トヨタ新型「ハリアー」速攻試乗! 買うならパワフルなHV!? 刷新された魅力とは
くるまのニュース / 2020年6月4日 6時40分
トヨタは、2020年6月17日に発売を予定している新型「ハリアー(プロトタイプ)」の試乗会を実施。自動車ジャーナリストの国沢光宏氏が、ガソリン車とハイブリッド車をそれぞれ試乗したなかで、ハイブリッド車のGグレード以上をオススメするワケを紹介していきます。
■新型ハリアーはガソリン&ハイブリッドどちらが良い?
2020年4月13日に初披露されると瞬く間に話題沸騰となったトヨタの新型「ハリアー」。実物の新型ハリアーにはどのような魅力があるのでしょうか。
2020年6月17日に発表を予定しているトヨタの新型「ハリアー(プロトタイプ)」に試乗しました。
事前情報では価格を含むほぼすべてのスペックが判明している新型ハリアーながら、「乗ったらどうか」についていえば不明でした。
今回、試乗したプロトタイプ、トヨタによれば「市販モデルと同じスペックだと考えて頂いてよいと思います」といいます。購入する際の参考になったら嬉しいです。
まずは、ガソリン車に搭載される2リッター直列4気筒(171馬力)から試乗します。最上級グレードの『Z』ということもあり、なかなかの質感です。
インパネのセンターに大型のディスプレイが標準で装備されており、内装デザインも上級クラスの乗用車的で、アウトドア志向の同社「RAV4」とは大きく異なっており、初代ハリアーはアメリカでレクサスブランドとして販売されたことを思い出します。
Dレンジをセレクトしてコースイン。サーキットながら1ラップ目はコース&車両チェックのため一般道を走っているような速度域で走行しました。
大柄なSUVのボディに2リッターということでパワー不足感あるかと予想していましたが、そんなことはありません。そもそもワイドなギアレレシオを持つCVTは重いボディに対応しやすく、過不足なく走ってくれます。
2019年に登場したRAV4より遮音対策を入念におこなっているため(リアのラゲッジフロア下側にまで透過音対策の遮音材を貼っています)室内は静かです。
1ラップして「それじゃ!」と全開を試します。TNGA世代のエンジンということもあり、高回転域まで引っ張ってもバランスや音質良くストレス無し。クルマに高い動力性能を望まないなら2リッターで十分だと思います。
足回りも高い評価を得ているRAV4をさらに乗用車みたいな方向に振った感じで、サスペンションのストローク感があり、路面からの入力もマイルドで、ステアリングフィールも良好です。トヨタは、レベルの高いクルマを作るようになったと感心しきり。
新型ハリアーとRAV4のどちらが良いかと聞かれれば、これは新型ハリアーが好みですが、オフロードっぽい雰囲気のRAV4も魅力的です。
■買うならハイブリッド車のGグレード以上がオススメなワケ
続いて売れ筋になること間違いなしのハイブリッド車を試します。搭載されるのは2.5リッター直列4気筒エンジン(178馬力)で、駆動方式は電気式4WDシステム「E-Four(後輪は独立したモーターで駆動)」です。
デザインや内外装の質感が向上した新型ハリアー
システムは普通のトヨタ式ハイブリッドと同じで、後輪モーターにもしっかり駆動力を掛けて走り出し、タイヤ2、3転がりでエンジンが始動。ちなみに走行用電池はRAV4のニッケル水素と違い、リチウムイオン(容量1kWh)を採用しているそうです。
エンジンとモーターが協調して出せるシステム出力は222馬力(2WDは218馬力)。コースインしてアクセル全開すると明らかにガソリン車のリッターより元気。
0km/hから100km/hに達するまでのタイムはガソリン車が10秒。ハイブリッド車であればスポーティモデル並といえる8秒で、トヨタ「86」のAT車と同等です。
コーナーの立ち上がりでアクセル踏んでいくと、驚いたことに後輪へキッチリ駆動トルクを配分しており、2WD(FF)モデルより素直な旋回性能です。
RAV4にもいえることながら、雪道でも気持ち良く曲がってくれる特性になっています。新型ハリアーのハイブリッド車はFFと4WDの両方選べますが、リセールバリューなど考えると22万円高い4WDだと思います。
税金などを勘案した実質的な価格差50万円あるハイブリッド車かガソリン車で迷ったなら、走行距離を基準にしたらいいです。
大雑把に考えると、10万km走った時点で燃料コストが安く抑えられるハイブリッド車の方がお得になります。また、5年くらいで乗り換えたときもハイブリッド車の方が30万円近く高い査定値になると予想でき、一般的な使い方ならハイブリッド車が得だと思います。
グレードは、G以上を選べば標準装備されるデジタルインナーミラーに、前後のドライブレコーダー機能が付いており、後からキチンとした前後のドラレコを付けしようとしたら工賃込みで5万円近く必要です。
私(国沢光宏)なら迷うこと無くG以上を選びます。ということで、おすすめはハイブリッド車のG以上。リセールバリューも大いに期待して良いと思います。
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