キャンプの定番アイテム「タープ」を車に設置!? 「サイドオーニング」で車中泊も快適に
くるまのニュース / 2020年7月23日 14時10分
オートキャンプがブームだった1990年代は、クルマの横にテントとタープを設置するのがお決まりのスタイルでした。しかし近年は、クルマで車中泊できたり、タープはクルマに常設して手軽に設置できるなど、そのスタイルが大きく変化しています。
■キャンプはしたいけどテントやタープの設営が面倒!?
1990年代半ばにブームとなった「オートキャンプ」。1996年にオートキャンプ参加人口が年間1580万人を記録するなど、人気のレジャーになりました。
通常のキャンプ場だと、決められた駐車場にクルマを停め、そこからテントを張る区画まで多くの荷物を運ぶ必要がありましたが、オートキャンプ場では区画に直接クルマを乗り入れることができます。
そこでクルマから荷物を降ろし、テントやタープをクルマのすぐ近くに設置できるのが画期的でした。
当時のブームから20年以上が過ぎましたが、2012年に720万人だったオートキャンプの参加人数は、ここ最近は6年連続で前年を上回り、2018年には850万人に達しています。
オートキャンプブーム再燃の要因といえるのが、テントを使わずクルマで寝泊まりをする車中泊や、クルマに設置するタープを使った新たなキャンプスタイルの増加です。
以前は、テントを筆頭にキャンプ道具をブランドでそろえ、本格的なテントを手際よく設営するのがキャンパーのステータスでした。準備や撤収にかかる時間もキャンプの一部だったのです。
しかし最近は、車中泊をすることで手間のかかるテント設営をすることなく、さらには慣れないと設置にかなりの労力が必要だったタープも、クルマとつなげたり、クルマから引き出すだけで簡単に設置できるようになるなど、オートキャンプのハードルがぐっと下がっています。
タープは直射日光や雨を防ぎ、その下にテーブルやチェアを置いて、家族や仲間と団らんするためのリビングスペースを演出できます。
何もない場所にタープを設置するだけで、自分たちだけのくつろぎの空間が確保できるとあって、キャンプには欠かせないアイテムのひとつです。
かつてはテントの横に単独で設営するのがタープの定番スタイルでしたが、最近はクルマの左右や背後に、付属の吸盤などで簡単に取り付けることができるカーサイドタープが人気です。車種も問わずに設営できますが、それでも若干組み立てにはコツと手間がかかります。
そうした設営の手間も省きたい人におすすめなのが、「サイドオーニング」です。
車体の横または上部に常設するもので、店先などでよく見る、ハンドルをくるくる回して出す屋根と同じ構造です。
タープを支えるポールも収納されているので、クルマに載せる荷物はほぼ必要ありません。しかも初めての人でも、設置、収納ともに時間はほとんどかからないという手軽さが魅力です。
サイドオーニングは、もともとキャンピングカーに付属される人気のパーツです。キャンピングカーの製造・販売などをおこなう「バンテック」に話を聞いてみました。
「サイドオーニングは、専用のブラケットを使えばどんな車種にも取り付けることができます。システムキャリアがついていればもっと簡単で、専用のブラケットで固定すれば、クルマに穴をあけることもなく誰でもすぐに設置できます」
キャンピングカーパーツの販売もおこなっているバンテックでは、サイドオーニングは日本でも圧倒的なシェアを誇るイタリアのFIAMMA(フィアマ)社製の商品を中心に、2メートルから4メートルまでいくつかのサイズが用意されています。
車体に直接取り付けるブランケットやシステムキャリア用のアタッチメントは、バンテックが「もっと手軽にシステムキャリアに組めるように」とオリジナルで開発。
サイドオーニングとセットで販売しており、取り付け用の説明書も同封されているので、自分で設置することができます。
■便利なサイドオーニングの注意点とは?
タープは基本的に地面にペグなどを使って脚を固定させる必要があります。そのため、カーサイドタープも、アスファルトや砂利のうえでは固定することができません。
一方、サイドオーニングも通常はポールを地面に固定させますが、クルマのボディにつけるフックを使えば、そこにポールを固定させて設置することができます。
サイドオーニング(写真提供:バンテック)
サイドオーニングの利用に関してですが、道の駅や高速道路のサービスエリアやパーキングエリアはスペースが限られているので、オーニングを広げて利用することはできません。
ただし、雨が降っているときに軒先として引き出せば、クルマの乗り降りが快適になるといった使い方もできます。
このように、メリットがあるサイドオーニングですが、注意すべき点もあります。前出のバンテックに聞きました。
「軽量化を図っていますので、風には注意する必要があります。また、出し入れするときに注意しないと骨が曲がってしまうので、ゆっくりとおこなってください。手軽ですけど、扱いには注意が必要です」
手間なくすぐに使えることを考えると、キャンプや車中泊の機会が多ければ、魅力的なアイテムでしょう。
※ ※ ※
これまでのイメージで、テントやタープの設営が面倒だと思っている人が、昨今のオートキャンプスタイルを知れば、実はキャンプが気軽なレジャーだということを改めて知ることができるでしょう。
コロナ禍で生活様式が見直されているなか、オートキャンプは少人数なら「3密」を避けやすいレジャーとしても注目されています。
ちなみにバンテックでは、キャンピングカーのレンタルもおこなっています。キャンピングカーに興味がある人は、まずはレンタカーを利用してオートキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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