は、ミドルサイズのSUVとしてデビューするようです。
一方で、1966年に登場した初代ブロンコは、コンパクトサイズのクロスカントリー4WD車として開発されました。
多くのクロスカントリー4WD車が既存のピックアップトラックをベースに、荷台部分にキャノピーを装着するかたちでつくられていましたが、ブロンコは専用のフレームとサスペンションやボディなど、多くのコンポーネントがオリジナル設計となっています。
ショートホイールベースによる高いオフロード性能を誇り、ジープ「チェロキー」やトヨタ「ランドクルーザー」、シボレー「ブレイザー」などのライバルとしのぎを削りながら、排気量の拡大やAT車の追加、パワーステアリングが装着されるなど進化を続け、1977年まで生産されました。
スクエアなボディデザインと丸型2灯ヘッドライトを配したフロントグリルは、初代ブロンコのアイコンとなっており、いまも高い人気を誇っています。
※ ※ ※
ジープ「ラングラー」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」、スズキ「ジムニー」など、スクエアなボディデザインと丸型ヘッドライトを組み合わせたSUVが人気です。
クロスカントリー4WD車の原点というべきスタイルで、ラングラーやジムニーは、まさに原点回帰したということでしょう。
日本において、クロスカントリー4WD車が本来の性能を発揮するようなシーンほとんどありませんが、本物のギアが持つ機能美に、人は惹きつけられるのかもしれません。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日産新型「サファリ」復活は!? パトロール全面刷新で期待高まるが…! ランクルライバル登場はどうなる?
くるまのニュース / 2024年9月19日 7時10分
-
トヨタ新型「ランクルFJ」まもなく登場!? 25年に“噂のミニランクル”投入か レトロ顔&Tエンブレムを採用? みんなの予想は
くるまのニュース / 2024年9月18日 7時10分
-
買えないランドクルーザーの代わりの車は? 納期の早い本格SUV3選
MōTA / 2024年9月12日 11時0分
-
トヨタ「“本格SUV”ルーミー!?」 展示に反響多数!? 「ランクルだわ」「普通にすごい」高級オフロード仕様に進化したESB「ランクルーミー」とは
くるまのニュース / 2024年9月9日 8時10分
-
トヨタ新型「ミニランクル」の噂に反響殺到! 謎の「コンパクトクルーザー」を250発表時にチラ見せ!? 「より手軽なランクル」に期待高まる!
くるまのニュース / 2024年8月26日 7時10分
ランキング
-
1不動産会社の女性経営者が教える! 間取りでわかる「選んではいけない賃貸物件のNG特徴」5選
ananweb / 2024年9月21日 20時0分
-
2「やってみますじゃないんだよ!」糖尿25年の男性が医師の"最終激怒警告"3カ月後に迎えた「まさかの結末」
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 10時15分
-
3ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
4「和牛」と「国産牛」は何が違うのか…高級な「A5ランクの和牛」がおいしいとは限らないワケ
プレジデントオンライン / 2024年9月21日 16時15分
-
5姿を消していたヒロミが旬芸人をしのぐ人気な訳 打ち切り「ジョンソン」の後釜番組のMCに座る
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 11時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください