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576万円の速すぎる「ミニ」ジョン・クーパー・ワークスGPは完売御礼!!

くるまのニュース / 2020年6月16日 19時10分

2019年11月に発表された、ミニ史上最強のスペシャルモデル、「ミニ・ジョン・クーパー・ワークスGP(JCW GP)」。生産台数は世界で3000台、日本市場ではわずか240台しか販売されないという貴重なモデルだが、今回幸運なことに千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイで、その走りを体験する機会に恵まれた。

■リアシートのない、走るためにだけに生まれたミニ

 ミニ「JCW GP」とはどんなクルマなのか、改めて説明すると、各世代のミニのラインナップにおけるトップパフォーマンス・バージョンである。

 エクステリアおよびインテリアにスポーティなスタイリングが施され、シャシやパワートレインも専用にチューニングされた最速モデルとなる。

 初代JCW GPは、2006年に3ドア(R50)のメーカーオプションとして用意された「ミニ・クーパーS with JCW GP kit」で、世界限定2000台、日本市場では160台が販売された。

 エンジンは、「クーパーS」のスーパーチャージャー付き1.6リッター直列4気筒に吸排気の改良が施され、クーパーSを48psと30Nm上回る218psと250Nmまで引き上げられていた。

 2代目は、2012年に同じく3ドア(R56)をベースにしたコンプリートモデルとして登場。生産台数は初代と同じく世界2000台限定で、日本にはその1割となる200台が上陸している。

 エンジンはクーパーSと同じ1.6リッター直列4気筒ターボだが、専用チューンによりベースユニットを44psと20Nm上回る最高出力218ps、最大トルク260Nm(オーバーブースト時には280Nm)という性能を実現。初代と同様に6速MTが組み合わされて、0−100km/h加速は6.2秒と、初代から0.3秒も短縮している。

 そして今回登場した3代目は、過去2世代よりも、さらにスペシャルなモディファイが施された、ミニの市販モデルとして類を見ない過激なモデルとなっている。

 エクステリアは、前後バンパーが専用デザインとなっているほか、フローティングマウントされたリサイクルカーボン製の前後オーバーフェンダーや、8の字型のド派手なルーフスポイラーなどが、インパクト抜群のルックスを演出している。

 これらボディパーツは、よく見るととても複雑な造形で、見た目が派手なだけでなく、実際にエアロダイナミクスを考慮してデザインされたという。

 インテリアも、専用のスポーツシートや12時の位置にメタルのマーカーがあしらわれたレザーステアリング、3Dプリンター技術を用いて制作された、メッシュ構造の専用アルミニウム製シフトパドル、高い視認性を実現した5.5インチのデジタルメーターパネルなどが、とてもモダンでスポーティな空間を演出。

 また軽量化のためリアシートは省略され、代わりにレッドに塗装されたスチール製のロード・プロテクション・バーが装着されている。

■キャラクターはほぼレーシングカー!

 最新のミニJCW GPパワートレインは、最高出力306ps/5000rpm、最大トルク450Nm/1750−4500rpmの2.0リッター直列4気筒ターボと8速ATの組み合わせで、駆動方式は前輪駆動である。

 つまり、今回のミニJCW GPは、車体はミニ3ドアで、パワートレインは、ひとまわりサイズが大きい「ミニJCWクラブマン」や「ミニJCWクロスオーバー」と同じ、しかし4WDではなくFFという、なかなか興味深い組み合わせなのだ。

ミニJCW GPは、ほぼレーシングカーに近い感覚で、サーキットを走ってこそ、その魅力が味わえるクルマであるミニJCW GPは、ほぼレーシングカーに近い感覚で、サーキットを走ってこそ、その魅力が味わえるクルマである

 ドライバーズシートに座り、ミニ独特のトグルタイプのスタート/ストップスイッチを押してエンジンを始動すると、専用のスポーツエグゾーストから抑えが効いていながら存在感のあるエグゾーストノートが響いてくる。

 Dレンジに入れて発進すると、ステアリングやシートから、ハイパフォーマンスカーらしい高い剛性感が伝わってくる。まずは1周、スローペースで走行し、コースを確認。最終コーナー手前でマニュアルモードに入れて、アクセルペダルを深く踏み込んだ。

 メインストレートでは、ミニではかつて経験した事のない加速を体験した。0−100km/h加速が5.2秒、最高速度は265km/hという数値は伊達ではない。

 それもそのはず、通常のJCWと同じ1290kgの車体に、75psと130Nmも強力なエンジンを積んでいるのだ。

 ストレートエンドで175km/hあたりからフルブレーキング。100km/h程度まで落としてコーナーに侵入する。ステアリング操作に対するレスポンスは極めて俊敏だ。

 そして減速Gを残しながらのコーナリングでも、全く挙動が乱れない。スタビリティが驚異的に高いのである。複合コーナーでも、トルセンLSD(機械式リミテッドスリップデフ)や10mmローダウンの専用にチューニングされた足回りが、ローリングとピッチングを巧みに抑え、4本のタイヤは路面を捉え続けるので、オン・ザ・レール感覚で狙った走行ラインをトレースする事ができる。

 専用デザインの18インチ軽量アルミホイールに装着されるタイヤは、225/35R18サイズのハンコック製VENTUS S1 evo Zというスポーツタイヤだが、グリップ力は十分以上だ。

 今回は、通常のJCWとJCWクラブマン、JCWクロスオーバーも比較車両として乗ることができたのだが、JCW GPの走りの楽しさは、レベルがちょっと違っていた。

 ボディサイズがひと回り大きいJCWクラブマンとJCWクロスオーバーは、パワートレインこそ共通ではあるものの、駆動方式が4WDであるので比較対象にならないが、車体が共通である3ドアのJCWとも走りのキャラクターが大きく異なっていたのだ。

 JCWは、コンパクトな車体に元気の良いエンジンを積み、「ゴーカート・フィーリング」といいながらもアクセルのオン/オフでクルマの向きを変える走り方が楽しめる、いわゆる古典的なホットハッチである。

 だが今回のJCW GPは、アクセルのオン/オフはクルマの挙動にほとんど変化を与えず、とにかくグリップし続ける、まるでレーシングカーの様なハンドリングなのだ。

 では楽しくないのかというとまったく逆で、ハイスピードで理想の走行ラインを針の穴を通すように正確に走れた時の快感は、このJCW GPでしか味わえない素晴らしい感覚だ。

 JCW GPは公道も走れるモデルだが、そのキャラクターはほぼレーシングカーに近く、サーキットを走ってこそ、その魅力が味わえるクルマなのだ。

 これほどのクルマが、3ドアのJCW+110万円の576万円で手に入るとは驚きである。

 しかし残念なことに、国内販売分はすでに完売となっている。何年後になるかわからないが、4代目が登場する時には迷わず注文するべきだ。

●MINI John Cooper Works GP
ミニ・ジョン・クーパー・ワークスGP
・車両価格(消費税込):576万円
・全長:3880mm
・全幅:1760mm
・全高:1420mm
・ホイールベース:2495mm
・車両重量:1290kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー
・排気量:1998cc
・エンジン配置:フロント横置き
・駆動方式:前輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:306ps/5000rpm
・最大トルク:450Nm/1750-4500rpm
・0-100km/h:5.2秒
・最高速度:265km/h
・タイヤ:(前)225/35R18、(後)225/35R18
・ホイール:(前)8.0Jx18、(後)8.0Jx18

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