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王者に勝負! トヨタ「クラウン/セルシオ」に挑んだ今はなき高級車5選

くるまのニュース / 2020年7月12日 6時10分

1980年代から1990年代にかけて、トヨタ「クラウン/セルシオ」が高級車の絶対王者に君臨していました。そんなクラウン/セルシオに真っ向から勝負した高級車を5台紹介します。

■独自の個性を打ち出してクラウン/セルシオと勝負した高級車

 自動車メーカーには「フラッグシップ」と呼ばれる、イメージリーダ的な高級車があります。

 1980年代後半から1990年代前半にかけて日本中が好景気にわいていたことから、高級志向が高まり、なかでもトヨタ「クラウン」「セルシオ」は絶対的な人気を誇っていました。

 今回は、クラウン/セルシオに戦いを挑んだ高級車を5台紹介します。

●日産「インフィニティQ45」

 1989年にトヨタは北米で高級ブランドの「レクサス」を立ち上げましたが、日産も同じく北米で高級車ブランド「インフィニティ」を創設しました。

 そのフラッグシップとして開発されたのがインフィニティ「Q45」で、国内でもセルシオのライバルとして日産「インフィニティQ45」が誕生しました。

 セルシオがメルセデス・ベンツ「Eクラス」やBMW「7シリーズ」などに対抗すべく、徹底した静粛性にこだわったように、インフィニティQ45は「ジャパン・オリジナル」というキャッチフレーズで、従来の高級車とはまた違う独自の価値観を持っていました。

 全長5090mm×全幅1825mm×全高1435mmという堂々としたサイズに、280馬力に抑えられた4.5リッターV型8気筒エンジン(輸出仕様は300馬力)を搭載。

 大型フロントグリルを廃止した代わりに七宝焼きのエンブレムを装着したり、日本の伝統工芸の技が光る漆塗りのインパネをオプション設定するなど、細部にまで独自の高級路線を貫いていました。

 しかしインフィニティQ45は注目を集めましたが、商業的には不発に終わります。とくに不評だったのがグリルレスのフロントマスクです。

 デビューから4年後の1993年おこなわれたマイナーチェンジでは、七宝焼きエンブレムや漆インパネを廃止し、オーソドックスなフロントグリルを装着。このクルマをベースに、日産の最高級サルーン「プレジデント」も作られました。

 それでも人気車とはなれず、1996年にはもうひとつの高級車「シーマ」と統合する形で姿を消してしまいました。

●三菱「プラウディア」

 三菱も、セルシオやシーマに対抗する最高級サルーンを生産していました。それが初代「プラウディア」です。

 ここで初代としているのは、かつて日産「フーガ」のOEMとしてのプラウディアが存在していたためです。つまり、三菱製のプラウディアは、初代のみということになります。

 三菱の高級車といえば「デボネア」が有名でしたが、1999年末に後継モデルとしてプラウディアが発表されました。

 全長5050mm×全幅1870mm×全高1475mmという立派なボディに、3.5リッターV型6気筒エンジンと4.5リッターV型8気筒エンジンを搭載し、最上級サルーンとして登場。

 室内の広さを考慮して、初代プラウディアはFFとしているのが最大の特徴です。グレーの本革でまとめられたインテリアには木目パネルが使用され、当時としては最先端のサイドエアバッグも装備しています。

 また、後席の足元を250mm延長させたリムジン仕様の姉妹車「ディグニティ」もありましたが、街でほとんど見かけることはないレアな存在になっています。

 なお、ディグニティは、全幅1.9m近い全幅と延長したボディによって、後席の居住空間は余裕に満ちており、皇族の公用車として採用されました。

■時代に翻弄され惜しまれながら消滅した名車も

●マツダ「センティア」

 歴代のマツダ車では、高級車のラインナップは少ないのですが、かつて高級車に挑戦したこともあります。それが1966年から1991年まで生産された「ルーチェ」です(タクシー車両、教習車としては1995年まで生産)。

マツダ「センティア」マツダ「センティア」

 高性能なロータリーエンジン搭載車をラインナップするなど、実質のライバルはクラウンというより、下のクラスの「マークII」でした。

 そして1991年、もう少し上のセグメントに挑戦すべく送り出された後継モデルが、「センティア」です。

 全長4925mm×全幅1795mm×全高1380mmの3ナンバー専用ボディは、直線基調のルーチェとは違い、緩やかな曲線を組み合わせた美しいデザインとなりました。

 さらに新時代のマツダのフラッグシップを印象付けるべく、2.5リッターと3リッターのV型6気筒エンジンを搭載。あえてロータリーエンジンの搭載をしなかったのです。

 この美しいデザインのセンティアには、「車速感応型4WSシステム」や「ソーラーサンルーフ」を搭載するなど、当時のマツダの最先端技術が盛り込まれました。

 センティアは、デザインが優秀なのは誰もが認められていましたが、販売ではクラウン/セルシオのライバルにもなりきれず、1995年には普遍的なルックスをした2代目へとフルモデルチェンジ。

 しかしインテリアの質感や高級感はクラウンには及ばず、2000年に生産が終了しました。

●日産「レパードJ.フェリー」

 1980年代初頭にスペシャルティカーとしてデビューした「レパード」は、4ドアと2ドアハードトップをラインナップし、5ナンバーとしては十分なサイズのボディに、トップグレードは3リッターV型6気筒ターボエンジンを搭載するなど、贅沢なモデルとして注目されました。

 レパードを人気車種に押し上げたのが、1986年に登場した2代目でした。当時大人気だった『あぶない刑事』で主人公2人が乗る愛車としてTVやスクリーンで大活躍したことで、当時は「デートで乗りたい高級クーペ」として人気となります。

 しかし、バブル景気が弾けた1992年に、それまでの都会的なデザインのクーペから、丸みを帯びた4ドアの高級サルーンへと方向転換し、名前も「レパードJ.フェリー」へ変更されたのです。

 もともとは北米でインフィニティでの販売を想定したセダンで、全長4880mm×全幅1770mm×全高1390mmと、プレステージサルーンにふさわしいサイズを実現。

 さらに、大柄なボディに見合うように、3リッターV型6気筒エンジンだけでなく、シーマにも搭載された4.2リッターV型8気筒エンジンを搭載します。

 また、フェラーリやマセラティでも採用されているイタリアの名門「ポルトローナ・フラウ」社製の本革シートを80万円でオプション設定するなど超高級路線を狙いましたが、「尻下がり」といわれた曲線デザインのスタイリングが、日本市場では受け入れられませんでした。

 その後「レパード」の名に戻され、比較的オーソドックスなルックスのセダンとして、1996年に4代目へとモデルチェンジしました。

●ホンダ「インスパイア/セイバー」

 ホンダには「レジェンド」という高級セダンがありますが、世界戦略車「アコード」との隙間を埋めるべく1989年に開発されたのが「アコードインスパイア/ビガー」でした。

 当時はクーペテイストを感じさせる4ドアハードトップが人気を集めており、トヨタ「マークII」兄弟や日産「ローレル」なども人気でした。

 そこでホンダは、アコードインスパイア/ビガーのコンセプトを「FFミッドシップ」とし、5気筒エンジンを縦置きに搭載したスタイリッシュなスタイルで人気車となります。

 ちょうどその頃、日本の税制が変更され、3ナンバー車の自動車税が減税されたことから、2リッターを2.5リッターに拡大した車種が増加。

 アコードインスパイア/ビガーも2.5リッター直列5気筒エンジンを搭載し、全長を140mm、全幅を80mm拡大した3ナンバーボディをラインナップに加えます。これがさらにヒットし、一時はマークIIに迫る販売台数を記録したほど人気になりました。

 そして、1995年に2代目へとフルモデルチェンジし、全長4840mm×全幅1785mm×全高1405mmの完全な3ナンバーボディへと進化させつつ、車名をアコードインスパイアから「インスパイア」に、姉妹車を「ビガー」から「セイバー」へと名称変更し、インスパイア/セイバー姉妹となりました。

 心臓部は、初代と同じ2リッターと2.5リッターの直列5気筒エンジンだけでなく、レジェンドと共通の3.2リッターV型6気筒エンジンを搭載した上級グレードも展開。

 これは、アメリカで展開していた高級ブランド「アキュラ」で「TL」として販売するためでもありました。

 しかし、バブル崩壊によって、すでに高級セダンの人気が下降しており、ホンダ自らが登場させたミニバン「オデッセイ」の大成功のあおりを受けて、初代ほどの成功を収めることはできませんでした。

 さらに1998年、インスパイア/セイバーはフルモデルチェンジしますが、市場はミニバン全盛期でセダンは完全に冬の時代に突入します。

 2003年にインスパイアが4代目へフルモデルチェンジする際に車種が統合され、セイバーのネーミングは2代限りで終了してしまいました。

※ ※ ※

 1980年代から1990年代にかけて、当時の最新技術を盛り込んだ高級車が数多く登場しました。

 魅力的なライバル車がたくさん存在するということは、それだけクラウンとセルシオが強力なブランドイメージを持っていたことがうかがい知れます。

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