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ホンダ「S2000」が20年目のマイチェンで甦る!? 旧車のパーツを再販する狙いとは

くるまのニュース / 2020年7月3日 7時10分

ホンダの2シーターオープンカー「S2000」の20周年を記念して、復刻パーツが販売されました。古いクルマに対する部品の供給は、各メーカーが取り組んでいますが、その狙いとはどのようなことなのでしょうか。

■ホンダ「S2000」が「20年目のマイナーチェンジ」!?

 現時点でホンダ最後のFRスポーツとして知られる「S2000」は、1999年の誕生からすでに20年を迎えました。

 2シーターオープンでありながら、クローズドボディと同等以上のボディ剛性、運動性、環境適合性、そして安全性を実現することをテーマに開発された革新的なモデルですが、20周年の節目に純正アクセサリーが発売されました。

 復刻パーツを手掛けたのは、ホンダの純正アクセサリーやコンプリートカーを手掛けるホンダアクセスです。

「20年目のマイナーモデルチェンジ」をコンセプトに開発されたアクセサリーとは、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

 20周年記念アクセサリーの開発責任者自身がS2000オーナーであり、S2000を盛り上げたいということから発案したのがきっかけで、20年分の進化を表現するアクセサリー開発を当時の役員に直談判したことからこのプロジェクトが開始。

 2019年4月に開催されたオーナーズイベントでは、プロジェクトについてのプレゼンを実施し、欲しいパーツに関するアンケートや、企画中のアクセサリーについての意見交換をおこなうなどしたなかで、8種類のアイテムが販売されることになったといいます。

 20年目のマイナーモデルチェンジということで、フェイスリフトとして新たなバンパーを開発。コンプリートカーブランドである「モデューロ X」の開発で培ったノウハウを投入し、最新の空力の考え方を取り入れることで乗りやすさを追求しました。

 また、S2000はマイナーチェンジを繰り返すたびにオーディオリッドの仕様が変わっていたのですが、今回は20周年の記念ロゴ入りの特別感あふれるデザインが採用されています。

 さらに、傷みがちなフロアマットについては、前期型、後期型、「タイプV」など、年式やグレードごとに仕様が異なっているから、それを統一させて全年式に対応するものを新たに設定しました。

 ほかには、外装パーツではダックテールタイプのトランクスポイラーやリアストレーキ、内装のパーツではフットライトを用意。スポーツサスペンションや幌の劣化防止のためのボディカバー(ハーフタイプ)も設定されています。

※ ※ ※

 20周年記念純正アクセサリーを装着したモデルは、2020年1月に開催された東京オートサロン2020で世界初披露されると大きな話題を呼びました。

 同年2月20日より全8アイテムの注文が受け付けられ、6月26日に発売。販売個数限定のオーディオリッド(限定2000個)は完売済み、スポーツサスペンション(限定500セット)は残りわずかだといいます。

 そのほかのアイテムは、2021年2月19日まで受注生産されます。

 S2000の20周年記念純正アクセサリーついて、ホンダアクセス広報部の担当者は次のようにいいます。

「これまでにも、『NSX』や『ビート』といった“名車”と呼ばれるモデルの節目にアイテムを発売してきました。

 古いクルマのオーナーからは自分のクルマのパーツも復刻してほしいという要望もあるのですが、残存する台数などを考慮したうえで、復刻パーツの取り組みをしています。

 ホンダ車に長年乗っていただいているオーナーのために、今後もこういった古いクルマへの取り組みができればと考えています」

■トヨタは「スープラ」の復刻パーツ再販 各メーカーの取り組みとは?

 古いクルマへの取り組みは、さまざまなメーカーがおこなっています。

 トヨタが手掛けるのは「スープラ」で、1986年から1993年に発売された「A70型」と1993年から2002年に販売された「A80型」を対象とした「GRヘリテージパーツプロジェクト」を2020年1月に開始しました。

トヨタ「スープラ(A80型)」トヨタ「スープラ(A80型)」

 復刻パーツは、A70スープラが「プロペラシャフト」「ドアハンドル」「フューエルセンダーゲージ」「ウェザーストリップ」「フロントエンブレム」。

 A80スープラは「ヘッドランプ」「ドアハンドル」「ブレーキブースター」となり、これらのなかから先行して、A70のフューエルセンターゲージとA70およびA80のドアハンドルが2020年7月1日より発売されました。その他のパーツについても準備中で、順次発売される予定です。

 TOYOTA Gazoo Racingの担当者は、次のように説明します。

「復刻パーツとして再販する基準は、アフターパーツとして製品化されていないことと、継続車検を取得する際に重要なものという点です。

 たとえば、A80のヘッドライトは異型なこともあり、今回復刻パーツとしてラインナップしました。A70のライトのガラス部分は汎用品を使っていることから、復刻パーツとして設定していません。

 また、A70のリトラクタブルヘッドライトでは開閉動作する部分のパーツの要望がありましたが、これに関しては補修対応が可能だということがわかりました。

 トヨタ車として過去にラインナップされていたスポーツモデルについては、復刻パーツに対応できるかと思います。『AE86』や『チェイサー』などの部品が欲しいという要望が多いようです」

 ほかにもマツダは、初代「NA型ロードスター」のレストア(再生)サービスを2017年に開始し、ほかにも「ハンドル」や「シフトノブ」「フロアマット」「ソフトトップ」などの補修用部品を復刻して販売しています。

 さらに、マツダはブリヂストンと共同して、NA型ロードスターが発売された当時の純正タイヤ「SF-325」を復刻しました。

 また日産は、ニスモ、オーテックジャパンの共同3社として、2017年12月にR32型の「スカイラインGT-R」の部品を再生産。

 その後、2018年11月に、部品供給の対象をR33型とR34型に拡大し、外装部品、ホース/チューブなどの部品の発売を開始しました。

 第二世代のスカイラインGT-R向けの部品は、大小合わせて約260部品をラインナップするなど、オーナーが少しでもクルマに長く乗り続けられるようにサポートしています。

※ ※ ※

 従来モデルの生産が終了しても、部品はしばらくの間は販売されますが、生産終了から10年もすると、需要のない部品は製造が廃止され、在庫のみの販売となり、在庫がなくなると購入することができなくなってしまいます。

 また日本では、初度登録から13年経過したクルマは自動車税が増税になるなど、古いクルマを所有するオーナーにとっては負担が大きくなりがちです。

 そうしたなか、各メーカーでは愛車に少しでも長く乗ってもらいたいという想いから復刻パーツの販売やレストアの仕組みを整えるなど、旧車オーナーを後押する取り組みが広がっているようです。

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