1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

自転車も「あおり運転」罰則強化へ どんな危険行為が対象に?

くるまのニュース / 2020年7月2日 11時10分

2020年7月2日からは自転車による「あおり運転」が厳しく取り締まられることが決まりました。近年、自転車による危険行為やクルマに対するあおり運転が問題視されていましたが、今回の罰則強化でどのような行動が当てはまるのでしょうか。

■2020年7月から自転車による「あおり運転」が厳しく取り締まられる!

 2020年6月30日に施行されたクルマの運転者に対する「あおり運転」の厳罰化ですが、7月2日から自転車も同様に処罰の対象となります。自転車のあおり運転に関する罰則はどのように変更されるのでしょうか。

 2020年6月30日からあおり運転が厳罰化され、「妨害運転罪」として厳しく取り締まられることが決まりました。これを受けて同年7月2日から危険運転を繰り返す自転車も同様に処罰の対象となります。

 ではこうした、自転車によるあおり運転の処罰について、自転車販売店側はどのように考えているのでしょうか。都内の自転車販売店の担当者は、以下のように話します。

――自転車のあおり運転が処罰の対象となることを知っていましたか。

 知りませんでした。そういった事例があること自体、把握していない状況です。

――自転車のあおり運転が厳罰化されることについて、販売店側ではどのように考えますか。

 コロナ禍の影響により、電車通勤から自転車通勤にシフトしている方も多くいるため、こういった取り組みは今後のためにも良い傾向だと思います。実際に、当店でも自転車需要が高まっている状況です。

 ただし、こうした取り組みをうけて、店舗側で何か対策をおこなうのは難しいのが実情です。現段階では、簡単な交通ルールやマナーに関するポスターを掲載しているものの、あおり運転のような犯罪行為となると店舗側での啓発が難しいところもあります。

※ ※ ※

 このように、あおり運転による処罰については、まだ広く知れ渡っていないようです。実際に、この処罰の対象となる自転車による危険運転とは、具体的にどういったものがあげられるのでしょうか。まず、2018年4月1日時点までに警視庁が発表する14項目の危険行為は、以下のとおりです。

・信号無視 【道交法第7条】
・通行禁止違反 【道交法第8条第1項】
・歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反) 【道交法第9条】
・通行区分違反 【道交法第17条第1項、第4項又は第6項】
・路側帯通行時の歩行者の通行妨害 【道交法第17条の2第2項】
・遮断踏切立入り 【道交法第33条第2項】
・交差点安全進行義務違反等 【道交法第36条】
・交差点優先車妨害等 【道交法第37条】
・環状交差点安全進行義務違反等 【道交法第37条の2】
・指定場所一時不停止等 【道交法第43条】
・歩道通行時の通行方法違反 【道交法第63条の4第2項】
・制動装置(ブレーキ)不良自転車運転 【道交法63条の9第1項】
・酒酔い運転 【道交法第65条第1項】
・安全運転義務違反 【道交法第70条】

 上記に加え、2020年7月2日から、あおり運転を意味する「妨害運転罪」が追加されることで、計15項目へと変更されます。

 自転車による妨害運転罪とみなされるケースは、おもに「逆走」「幅寄せ」「進路変更」「不必要な急ブレーキ」「ベルを執拗に鳴らす」などとされています。

 こうした危険行為を3年以内に2回以上繰り返した者は、講習命令がくだされ、これに背くと5万円以下の罰金となります。

 対象者の年齢は、14歳以上となり、都道府県公安委員会が受講を命ずることができます。受講命令は、自転車運転者講習受講命令書が交付され、交付後3か月以内に受講する必要があります。受講時間は6時間、料金は6000円です。

■なぜ自転車も処罰の対象に?取り締まりが厳しくなった背景とは

 自転車があおり運転として厳しく取り締まられる背景には、政府による自転車の活用推進も大きく関係しています。

 政府では、自転車は環境に優しい交通手段であるほか、国民の健康増進や交通の混雑を緩和できる要素があると考え、自転車の活用を推進しています。こうした取り組みにより、自転車、歩行者、自動車など、それぞれの安全性を意識したうえで、交通ルールの啓発が強化されました。

 一例をあげると、2020年6月23日には、自転車の「あおり運転」によってクルマを傷つけた男が逮捕されました。

 警視庁の調べによると事件当時、JR西荻窪駅近くの商店街路上で30代の男性が運転するクルマに自転車がわざとぶつかり、車両を傷つけたとして器物損害の疑いが持たれています。

 現場周辺に設置された防犯カメラやドライブレコーダーの映像を確認したところ、はっきりと当時の様子が残されていることがわかりました。

 映像のなかには、自転車を「クルマの前に置く」、「周りを蛇行する」、「ドライバーを怒鳴る」といった通行を妨害する様子が記録されていたのです。

 このように、自転車による悪質なあおり運転行為は実際に発生しています。自転車の活用が推進されることによって、こうした事例が今後多発する可能性もあります。

 また、コロナ禍による生活様式の変化に伴い、ウーバーイーツをはじめとする自転車を用いた宅配サービスなど、さらにその利用も広がっていくでしょう。

 そうした背景から、自転車によるあおり運転を多発させないためにも、7月2日から施行される道路交通法改正によって、厳しく取り締まられることとなりました。

危険な場所で信号待ちをする自転車危険な場所で信号待ちをする自転車

 あおり運転が社会問題として取り上げられる今、クルマだけでなく自転車も同様に処罰をくだされることとなりました。

 自転車は環境に優しく、便利な交通手段である一方で、クルマのように運転免許を必要としないことから、その運転マナーが問題視されてきました。改正道路交通法の施行によって、自転車の運転マナーが改善するかどうかに注目です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください