あなたの愛車は大丈夫? タイヤの空気圧 インチアップしたら適正値はどう変化する?
くるまのニュース / 2020年7月11日 11時30分
愛車のタイヤの適正空気圧は、ドライバーが知っておくべき知識のひとつです。多くの場合、ドアを開けたときに見えるシールに書いてありますが、純正と異なるタイヤサイズの場合は、適正空気圧が変化することもあるといいます。どのように決めるのでしょうか。
■タイヤの空気圧は1か月に1回以上の点検が必要
クルマのカスタマイズ手法のひとつに、タイヤとホイールの交換があります。なかでも見た目の印象を変える「インチアップ」と呼ばれる手法は、タイヤの外径を変えないまま、タイヤの厚みである偏平率を下げて、ホイール径をアップする方法です。
では、インチアップした場合、タイヤの適正空気圧はどうなるのでしょうか。
インチアップしたときの適正な空気圧とは(写真はイメージ)
クルマには、そのクルマに装着されるタイヤごとの適正空気圧の表記が「車両指定空気圧」として、運転席ドア開口部の目立つ場所 や取扱説明書に記載されています。
タイヤの空気は自然に抜けるため、JATMA(日本自動車タイヤ協会)では1か月に1回以上の点検を求めています。
もし、空気圧不足のまま走行した場合、燃費の悪化だけでなくタイヤの損傷につながり、ひどいときには走行中にタイヤが破裂するなどの危険につながるおそれもあります。
空気圧の調整は、通常であれば、走行してタイヤが熱を発していない冷間時に指定数値となるように調整します。
調整にはポンプやエアーゲージを使いますが、自分で道具の用意ができない場合は、ガソリンスタンドの給油時に備えられていることの多い空気充填機を使う方法が便利です。
しかし、自動車メーカーの車両指定空気圧は、タイヤやホイールが純正品の場合を想定したもので、純正以外のタイヤとホイールを組み合わせた場合の明確な空気圧の基準は、運転席ドア開口部にも説明書にも記載していません。
適正に空気圧を調整しているつもりでも、異なるサイズのタイヤやホイールを装着するインチアップをおこなっていれば適正空気圧は変化します。
ある大手タイヤメーカー系のショップに聞いても「インチアップ、ドレスアップに関して明確な規定がございません」と答えるのみです。
では、実際にタイヤ装着の現場では、具体的にどのようにタイヤ空気圧を決めているのでしょうか。
タイヤメーカーに関わらず、幅広くホイールとタイヤの脱着サービスをおこなっているタイヤショップに聞きました。
――インチアップした際のタイヤの空気圧は、どのようにしていますか。
タイヤメーカー側で、タイヤサイズとホイールのリム幅で推奨されている空気圧があるので、基本的にはその値でお渡しさせていただいています。
最近は、タイヤメーカーもロードインデックス(LI・タイヤの負荷能力)についてWebに公開していますが、まだ認識しているお客さまは少ないように感じますし、タイヤショップやガソリンスタンドでも完全に理解している店舗は少ないかもしれません。
■インチアップしたら空気圧の適正値は?
タイヤメーカー側で推奨された空気圧とはどのようなものでしょうか。
タイヤはサイズごとに支えられる重さが規格で定められていて、その負荷能力がロードインデックスという指数でタイヤに示されています。
インチアップすると適正空気圧も変化することがあるという(写真はイメージ)
スタンダード規格(JATMA・ETRTOなど)と、空気圧および負荷能力を高く設定したEXTRA LOAD規格(レインフォースド規格ともいう)では、同一タイヤサイズでもロードインデックスが異なります。
規格が異なるのに同じ空気圧に設定した場合では、タイヤの負荷能力が下がって性能が十分に発揮されず、インチアップ時にEXTRA LOAD規格のタイヤを装着する場合は、もっと空気圧を上げなければならないこともあります。
たとえばトヨタ「プリウス」などに標準で装着されている195/65R15 91Hタイヤの場合であれば、JATMA規格でのロードインデックスは91となり、タイヤの空気圧が240kPa時の最大負荷能力は615kgです。
ところが、ホイールを17インチにインチアップしてタイヤをJATMA規格の215/45R17にするとロードインデックスは87で、210kPa時の最大負荷能力は545kgに下がってしまいます。そのため、290kPa時に615kgの最大負荷能力を持つEXTRA LOAD規格の215/45R17を選択する必要があり、空気圧も高くする必要があります。
タイヤメーカー各社は、各規格別のロードインデックスの早見表をホームページに掲載していますので、インチアップをされる際は確認するようにしましょう。
また、前述のタイヤショップでは、同じタイヤサイズであってもタイヤメーカーの推奨する空気圧とカーメーカーの車両指定空気圧が異なる場合は、その割合に合わせて適宜変更しているとのことでした。
前述のタイヤショップでは、スタッドレスタイヤでインチアップする人は夏タイヤに比べて極めて少ないとしていますが、純正と同じタイヤサイズの場合は推奨値 とすることが基本だとしています。
タイヤと地面との接触面積を増やすために、空気圧を低めに調整する人もいるといいますが、スタックした場合の脱出用といった非常時以外は、タイヤの性能を十分に引き出すためにも、燃費を悪化させないためにも、メーカーの推奨値を守ったほうがいいとしています。
なお、スタッドレスタイヤの場合、保管時は空気圧を下げておくことが推奨されているため、使い始めの際はよく空気圧を調整して走行することが必要です。
※ ※ ※
インチアップをするときは一般的にタイヤ幅が広くなることが多いため、クルマのフェンダーやサスペンションに接触しないようタイヤやホイールを選ぶ必要があります。
これは一般的に注意されていることですが、タイヤサイズを変更したことによる適正空気圧の変化はあまり論じられていません。
さらに偏平率の低いタイヤでは、空気圧が下がったことが外見からわかりにくいため、適正空気圧は装着時だけでなく日常的に点検が必要です。
もし、適正値よりも低い空気圧で調整してしまい、走行を重ねるうちにさらに空気圧が下がってくれば、タイヤのバーストなどに繋がりやすく非常に危険です。インチアップしたクルマに乗っている人は、いまいちど空気圧に注意してみてはいかがでしょうか。
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