意外なクルマにも搭載されていた!? 珍ディーゼルエンジン車3選
くるまのニュース / 2020年6月2日 16時10分
一時期の勢いは収まってしまいましたが、欧州車を中心に人気があるディーゼルエンジン車。これまでも数多くのディーゼルエンジン車が世に出ましたが、なかにはユニークなモデルも存在。そこで、ディーゼルエンジンを搭載した珍しいクルマを3車種ピックアップして紹介します。
■スポーティカーや超絶燃費のクルマもあり!?
燃費の良さからCO2削減に有効とされ、欧州車を中心に爆発的に普及したのがディーゼルエンジンです。近年は一時期ほどの勢いはありませんが、ミドルクラス以上のクルマでは、まだまだ人気があります。
日本でも古くから乗用車にディーゼルエンジンを搭載していますが、ラインナップの数というといまでは少数派です。
そこで、これまでに登場したディーゼルエンジン車のなかから、ユニークなモデル3車種をピックアップして紹介します。
●日産「スカイライン280D GT」
スポーティなディーゼル車の草分け的存在「スカイライン280D GT」
1977年に発売された日産5代目「スカイライン」通称「ジャパン」は、シリーズ初となるターボエンジン車がラインナップされたことで、大いに話題となります。
さらに、5代目スカイラインには2.8リッター直列6気筒の「LD28型」ディーゼルエンジン搭載車が存在し、「280D GT」というグレード名が与えられました。
LD28型エンジンは、直6ならではのスムーズな回転と静粛性に加え、当時としては高速型のディーゼルとして高く評価され、日本における乗用車用ディーゼルエンジンのパイオニア的存在です。
各部の寸法はガソリンエンジンのL型6気筒をベースしており、過流室式の燃焼方式を採用。自然吸気のため最高出力は91馬力と、ガソリンの「L20型」に比べスポーティなエンジンとはいえませんでした。
スカイラインのキャラクターにマッチしていなかったためか、同エンジンを採用した「セドリック/グロリア」ほどの人気とはなりませんでしたが、時代背景としてオイルショックもあり、低燃費なクルマが求められたための搭載だったのかもしれません。
なお、6代目スカイラインにも280D GTはラインナップされ、7代目からは消滅してしまいました。
●フォルクスワーゲン「ルポ 3L TDI」
まるでレーシングカー並にストイックなディーゼル車「ルポ3L TDI」
1998年にフォルクスワーゲンの次世代スモールカー「ルポ」が発売されました。同社のコンパクトカー「ポロ」よりもさらに小さく、全長3530mm×全幅1640mm×全高1480mmと日本の軽自動車を少し大きくしたくらいのボディサイズの3ドアハッチバックです。
日本に正規輸入されたのは2001年からで、当初、日本仕様に搭載されたエンジンは1.4リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、欧州では1.2リッター直列3気筒直噴ターボディーゼルエンジンを搭載した「ルポ3L TDI」をラインナップ。
モデル名の「3L」は、100kmの距離を3リッターの燃料で走ることが可能であることを表し、燃費は33.3km/L以上を実現していたことになります。
低燃費化の手法はエンジンの熱効率向上にとどまらず、標準モデルより各ガラスを薄くし、ボンネットやドアだけでなくシートフレームまでアルミ製に変更。リアゲートとハンドルにはマグネシウム合金が使われるなど、各部に徹底した軽量化が施された結果、車重830kgを達成。
トランスミッションはシングルクラッチの5速AMTのみとされ、走行モードの「ECO」を選択すると、アイドリングストップや、走行中には積極的に高いギアを選択するなどのプログラムが実装されていました。
ほかにもフロントグリルやバンパーも専用形状のものが採用されて空気抵抗を低減し、軽量アルミホイールと低転がり抵抗タイヤが装着され、さらにエアコン、パワーステアリング、パワーウインドウをオプション設定とするなど、ストイックに燃費を追求したモデルです。
ルポ3L TDIは実験的なモデルでしたが、培った技術は後のTDIシリーズに活かされています。
■日本でも売ってほしかった!? スズキのコンパクトディーゼルとは
●マルチスズキ「セレリオ ディーゼル」
インドで大ヒットしたスズキのエントリーモデル「セレリオ」
スズキのインドにおける子会社であるマルチスズキインディアで製造、販売されているコンパクトカー「セレリオ」は2008年に登場しました。
そして2014年には2代目がデビューし、翌2015年にスズキは軽量・コンパクトな800cc直列2気筒の「E08A型」ディーゼルターボエンジンを「セレリオ」に搭載しました。
出力は48馬力と平凡ですが、トルクは12.7kgmと1.3リッターガソリンエンジン並で、850kgほどの車体には十分にパワフルなものとなっています。
セレリオへの搭載にあたっては、エンジンの取り付け方法や車体剛性の最適化と、吸音材の追加などをおこない、エンジンから伝わる振動や音を軽減して快適性が高められていました。
現在もインドで販売されているセレリオですが、ディーゼルエンジンはラインナップから廃止されてしまいました。世界でも類まれな2気筒ディーゼルですが、短命に終わっています。
※ ※ ※
現在、国産メーカーではトヨタ、マツダ、三菱がディーゼルエンジンを搭載した乗用車をラインナップしており、輸入車ではBMW、ミニ、ボルボなどのディーゼルエンジン車がヒット中で、街中でも数多く見かけられるほどです。
最新のディーゼルエンジンは排出ガスの浄化装置の設置や、補機類が多いことから、ガソリンエンジンよりも高価になっていますが、燃料費の安さや独特な乗り味は大いに魅力的です。
いまは各メーカーとも電動化を最優先でおこなっているため、新たなディーゼルエンジンの開発は難しい状況ですが、ユニークなディーゼルエンジン車の登場に期待します。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
もはや「絶滅」寸前!? 燃費“度外視”の「V12エンジン搭載モデル」何がある? まさかの「SUV」にも搭載!? ロマン&トルクたっぷりの魅力とは
くるまのニュース / 2024年5月4日 10時10分
-
トヨタのスゴい「小さな高級車」現る! 6連スロ&MT搭載の「コンパクトFRセダン」 羊の皮を被った狼とは
くるまのニュース / 2024年5月1日 14時50分
-
全長5m超! マツダが「FR×直6エンジン」搭載の新型「高級車」初公開! ロングノーズの「最上級モデル」は日本で展開! 新型「CX-80」は「CX-60」とどう違う?
くるまのニュース / 2024年4月23日 12時30分
-
【2024年】トヨタ 新型ランドクルーザー250の価格は520万円から! グレード別の価格などを徹底解説
MōTA / 2024年4月18日 13時30分
-
日産「和製スーパーカー」実車公開! まさかの「スカイラインなR34仕様」も用意の2024モデル! もうすぐファイナルな「GT-R」NYに登場
くるまのニュース / 2024年4月11日 21時10分
ランキング
-
1やよい軒で「わかってる」人が頼んでるメニュー。「神」「最強」の声も...。《編集部レビュー》
東京バーゲンマニア / 2024年5月6日 17時0分
-
2「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
3【疑問】「白内障」「緑内障」は何が違うの? 原因&治療法を眼科医に聞いてみた
オトナンサー / 2024年5月6日 20時10分
-
4死者をデジタルで復活させる「故人AI」が海外で急速に普及 「悲しみに暮れる人の社会復帰を妨げる」という懸念も
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 7時15分
-
5枯れたミントを畑に捨てたら…3年後に「地獄絵図」、 繁殖力に地主も後悔「土の総入れ替えしかない」
まいどなニュース / 2024年5月3日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください