もはや反則技! メルセデス・ベンツ「190Eエボ2」は、2500万円で落札!!
くるまのニュース / 2020年6月10日 11時50分
かつてツーリングカー・レースの人気は、市販車の過激なスタイルでさらに盛り上がった。BMW、アルファ ロメオといった強豪がひしめき合うなかで、もっとも目を見張ったのは、メルセデス・ベンツが放った「190E 2.5-16エボリューション2」だろう。この名車がオークションに登場。その気になる落札価格は?
■打倒BMW M3! 小ベンツ「190E」の開発の歴史
レースにはさまざまなカテゴリーが存在する。その頂点に位置するのはもちろんF1だが、人気という点ではこのF1に匹敵するのがツーリングカー・レースだ。
ツーリングカー・レースは、だいたいの場合において市販車をベースにしたマシンで競われるものが、その歴史の始まりは1950年代にまで遡ることができる。
その後グループ5やグループAといったカテゴリーのモデルが主役となり、さらに1984年にはドイツで現在でも多くのファンを持つ、DTMの開催が始まる。最初にDTMの専用マシンを開発し、選手権を獲得したのは、「M3(E30型)」を投じたBMWだった。
DTMは販売に直結するレースだったため、ライバルの各社もM3には注目した。とくにメルセデス・ベンツのライバル心は凄まじく、DTMがスタートした1984年にデビューした「190E」のセールスにさらなる加速度を生み出すために、DTMの参戦を即座に決意する。
ホモロゲーション・モデルとして1986年に誕生したのは、「190E 2.3-16」である。
コスワース製の185psを発揮する2.3リッター直列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載し、独自のオーバーフェンダーやフロントスポイラー、リアスポイラー等々で武装するが、残念ながらより軽量なM3を相手にタイトルを奪取することはできなかった。
ちなみにこの2.3-16は限定車ではなく、日本にもスポーツ志向の強いカスタマーのために数多く正規輸入され、高い人気を博すこととなった。
この2.3-16の後継車として、1986年に登場したのがエンジン排気量を2.5リッターにまで拡大した「190E 2.5-16エボリューション1」だ。
実際にDTM用に各部が改良されたレーシング・スペシャルの190E 2.5-16 エボリューション1の発表は1989年シーズンを前におこなわれた。
エンジンはオリジナルの2.5-16からさらにショートストローク化され、195psにアップされた。しかし、それでもメルセデスは選手権を獲得できず、さらに2.5-16の改良と熟成を続けることになったのである。
■もはや小ベンツとは呼べない「190E 2.5-16エボリューション2」
そして1990年のジュネーブ・ショーに姿を現したのが、190をベースとしたDTMモデルの最終進化型ともいえる、「190E 2.5-16エボリューション2」だった。
2年続けてのエボリューションモデルの発表は世界を驚かせたが、それ以上に見る者を魅了したのは、エボリューション1よりもさらに過激になったエアロパーツの数々だった。
「190E 2.5-16エボリューション2」でもっとも印象的なのがリアビューである(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
前後のオーバーフェンダーやリアのスポイラーなど、そのフィニッシュはエボリューション1とは明らかに異なる造形で、いかにも戦うマシンといった印象だったことを現在でも明確に覚えているほど、強烈なものだった。
フロントに搭載されるエンジンは373psにまで最高出力が高められた2.5リッター直列4気筒DOHC16バルブ。市販モデルの235psと比較しても、その数字は驚異的だ。
1992年、190E 2.5-16はついにDTMのタイトルを奪取した。参考までにこの年獲得した勝利数は16。ほぼ完全なシーズンをメルセデス・ベンツは送ったともいえるが、それはDTMをさらに過激なシリーズとする、直接の理由となってしまったともいえる。
この190E 2.5-16エボリューション2が、RMサザビーズのオークションに登場した。
新車当時アメリカ市場へは正規に輸出されなかったこのモデルは、25年ルール(新車でのデリバリーから25年を経過するとアメリカへ、また15年でカナダへと持ち込める)が適用され、最近同様の事情のモデルとともに高い人気を集めているのだ。
RMサザビーズによれば、502台が生産された190E 2.5-16のうち、この出品車は直接日本で販売されたモデルであるとのこと。新車時からのドキュメントもすべて揃い、走行距離も5万kmには達していない素晴らしいコンディションだ。
オンラインでおこなわれたオークションでの最終落札価格は、23万1000ドル(邦貨換算約2495万円)。その価値は十分に高く評価されたといえるのではないだろうか。
これからアメリカでは、ますます25年ルールに相当するモデルの人気が高まっていくのは間違いのないところ。それには日本のスポーツカーも多く含まれるに違いない。
日本のカスタマーにとって、オークションは買う時代から、もしかすると売る時代へとシチュエーションを変えていくことも十分に考えられるようになるかもしれない。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
22年落ち日産「スカイライン」が約「6000万円」!? 新車価格の“約9倍”! もはや伝説級の「オシャ“グリーン”」採用した最終型「Mスぺ“Nur”」香港で落札
くるまのニュース / 2024年7月12日 19時10分
-
井戸田潤、23年前・4.3万キロの絶版超希少車に出会い“ガチ悩み”「1200万円かー」 愛妻に電話相談も
ORICON NEWS / 2024年6月29日 8時0分
-
メルセデス・ベンツ、前後可変トルクの2ドアクーペ「AMG CLE 53 4MATIC+」
マイナビニュース / 2024年6月26日 20時16分
-
メルセデス・ベンツ、ブランド唯一の4人乗り「CLE 200 カブリオレ スポーツ」
マイナビニュース / 2024年6月26日 19時17分
-
メルセデス・ベンツ『CLE 53 クーペ』発売 AMGらしいハイパフォーマンスモデルで1290万円
ORICON NEWS / 2024年6月25日 17時0分
ランキング
-
1大谷翔平&真美子さんのレッドカーペット中継に… 人気アイドルが「思いっきり映ってる」と話題
Sirabee / 2024年7月18日 15時40分
-
2平日は毎日「レッドブル」を飲んでいます。「1日の飲料代」として高すぎますか? また、体への悪影響はないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月20日 3時20分
-
3みなとみらいに爆誕「巨大フードコート」のスゴさ 「ワールドポーターズ」で世界の味を楽しめる
東洋経済オンライン / 2024年7月21日 12時0分
-
4【インプラント治療】どの歯科医師、歯科医院を選べばいいか?「“楽で簡単な治療”と広告でアピール」「治療費が安すぎる」には要注意
NEWSポストセブン / 2024年7月21日 11時14分
-
5新型コロナワクチンの定期接種、10月から開始…全額自己負担の任意接種費は1万5000円程度
読売新聞 / 2024年7月21日 19時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)