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なぜ日産はジュークではなく新型キックスを導入? 小型SUVならではの事情とは

くるまのニュース / 2020年6月27日 7時30分

コンパクトSUVの新型車として、日産「キックス」が国内導入されます。しかし日産には、同じコンパクトSUVの「ジューク」があります。ジュークは2019年にフルモデルチェンジしましたが、日本では販売されず、欧州で販売されています。なぜ日本はジュークではなくキックスが導入されることになったのでしょうか。

■ジュークとキックスはどう違う? 欧州と日本とで異なる事情とは?

 日産において10年ぶりの新規モデルとなる、新型「キックス」が2020年6月24日に発表されました。発売は同年6月30日に発売されます。

 激戦区となるコンパクトSUVカテゴリに投入された新型キックスですが、日産はこれまで同カテゴリの「ジューク」を販売していました。

 ジュークに代わって新型キックスが国内導入されることになったのは、一体なぜなのでしょうか。

 初代ジュークが登場したのは2010年で、ジュークがコンパクトSUVのカテゴリをカテゴリ開拓。ホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」などが後に続き、現在ではさまざまなモデルがラインナップしています。

 ジュークは2019年に2代目モデルへフルモデルチェンジしましたが、販売されるのは欧州で、日本へは導入されていません。

 一方のキックスは、2016年にブラジルで発売されてから、北米や中国、東南アジアなどで販売されています。2020年5月にはタイでビッグマイナーチェンジモデルが世界初公開され、今回日本へ新規導入されることになりました。

 ジュークとキックスと、日産にはふたつのコンパクトSUVがありますが、なぜ日本では新型ジュークの代わりに新型キックスが導入されることになったのでしょうか。日産広報担当者は次のように話します。

「新型ジュークを日本に導入するかどうかについて検討はしておりましたが、ジュークはデザインは優れているものの、後席や荷室の狭さが日本のユーザーには適していないのではないかと考えました。

 新型キックスは、後席も荷室も広く確保しており、デザイン性だけではなく実用性も兼ね備えています。

 そのため、日本には新型キックスを導入し、後席や荷室の広さよりもデザイン性を重視する傾向がある欧州では新型ジュークを販売しています」

 新型ジュークと新型キックスは、後席や荷室の広さに違いがあります。

 新型ジュークのボディサイズは全長4210mm×全幅1800mm×全高1595mm、新型キックスは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmと、同じくらいのサイズですが、新型ジュークはルーフ後方が下に下がるクーペスタイルを採用していることから、後席の頭上空間や荷室はさほど広くありません。

 その点、新型キックスの後席は、ニールームが600mm、頭上空間が85mmで、大人4人がしっかり乗れるパッケージを実現。後席は窓の形状を工夫することで視界も良く、くつろげる広い空間としました。

 また、荷室もクラストップレベルの423リッターと、Mサイズのスーツケースを4個積載できるスーペースを確保しています。

 新型ジュークと新型キックスはコンパクトなサイズであることから、デザインや室内などに制約があります。

 デザインを重視するか、実用性を重視するかという点において両車のキャラクターを分け、日本のユーザーにより適した新型キックスが導入されることになったというわけです。

■SUVとしてe-POWERを初めて搭載する新型キックス

 新型キックスはタイで生産され、日本へ輸入されます。前述のように2020年6月30日の日本での発売を皮切りに、タイでも販売されます。

 新型キックスの特徴のひとつとして挙げられるのが、電動パワートレイン「e-POWER」を搭載していることです。

上質な内装の日産新型「キックス」上質な内装の日産新型「キックス」

 これまでコンパクトカーの「ノート」とミニバンの「セレナ」に搭載され、好評を得てきたe-POWERがSUVにも搭載されることになりました。さらに、海外でe-POWER搭載モデルが販売されるのは、初めてとなります。

 新型キックスのパワートレインは、1.2リッター直列3気筒エンジンに「e-POWER」を組み合わせた、シリーズハイブリッド方式を採用しています。

 新型キックスではe-POWERの最大出力を約20%向上。バッテリーやモーターなどの制御を磨き上げ、レスポンスが良く力強い走りを可能としています。なお、駆動方式は2WDのみです。

 e-POWERならではの力強い加速に加え、高い静粛性を実現するとともに、アクセルペダルの踏み戻しだけで加減速をおこなえる「ワンペダルドライブ」も可能としました。

 前出の日産広報担当者は、「渋滞において、アクセルの踏み戻しだけで加減速できるワンペダルドライブはメリットがあります。日本でも激しい渋滞が発生しますが、タイのにおいても非常に激しい渋滞があるようなので、そのようなときにワンペダルドライブが便利に使えます」と説明しています。

 また、新型キックスがe-POWER専用車としていることについて、チーフマーケティングマネージャーの小木曽氏は、次のようにコメントしています。

「e-POWERは日産独自のパワートレインで、踏んだ瞬間に違いがわかります。ノートとセレナでも好評をいただいているe-POWERを、ひとりでも多くのお客さまに体験してもらいたいです」

 日本だけの仕様として、「プロパイロット」や「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」が標準装備されています。

 さらに、もしもの事故の際の自動通報はもちろん、あおり運転や急病などの緊急事態にも手動で通報できる「SOSコール」も全車標準装備し、安全なクルマを目指しました。

※ ※ ※

 新型キックスのデザインは、大型の「ダブルVモーショングリル」やフローティングルーフなど、日産のデザインモチーフがさまざまなところに採用されています。

 また、スポーティさと上質感が共存する内装も相まって、力強くスタイリッシュなデザインが特徴です。

 国産車のライバルとしては、トヨタ「C-HR」やホンダ「ヴェゼル」が該当しますが、これらの人気モデルと十分戦える実力を備えた新型ジュークの今後の動向が注目されます。

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