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スカイラインGT-Rやシルビアが熱い! ちょっと古めが新しい「ネオクラシックカー」の魅力

くるまのニュース / 2020年6月15日 9時10分

1980年から1990年代のクルマを所有してレストアする「ネオクラシックカー」というものがあります。日本車が目覚ましい進歩を遂げた時代に登場し、名車と呼ばれたクルマをあえていま乗るというカーライフの楽しみ方が、静かなブームになっています。今回は、ネオクラシックカーの人気車や選び方、維持方法を紹介します。

■あの頃憧れたクルマを蘇らせる「ネオクラシックカー」がブーム

 クルマは数年ごとのフルモデルチェンジやマイナーチェンジ、仕様の改良などがおこなわれますが、そのたびに最新の技術が投入され、燃費や安全性能、機能が向上しています。

 最新のクルマも魅力的ですが、1980年代から1990年代のクルマが「ネオクラシックカー」と呼ばれ、改めて注目を集めているのです。

 ネオクラシックカーの魅力は、どのようなところにあるのでしょうか。

 ネオクラシックカーの人気が盛り上がっている要因のひとつとして、日産の“ハコスカ”やいすゞ「117クーペ」といったクラシックカーにプレミアがつき、非常に高額となってしまったことが考えられます。また、さらにその希少性ゆえにパーツの入手も非常に困難で、日常使いがしづらいとされています。

 その点ネオクラシックカーは、きちんとレストアすれば現在でも日常的に使えるのが大きなポイントだと、旧車専門誌の元編集者が教えてくれました。

「1980年代から1990年代のクルマは、当時としては非常に開発費をかけたものが多いです。税制面で有利な5ナンバーサイズに収め、パワーも280馬力という自主規制のなかで、いかに魅力的に仕上げるかを競い合っていた時代でした。

 日本の自動車メーカーはあまり古い車両のパーツをストックしない傾向がありますが、このネオクラシックカー人気を受けて、『スカイラインGT-R(R32型)』などはパーツの再生産が決定するなど、状況は好転してきています。

 燃費や安全性では現代のクルマには劣りますが、走行性能に関しては十分負けていないモデルが多いのも特徴です」

 当時人気車だったクルマはパーツの入手もまだ可能な場合も多く、手間をかけてあげただけ新車に近い味わいを改めて楽しむことができるのだそうです。

「当時は、クルマの車種によってモテるなどいうことがありました。経済的に余裕が生まれた熟年層で、当時は高値の花だった憧れのクルマにもう一度乗りたいとか考える人が多いようです

 青春時代に流行った名車を所有する喜びをいまでも味わえるのも、大きな魅力のひとつでしょう」(旧車専門誌の元編集者)

 実際にネオクラシックカーを手に入れたいと思った場合、どんなところに注意すべきなのでしょうか。板金修理や車体整備などを手がける「秀自動車」(栃木県宇都宮市)の高島氏は次のようにいいます。

「大切なのは、車体の状態がいいものを選ぶことです。エンジンや細かいパーツは、新品やリビルド品を探して取り付けることが可能ですが、車体に歪みやサビがあると修復にお金がかかります。

 しかも当時のクルマはスポット溶接された部分が多いので、サビが出やすい傾向があります。ある程度の修復費用を見込んで選ぶか、または過走行ではない、状態の良いクルマがおすすめです」

 過走行ではないほうがいいとはいうものの、年式の割に極端な低走行車もあまりおすすめできないと高島氏はいいます。

「機関部品などは走らせて正常に機能するように設計されているので、あまりにも低走行すぎるとパーツの固着なども出てきて、性能に作動させるには手間がかかってしまうことがあります。

 またネオクラシックカー選びで大切なのは、パーツが入手できるモデルかどうかということも大きく影響すると思います。ゴム部品などの消耗品はともかく、足回りや操作系などのパーツが純正品でも社外品でも入手しやすい車両であれば、レストア代も維持費も安く済みます」

 そういった視点で考えると、当時流行した「兄弟車」は、ベースが同じクルマでも販売系列ごとに違うネーミングで販売されていた車両のため状態がいいクルマを探しやすい傾向があるようです。

 さらに人気車種であればパーツの流用などもしやすいとのことなので、ネオクラシックカー選びの基準のひとつにもなりそうです。

■おすすめのネオクラシックカーはどんなモデル?

 ネオクラシックカーの動向や人気のモデルはどのようなものなのでしょうか。前出の旧車専門誌の元編集者は、次のようにいいます。

日産「シルビア(S13型)」日産「シルビア(S13型)」

「ネオクラシックカーとして人気が高いのは、当時みんなが憧れたクルマです。そのなかでもスカイラインGT-R(R32型)は別格です。またホンダ初代『NSX』もルックスも含めてマニアが多い1台です。

 最近では強烈なトルクを誇った三菱『GTO』も改めて注目を集めていますが、状態のいいクルマは非常に高額になっています。

 さまざまな状況を踏まえると、実際に手が出しやすく購入後も満足度が高いと思われるのは、日産『シルビア(S13型)』でしょう。当時、ホンダ『プレリュード』と人気を二分した大人気クーペです。

 シルビアは5ナンバーサイズにパワフルなターボエンジン、貴重なFRレイアウトと、懐かしさと走る楽しさが両方欲しい人には最適です」

 ネオクラシックカーの特徴のひとつとして、できる限り純正パーツを使用していることが挙げられます。その点でもシルビアはまだ細かい純正パーツを入手ルことが可能なのだそうです。

 ただし、このS13型シルビアですが、前出の高島氏は、購入前に細かくチェックしたほうが良いといいます。

「FRでパワフルな走りが楽しめるとあって走り好きなオーナーが多かったこともあり、修復歴のある車両が多いです。またエンジンをチューニングしてハイパワーにしたものも多く、過去にかなりの負荷が車体にかかっている場合もあります。エンジンや足回りも大切ですが、車体に歪みやサビが少ないほど、状態がいいといえますね」

 トヨタ「マークII」兄弟も人気モデルとされています。マークIIは長い歴史を持つ車種ですが、なかでもおすすめは1996年から2001年まで製造された8代目(X100型)です。

 20年前のモデルですが、ネオクラシックカーとしてはかなり若い部類にはいりますが、おすすめの理由は搭載されるエンジンです。

 名機として有名な2.5リッター直列6気筒ターボ「1JZ-GTE」を搭載した「ツアラーV」グレードの走りの良さには定評があります。

 販売台数的には圧倒的にマークIIが多いのですが、兄弟車である「チェイサー」や「クレスタ」なども、このエンジンを搭載したモデルは走り好きなファンから根強い人気を誇っています。

「X100型マークII兄弟は、当時のトヨタ『スープラ』に匹敵するパワーを持つエンジンを搭載し、FRで4ドアという実用性も両立していてサイズも手頃です。はじめてのネオクラシックカーには最適かもしれません。

 ただし、少し前からドリフト好きからも人気になっており、ドリ車(ドリフト走行用にカスタムされたクルマ)のベースとして使われた車両を選ぶと手直しに苦労しそうです」(高島氏)

 ほかには、ユーノス(マツダ)「ロードスター(初代NA型)」も魅力的な1台です。

「程度のいい車両を見つけるのは大変かもしれませんが、こちらもネオクラシックカーとしては入門しやすく、かつ懐の深いクルマです。当時はデートカーとしても走りを楽しむクルマとしても大人気でした。

 マツダもパーツの再生産を発表したこともあり、レストアもしやすいというのは大きな魅力です。コンパクトなFRオープンという現行型に引き継がれているコンセプトは何年経っても色褪せません」(旧車専門誌の元編集者)

「レストアを念頭に考えるのであれば、できるだけ構造はシンプルなほうがいいです。その点でも初代(NA型)ロードスターはおすすめです。当時はレース用にパワステやオーディオまで取り外したグレードがあったくらいシンプルです。

 ただし、安全装備が少ないので(運転席エアバッグがオプション、助手席エアバッグなし)、その点で手を出しにくい可能性もあります。それでも社外品パーツも充実していますので、純正パーツを使ってネオクラシックカーとして乗ることも、自分好みに仕上げることもできます」(高島氏)

※ ※ ※

 ネオクラシックカーは40代以上の人にとっては非常に懐かしく、30代以下の人にとっては、現在にはないデザインが逆に新鮮に映るようです。

 日本が誇る名車たちは、今後はもっと値上がりするかもしれません。あの頃憧れたクルマを手に入れるには、いまがチャンスではないでしょうか。

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