トヨタ「A80スープラ」は本格スポーツカーだった! いまでも魅力的な4代目スープラとは
くるまのニュース / 2020年6月25日 17時10分
トヨタ「A80スープラ」は、本格的なスポーツカーとして1993年5月にデビューしました。今回は4代目となるスープラを紹介します。
■色あせない人気を誇る「A80スープラ」
どの世代も高い人気を誇るトヨタ「スープラ」ですが、やはりスープラといって多くの人が頭に思い浮かべるのが、「A80系」ではないでしょうか。
1990年代に登場した車両ではありますが、デザインも走行性能も現代のレベルから見ても高い水準にあり、人気車となるのも頷けるところです。A80スープラとは、どのようなモデルなのでしょうか。
日本国内では2代目、海外市場では4代目となるスープラは、1993年5月に登場しました。トヨタ自ら「THE SPORTS OF TOYOTA」と銘打つほどの本格的スポーツカーであり、以前のラグジュアリーなグランドツーリングカーというキャラクターは完全に消え失せたモデルになりました。
搭載されるエンジンは、3リッター直列6気筒DOHCの「2JZ型」のみで、225psを発生する自然吸気の「2JZ-GE型」と、280psを発生するツインターボの「2JZ-GTE型」の2種類となりました。
組み合わされるトランスミッションは、ターボモデルにはドイツのゲトラグ社と共同開発をした6速MTを設定。これは、国産車のFR用としては初めて採用されたものでした。
なお、自然吸気エンジンには5速MTが用意され、すべてのグレードに4速ATが設定されています。
グレード体系もシンプルになり、自然吸気エンジンを搭載した「SZ」系、ターボエンジンを搭載した「RZ」系、ターボエンジンで本革シートなどの上級装備を備えた最高級グレードの「GZ」系となりました。
ボディは先代モデルとは異なり、グラマラスなワイドボディで統一。先代モデルに設定されていたタルガトップタイプのオープンモデルであるエアロトップは継続設定されています。
なお、エアロトップのルーフは先代の鉄製からアルミ製に変更され、脱着時の負担が軽減されていました。
このエアロトップ仕様は、2001年に公開された映画「ワイルド・スピード」で、主人公のブライアン・オコナーが乗ったことで一躍有名になりました。
デビュー当初は全グレードで16インチのタイヤホイールでしたが、1994年8月には17インチタイヤホイールとそれに合わせた大容量ブレーキを追加設定。
もともとこの17インチタイヤホイール&大容量ブレーキは輸出仕様には最初から設定されていたものの、当初、日本国内での販売に関しては当時の運輸省の認可が下りなかったため、このタイミングでの追加となったのです。
同時に、ターボモデルに採用されていたビルシュタイン社製サスペンションや横Gセンサー付ABS、トルセンLSDなどを備えたスポーツグレードの「SZ-R」を自然吸気エンジンモデルに追加。
1995年5月には、ターボモデルのRZから装備を厳選して、価格を抑えた「RZ-S」が追加されています。
■A80スープラは排ガス規制に対応できず2002年に生産終了
1996年4月のマイナーチェンジが実施され、自然吸気エンジン搭載のスポーツグレードSZ-Rに、ターボモデルと同じゲトラグ社製の6速MTを搭載しました(SZグレードは5速MTを継続採用)。
その一方で、最高級仕様のGZ系グレードが廃止となり、エアロトップは自然吸気エンジンのSZのみとなりました。
トヨタ「スープラ」(A80系・後期)
また、エクステリアも若干変更が加えられ、灯火類などのデザインも一新し、いわゆる後期型となっています。
そして1997年8月に最後のマイナーチェンジをおこない、ターボエンジンを可変バルブタイミング機構であるVVT-i付きのものに換装。
最大出力は当時の自主規制値の280psのままですが、トルクは2kgf・mアップの46.0kgf・mとなったほか、RZとSZ-Rには相互連携ショックアブソーバーシステムの「REAS(リアス)」を採用しています。
その後、ボディカラーやタイヤサイズの変更などの細かな改良を続けたA80スープラでしたが、ほかのスポーツカーと同じく2002年7月に新たな排出ガス規制に対応することなく生産を終了。スープラの名前は長い眠りにつくことになりました。
※ ※ ※
現在のA80スープラは、中古車市場で高値安定しています。自然吸気モデルやATモデルは比較的手が届きそうな価格ではありますが、それでも200万円弱となかなかの価格です。
ターボのMTモデルともなると、当時の新車価格を超えるものも珍しくありません。
A80スープラは、北米市場にも正規輸出されていたため、25年ルールでの海外流出はあまり縁がないと考える人がいるかもしれませんが、じつは正規輸出は1998年で終了しており、VVT-i化されたモデルは北米では設定されていませんでした。
そのため、あと数年後にはこれらのモデルが25年ルールの対象となり、より高値になることは確実視されています。
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