新型車は成功するとは限らない!? コンセプト変更でやらかした車3選
くるまのニュース / 2020年6月23日 16時10分
新型車の開発は多額な費用と時間、労力を必要とします。そのため、各メーカーとも慎重に検討を重ねたうえで、開発をスタートさせますが、なかにはユーザーから受け入れられなかったケースも存在。そこで、コンセプトを変えたために販売が低迷したクルマ3車種をピックアップして紹介します。
■不遇な結果になってしまったクルマを振り返る
各自動車メーカーが新型車を開発する際には、多額な費用と時間、労力を必要とします。そのため開発をスタートさせる前に入念な市場調査などをおこない、慎重に検討を重ねるのが一般的です。
そうして開発されたクルマでも、発売したらユーザーに受け入れられなかったケースも存在。
そこで、コンセプトを変えたために販売が低迷したクルマ3車種をピックアップして紹介します。
●トヨタ「パッソセッテ」/ダイハツ「ブーンルミナス」
価格が安いだけではダメだった「パッソセッテ」(画像は「ブーンルミナス」)
2003年に3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売されました。取り回しのよい大きさのボディと広い室内、使い勝手の良さでファミリー層から絶大な人気を得ます。
そして、トヨタ「パッソ」、ダイハツ「ブーン」をベースに、シエンタの実質的な後継車として、「パッソセッテ」、「ブーンルミナス」を発売。
その後しばらくはシエンタが併売されましたが、2010年にはシエンタの販売を終了します。
パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語の「7」で、文字どおり7人乗りを表すネーミングとなっており、リアドアはヒンジドアを採用して装備も簡素化した結果、価格は149万円(消費税込)からと、戦略的な価格設定とされました。
しかし、ユーザーからはスライドドアという利便性が求められたことから、パッソセッテの販売は極端に低迷。
トヨタは異例ともいうべきシエンタの再販を決め、2011年にシエンタがマイナーチェンジするかたちで復活。パッソセッテとブーンルミナスは2012年に販売終了となりました。
なお、ブーンルミナスはマレーシアにあるダイハツとの合弁会社プロドゥアから「アルザ」という車名で生産され、現在も販売を継続しています。
●日産「レパードJ.フェリー」
コンセプトが変わったことよりもデザインが仇となった「レパードJ.フェリー」
1980年に登場した日産初代「レパード」は、4ドアと2ドアハードトップをラインナップするスペシャリティカーとしてデビュー。
1986年に発売された2代目は、当時高い人気を誇っていたトヨタ「ソアラ」を意識した2ドアクーペに一新され、TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたこともあり、ヒット作になりました。
そして、1992年に登場した3代目にあたる「レパードJ.フェリー」は、先代の2ドアクーペからコンセプトを一新して高級セダンへと変貌。
北米市場での販売をメインに開発されたため、トップグレードには最高出力270馬力を発揮する4.1リッターV型8気筒エンジンを搭載。
また、アメリカの高級車で多く見られた、トランクが後方に向かって下がる「尻下がり」のデザインが採用されました。
しかし、国内市場では332万円から474万円(消費税抜)と高額な価格設定と尻下がりが不評で、販売は低迷してしまいます。
そのため、1996年に車名をレパードに戻して4代目を発売。主要なコンポーネントを「セドリック/グロリア」と共有するスタイリッシュなセダンにデザインを一新しましたが、この代をもってレパードは消滅しました。
■硬派なスポーツ路線から華やかに変身したものの人気ダウン!?
●ホンダ「CR-Xデルソル」
十分にスポーティなモデルながら受け入れられなかった「CR-Xデルソル」
1983年に発売されたホンダ「CR-X」は、軽量コンパクトなボディに高性能エンジンを搭載したスポーツカーとして人気を博しました。
1987年に登場した2代目も初代からキープコンセプトとされ、ジムカーナなどモータースポーツで活躍。
そして、1992年に発売された3代目にあたる「CR-Xデルソル(delSol)」は、一般的に「タルガトップ」と呼ばれる、天井部分のみが開くオープン2シーターに変貌しました。
ルーフの開閉機構は2種類あり、ひとつは手動の脱着式で、もうひとつは電動の「トランストップ」と呼ばれるもので屋根部分がトランクに格納されるギミックが特徴的です。
トランストップはかなり斬新な機構で、発売当時は大いに話題となりました。しかし、電動オープンルーフによる重量増で、2代目までのライトウエイトスポーツというイメージは薄れてしまいました。
トップグレードには最高出力170馬力を誇る、1.6リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載し、4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションと相まって、十分に高性能なモデルでしたが、3代目のコンセプトは従来のCR-Xユーザーから敬遠されたためか、人気は低迷。
1998年に生産を終了し、この代をもってCR-Xは消滅してしまいました。
※ ※ ※
新型車は企画から生産開始まで、およそ3年というのが一般的です。車種によってはもっと長くかかることもあるといいます。
つまり、各メーカーともかなり先のニーズやトレンドを予想して、開発をスタートさせる必要があるということです。
そのため入念なリサーチをおこないますが、それでもヒットにつながる車種ばかりではないので、いかに新型車開発が難しいかがうかがえます。
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