レクサス並みの高級感!? トヨタ新型「ハリアー」は「NX」を超えた? 割安ながらも上質なSUVに
くるまのニュース / 2020年7月6日 14時10分
新型ハリアーの販売が好調で先行予約開始から約2週間で2万台を受注しました。299万円からという設定にも関わらず高級感溢れるデザインや質感が人気の要因ですが、同じく高級&サイズという部分が共通するレクサス「NX」や先代ハリアーと比べるとどのような違いがあるのでしょうか。
■トヨタ「ハリアー」とレクサス「NX」似て非なる違い
2020年6月17日に発売がスタートしたトヨタの新型「ハリアー」ですが、先行予約受注が同年5月中旬から開始されており、約2週間で予約台数は2万台を超えていたそうです。
そのため、すでにバックオーダーを抱えており、現時点で納車は3か月から4か月待ち、さらに人気オプションの新色(プレシャスブラックパール)、本革シート(レザーパッケージ)、電動シェード付パノラマルーフをすべて選択すると年内納車は厳しい状況だと聞きます。
新型ハリアーは決して安い価格帯ではありませんが、それでも多くの人が「欲しい!!」と思う魅力を備えていることを証明しています。
そのため、「都市型クロスオーバー」という意味ではブランドの違いはあるものの、レクサスと比べる人もいるでしょう。
ちなみに初代/2代目ハリアーはレクサス「RX」の日本版として販売されていましたが、現在だとボディサイズが近いのはRXの弟分の「NX」です。
NXは2014年に「SUVのユーティリティ」と「スポーツカー的なハンドリング」をバランスさせたオールラウンダーな性格を備えたモデルとして登場。
「ALWAYS ON」の精神で毎年進化・熟成をおこなっており、2017年に大幅改良をうけ、現在に至ります。価格帯はハリアーと比べると高め(ハリアー:約299万円から約504万円、NX:約450万円から約608万円)の設定になっていますが、被る所もあります。
なお、ハリアーのチーフエンジニアである佐伯禎一氏は「ハリアーは元々レクサスRXの日本版でしたので、新型ハリアーにもその素質はまだ残っていますが、今はブランドごとの違いはあります」と語っています。
筆者(山本シンヤ)は、「高級車とSUVのクロスオーバー」という“志”の部分はどちらも共通ながらも、ハリアーは「ちょっと頑張れば手が届く高級車」に対して、NXは「世界のプレミアムブランドと戦う高級車」と目指す道は違い、それがトヨタ/レクサスの“立ち位置”であり“味”だと考えます。
それは見た目の差だけでなく、見えない部分つまり、走りにも表れています。ハリアーは「見た目に合った重厚で穏やかな動き」、NXは「見た目よりスポーティでキビキビとした動き」と、実際にステアリングを握ると明確な違いが感じられます。
ただ、基本性能の部分で見ていくと新世代プラットフォームTNGAを採用する新型ハリアーに対して、NXはレクサス専用に最適化されているも旧世代のパワートレイン/プラットフォームのため、「要求性能に対する実現度」という意味ではハリアーが優れているといわざるを得ません。
ただ、これは“現時点”の話になります。NXはデビューから6年が経過しており世代交代のタイミングも近いと聞いています。
当然次期モデルはハリアーと同じくTNGA(プラットフォームはGA-Kが濃厚、RXは同じGA-Kながらも一回り大きな『ハイランダー』用を用いる)を採用するため、本当の“味”の差は同じ土俵になってから判断したいと思っています。
ただ、RAV4とハリアーの味の差は予想以上に明快だったことを考えると、次期NXは「レクサスならでは」な明確な違いが求められることを意味しています。
■納車待てない? 先代と新型…どっちが良いのか。
先行予約時点から好調な新型ハリアーですが、人気車ゆえに納車にある程度時間が掛かります。
そのため、「そこまで待てないよ!!」というユーザーのために、3代目ハリアー(もちろん新車)をストックしている販売店があるという話も聞くほか、中古車市場にもほぼ新車といっていい個体も数多く出回っているようです。
となると、「即納可能な熟成の従来モデルを選ぶべきか?」、それとも「待ってでも新型を選ぶべきか?」という疑問が出るでしょう。
筆者は悩むことなく、「待ってでも新型を選ぶべき」だと断言します。
新型ハリアーはすべての部分で大きく進化しており、パワートレイン/プラットフォームの全面刷新による「走る/曲がる/止まる」といった基本性能の底上げ、安全支援システムの充実、内外装のデザインの洗練度や質感の高さなど、比べるのはちょっと可哀そうに感じるくらいの差で、残念ながら「先代ハリアーのほうが良かった!!」と感じる部分は非常に少ないです。
新型「ハリアー」(左)と先代「ハリアー」(右)
ただ、「新型が完璧か?」といわれると、気になる部分はあります。例えば、視認性が気になるリアウインカー位置、1855mmの全幅(タワーパーキングは1850mmまでの所が多い)、装備の有無(ボンネットダンパーが無い、社外ナビの取り付け不可)、2リッターターボ/GRスポーツのモデル落ちなどです。
そしてハリアーの特徴だった「チュウヒ」のエンブレムの廃止(インテリアの加飾として残る)などがあげられますが、重箱の隅を突くレベルです。
仮に新型ハリアーの価格が大きくアップしていたら、「先代ハリアーはお買い得感あるよ」といえるのですが、先代ハリアーから大きく変化していません。
加えて、新型ハリアーは残価設定ローンの残価率が高いので、月々の支払いベースで考えると先代ハリアーより安いと思われます。
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