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軽市場に変化あり? 売れ筋とブームは別物? 日本人の性格を表す市場動向とは

くるまのニュース / 2020年6月12日 9時10分

売れ筋の軽自動車といえば、背が高くスライドドアを備えていることが挙げられますが、それとは別に軽クロスオーバーSUVというジャンルもトレンド化しています。最近の軽自動車市場にはどのような変化があるのでしょうか。

■日本人は堅実? 流行りモノ好き?

 売れ筋の軽自動車といえば、背が高くスライドドアを備えていることが挙げられますが、それとは別に軽クロスオーバーSUVというジャンルもトレンド化しています。最近の軽自動車市場にはどのような変化があるのでしょうか。

 近年の軽自動車市場において、人気の軽自動車は大きくふたつに分けられます。ひとつは、売れ筋モデルのホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」、日産「ルークス」といった全高1700mmを超え、後席スライドドアを備える「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプです。

 もうひとつは、全高1500mmから全高1700mm未満でかつ後席がヒンジ式ドアのスズキ「ワゴンR」や日産「デイズ」、三菱「eKワゴン/eKクロス」、ホンダ「N-WGN」といったハイトワゴンとなります。

 とくに、スーパーハイトワゴンはこの10年ほどで確立されたもので、2009年当時の軽自動車販売台数の上位は、1位スズキ・ワゴンR(20万1528台)、2位ダイハツ・ムーヴ(18万2325台)、3位ダイハツ・タント(14万5432台)と、ハイトワゴンが主流でした。

 2019年の年間販売台数では、1位ホンダ・N-BOX(25万3500台)、2位ダイハツ・タント(17万5292台)、3位スズキ・スペーシア(16万6389台)と販売台数上では大きな変動はありませんが、車種においてはハイトワゴンからスーパーハイトワゴンにニーズが移り変わっていることがわかります。

 その一方で、直近の軽自動車市場では、スーパーハイトワゴンやハイトワゴンとは、別のコンセプトを備えた「軽クロスオーバーSUV(以下、軽SUV)」というジャンルに分類されるモデルが続々と登場しています。

 軽SUVというジャンルの先駆け的存在といわれているのが、2014年に登場したスズキの初代「ハスラー」で、開発コンセプトは「アクティブなライフスタイルに似合う軽クロスオーバー」でした。

 スズキは、初代ハスラーの発表時に、次のように説明しています。

「ハスラーは、広い室内空間と軽自動車に求められる日常での使いやすさに加え、アウトドアやスポーツなどのレジャーを好まれる人や、わだちや雪道など起伏のある路面を走行する機会が多い人に向けた全く新しいジャンルの軽乗用車です」

※ ※ ※

 この初代ハスラー以降、翌2015年にはダイハツ「キャスト」にSUVテイストを備えた「キャストアクティバ」が登場しましたが、2018年12月にスズキ「スペーシア」の派生モデル「スペーシアギア」を発売するまでは、そこまで確立したジャンルにはなっていませんでした。

 しかし、2019年以降では、3月に三菱「eKクロス」、2020年1月に2代目ハスラー、3月に三菱新型「eKクロススペース」、そして6月10日にはダイハツから新型「タフト」が発売されました。

 これらの軽SUVは、ハイトワゴンのボディにアウトドア感の強いパーツを装備して趣味性の強いSUV風の外観とし、車種によっては通常のハイトワゴンより最低地上高が高めに設定されているものの、普通車SUVのような本格的な4WDシステムを備えておらず、あくまでも見た目重視となっています。

 スズキの販売店スタッフは、軽SUVについて次のように話します。

「スズキでは、初代ハスラーやスペーシアギアといった軽クロスオーバーSUV以外に、本格的な走破性能を誇る『ジムニー』もラインナップしております。

 これらを検討されるお客さまの多くは、キャンプをはじめとするアウトドアやレジャー、そして車中泊などに興味のある人が多い印象があります。

 また、近年のSUVブームに影響されて自分で所有するには維持費などで軽自動車だけど、見た目はSUVが良いというお客さまもおります」

※ ※ ※

 また、ダイハツの販売店スタッフは「日常の使い勝手が好評のタントとデザイン性や遊び心のある新型タフトで悩まれているお客さまはいらっしゃいます。これは、堅実な売れ筋商品と流行りのトレンド商品を悩まれるのと同じだと思います」と話します。

 日本人の性格上、堅実性のあるものを好む一方で、流行りやトレンドを選ぶ傾向にあります。現在の軽自動車市場は、まさにその異なるふたつのジャンルが盛り上げているといっても過言ではないかもしれません。

■国内シェア4割の軽自動車、今後どうなる?

 軽自動車の歴史は、1949年に初めて軽自動車の規格が制定されたことから始まり、2019年で制定から70年を迎えました。

 現在の軽自動車は、「排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下」の三輪および四輪自動車という定義となっています。

 規格制定当時は、「全長2.80m以下、全幅1.00m以下、全高2.0m以下」と現在の規格よりも小型なサイズとなり、現在の規格となったのは1998年です。これを機に、衝突安全基準が普通自動車・小型自動車と同一に改正され、軽自動車の安全性が飛躍的に向上します。

 自動車検査登録情報協会の調査によると、2000年に2000万台、2020年4月時点では3100万台以上と、自動車の総保有台数において約4割を占めるほどに軽自動車市場は成長。「通勤・通学」や「買物・送迎」といった日常にはなくてはならない存在となりました。

 さらに、日本各地には道幅が狭い道路が点在しており、運転が苦手な人や運動神経が衰え始めている高齢者には、軽自動車は最適なクルマです。

幅広いユーザーをターゲットにする軽自動車には使い勝手の良い堅実性と流行りやトレンドといった趣向性の両方が求められている(画像:ダイハツのタント)幅広いユーザーをターゲットにする軽自動車には使い勝手の良い堅実性と流行りやトレンドといった趣向性の両方が求められている(画像:ダイハツのタント)

 また、2019年7月にフルモデルチェンジしたタントでは、助手席や後席に乗る高齢者の負担軽減を狙った装備類が新たに設定され、この背景には「ユーザーや営業現場からの声があった」とダイハツは説明していました。

 今後の日本は、さらなる「高齢化社会」に突入するといわれており、国立社会保障・人口問題研究所によると2025年には65歳以上の人口が全体の30%に達する見込みです。

 維持費が安く運転がしやすい軽自動車の普及率は、これからも増えていくことが予想できます。

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