日産現行「フェアレディZ」が6/14で販売終了!? 改良or次期型を示唆?
くるまのニュース / 2020年7月2日 7時10分
日産は2020年5月28日におこなった決算会見の場で、2021年末までに12車種の新型モデルを投入すると宣言。そのなかには、次期型「フェアレディZ」も含まれていました。その約1か月後の6月14日に現行フェアレディZのオーダーがストップしたという情報が出ましたが、果たしてマイナーチェンジもしくは次期型フェアレディZへの動きなのでしょうか。
■次期型フェアレディZはいつ出る?
日産は2020年5月28日に公開した動画「NISSAN NEXT: From A to Z」で、次期型「フェアレディZ」を登場させ大きな話題となりました。
現在、同社のFRラインナップは、「スカイライン」、「フーガ」、「シーマ」、そしてフェアレディZですが、どのモデルも登場から時間が経っておりフルモデルチェンジが期待されています。次期型フェアレディZは、どのようなモデルになるのでしょうか。
日産は、前述の動画を2019年度決算報告の場で公開し、「今後18か月で12の新型車を投入する」とアナウンス。そして、12の新型車と思われるモデルの走行シーンが、AからZの順で登場したのです。
今回、公開された次期型フェアレディZはシルエットのみでしたが、現行モデルよりもロングノーズショートデッキが強調されたスタイルで、初代フェアレディZ(S30型)を彷彿とさせる流麗なクーペデザインとなっています。
また、現行モデルの稲妻のような形状のヘッドライトは、上下2段のデザインに変更されているほか、ルーフサイドにはシルバーの加飾が施されるとともに、現行モデルではフロントフェンダー後部に装着されている「Z」のロゴが、かつてと同じようにリアピラーに配置されるなど、新たなフェアレディZを垣間見ることができます。
現行フェアレディZは、2008年に発売されすでに12年目を迎えることから、次期モデルの登場を熱望する声があがっていました。
現状の販売動向について、日産の販売店スタッフは次のように話します。
「フェアレディZはボディの大きさに対してトランクスペースが狭く2人乗りであることから、コンパクトカーやセダンに比べ使い勝手が劣ります。
そのためコンパクトカーやセダンのように多く売れる車種ではないことから在庫車も少なく、ほとんどが契約をしてから生産開始となっています。
なお、現行モデルのオーダーは6月14日で一旦終了していますが、けっしてフェアレディZがなくなる訳ではありません。
今回のオーダーストップは法規対応のためとなり、おもに燃費表記がJC08モードからWLTCモードへの変更に対応するためです。法規対応後のフェアレディZは同年9月18日に発表・発売となり、7月中にはオーダーが再開する見込みです。
今回のタイミングで法規対応したということは、次期型フェアレディZの発売は当分先になるのかもしれません」
※ ※ ※
日産には かつて「セドリック」「グロリア」「レパード」「セフィーロ」「ローレル」「シルビア」といったFRモデルが数多くありました。
しかし、現在では前述のスカイライン、フーガ、シーマ、そしてフェアレディZを残すのみとなっていますが、日産のFRモデルは今後どうなっていくのでしょうか。
■日産のFRモデルの今後はどうなる?
かつて国産FRモデルは、各自動車メーカーでラインナップされるほど定番でした。しかし、最近ではFFレイアウトを主軸とする共通プラットフォームが主流となり、FRモデルが減少傾向にあります。
2019年のマイナーチェンジで405馬力を発揮する「400R」を追加!
トヨタのFRモデルとしては、2018年に「クラウン」を15代目にフルモデルチェンジしていますが、日産においては、フーガが2009年、シーマが2012年、スカイラインが2014年以降フルモデルチェンジされていないのが現状です。
マイナーチェンジや改良では、2020年6月にコンパクトFRスポーツセダンのレクサス「IS」をビッグマイナーチェンジ、スカイラインも2019年7月にビッグマイナーチェンジをおこない大きな話題となりました。
スカイライン、フーガ、シーマの3車種は、日産の大型FR車用プラットフォームである「FR-Lプラットフォーム」を用いて開発され、エンジンやレイアウトなどを共有しています。
FR-Lプラットフォームは、1999年にカルロス・ゴーン氏が日産に赴任した後の2001年に登場した11代目スカイラインなどから採用されました。その後もプラットフォームは改良を加えられながら現行スカイラインにも用いられています。
しかし、2010年代以降に多くの自動車メーカーがプラットフォームを刷新したことを考えると、FR-Lプラットフォームが古くなっていることは否めません。
例えば、トヨタはトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ(TNGA)に基づいたFR用「GA-Lプラットフォーム」を前出のクラウンから採用、マツダは2019年5月にFRと直列6気筒エンジンを組み合わせた「ラージアーキテクチャー」を発表、ハンドリングや安全性といったクルマの基本性能の改善を進めています。
このような状況のなかで、残る日産FRセダンはどのような販売状況にあるのでしょうか。日産の販売店スタッフは、以下のように話しています。
「FRセダンとしては新型スカイラインがもっとも問い合わせや商談が多い車種となります。ハイブリッドモデルはプレミアムセダン、ガソリンターボモデルはプレミアムスポーツカーという異なるキャラクターを持ち、幅広いお客さまにおすすめできます。また、やはりスカイラインというネームバリューで興味を持っていただくことが多くあります
フーガはゆったりとした乗り心地や高級感をお求めになるお客さまから根強い人気があります。シーマは価格や用途がほぼ法人用となりますので、一般のお客さまがお求めになることはほとんどありませんが、以前から日産車を乗り継いでいらっしゃる企業などに需要があります」
※ ※ ※
現在、日産のコンパクトカー用に「Vプラットフォーム」、ミニバン用に「Cプラットフォーム」などがありますが、その多くはFFレイアウトとなっています。
FFはFRに比べて部品点数が少なく生産工程を短縮できるほか、FRよりもレイアウトの自由度が高いため、さまざまなボディサイズ・タイプで共有可能です。
一方で、FRレイアウトは根強い人気があり、大排気量車やスポーツカーなどではFRレイアウトが採用され続けています。
2021年に登場すると見られる次期型フェアレディZでは、新たなFRプラットフォームが採用されるのか期待したいところです。
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