1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

クルマのバッテリーはなぜ種類がバラバラ!? アイドリングストップ車用が特別な理由とは

くるまのニュース / 2020年6月19日 10時10分

エコカー専用と称されるバッテリーは、普通のバッテリーと何が違うのでしょうか。価格も一般的なバッテリーよりも高額なことが多い、専用バッテリーの種類や特徴を紹介します。

■エコカー対応バッテリーにはさまざまな種類がある

 最近のクルマ用バッテリーには、「ハイブリッド車」、「アイドリングストップ車」、「充電制御車」など、さまざまな区分があり、以前のように容量を含めたサイズだけ合っていれば適合するわけではなくなってきています。

 エコカー対応バッテリーとひとくくりにされてしまいがちですが、それらは何が違うのでしょうか。

 アイドリングストップ車用のバッテリーと充電制御車用のバッテリーは違うほか、サイズや形状の違い、ターミナルのプラスとマイナスの位置など多彩ですので、必ず適合したものを選ぶのが大原則です。

 ハイブリッド車でもなく、アイドリングストップ機能もついていないクルマでも、ほとんどに入っている機能が充電制御です。

 従来はエンジンがかかっているときは発電機からの電気が常にバッテリーを充電している状態でしたが、現在は必要なときだけ充電することでエンジンの負荷を減らすほか、なかには惰性で走行している際に積極的に充電するよう仕組みになっているクルマもあります。

 充電制御車では、バッテリーの充電と放電を多く繰り返すため、従来のバッテリーにはないこのような使い方に対応するようになっています。

 そして、現在では充電制御車が多くなり、市販の交換用バッテリーでは通常品が「充電制御車対応」となっていることも多く、区別されない状況になりつつあります。

 続いてハイブリッド車用のバッテリーは、走行用のバッテリーではなく補機用のバッテリーで、システムの起動のために必要です。

 区別されている大きな理由はトヨタ「プリウス」のように室内設置のハイブリッド車が存在し、その場合は密閉構造にできるVRLA(制御弁式バッテリー)タイプが使われているからです。

 室内設置のクルマに通常の開放型バッテリーを設置してしまうと、充電時に発生するガスが室内に侵入してしまうことがあります。

 反対に、補機バッテリーを室内設置していないハイブリッド車では通常の充電制御車と同じバッテリーを使っていることも多いです。

■アイドリングストップ車のバッテリーは大きく違う

 そして、機能が大きく違うのがアイドリングストップ車用のバッテリーです。

 エンジンをかける動作が従来のクルマに比べて格段に多いため、何度もセルモーターを回すことに対応した強力なバッテリーとなり、内部構造も違ったものになっていることがあります。

 電圧に違いはなく、形状にも大きな違いはありませんが、バッテリーの型番が従来の「55B20L」のような番号ではなく、新たにアイドリングストップ車用として「M-42」や「Q-85」のような形式が付いています。

 また、輸入車ではAGMまたはEFBバッテリーなど充放電能力を高めたものが指定されています。

推奨品以外のバッテリー交換はトラブルの原因にもなる?推奨品以外のバッテリー交換はトラブルの原因にもなる?

 アイドリングストップ車でのバッテリーが置かれる状況について、メーカーに聞いたところ「アイドリングストップ車ではエンジンの始動を繰り返すだけでなく、エンジン停止中にも電装品に電力を供給しているため電力不足になりがち」とし、アイドリングストップ対応バッテリーは「放電した状態での耐久性を向上させている。バッテリーの寿命までアイドリングストップ車の性能を引き出している」と説明しています。

 また、アイドリングストップ車に普通のバッテリーを装着できた場合、新品時は動作します。しかし、販売店では次のように説明します。

「早く劣化するのはもちろんですが、大きな問題は保証です。通常は2年保証が付いていますが、通常のバッテリーをアイドリングストップ車に使うと保証がなくなり、劣化したら終わりです。

 アイドリングストップ車にアイドリングストップ車用のバッテリーを使えば保証がありますので安心して使っていただけます。意図的にアイドリングストップ機能を切って使っていても保証がなくなるのは同じです」

 なお、通常のクルマにアイドリングストップ車用のバッテリーを使うこと自体は問題ないとされており、例えば配達車のようにアイドリングストップ以上に多くセルモーターを回すような使い方にも適しているほか、通常車に使うとバッテリーの寿命が飛躍的に向上するとしているバッテリーメーカーもあります。

 そして、気になる価格ですが、例えば仕様によってアイドリングストップの有無が異なるスズキ「アルト」の場合、適合表によればアイドリングストップ車では「K-42R」ですが、アイドリングストップでない場合は「38B19R」です。

 バッテリーの価格は販売店や装着作業の有無などによって大きく変化しますが、バッテリー単体をネット通販で購入すると「K-42R」は7000円前後からと高価ですが、「38B19R」相当である「40B19R」では3000円を少し超える程度で購入できます。

 しかし、前述の保証のことを考えれば無理に通常バッテリーを使うことは低コストになるとはいえないようです。

※ ※ ※

 バッテリーはクルマのメカニズムによってさまざまです。ハイブリッド車でもアイドリングストップ車用のバッテリーを指定されることもあれば、充電制御車用のバッテリーを要求されることもあります。

 タイプ別のバッテリーの特徴を説明しましたが、ハイブリッド車だから、アイドリングストップ車だからと自分で判断するのではなく、トラブルなくクルマを動かすためには、自動車メーカーやバッテリーメーカーの適合表で指定された形式を使うことをおすすめします。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください